本日6月18日の8時2分ごろ、大阪府北部でマグニチュード5.9と推定される地震がありました。この地震による津波の心配はないものの、その後も大阪府を震源とした地震が頻発しています。この地震により観測された最大震度は震度6弱であり、人的な被害も発生しています。
関西圏では交通がマヒした状態が続いており、訪日外国人は移動も宿泊も予定が狂ってしまうなど、大阪のインバウンド業界への影響が懸念されます。
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訪日外国人に大人気のエリア・大阪を直撃した震度6弱
大阪は訪日外国人の間で人気が高まっているエリアです。大阪のインバウンド人気は、京都からの近さ、関西国際空港の存在、「東京と大阪」という2大都市の一角としての知名度などが考えられます。くわえて、食い倒れの街という楽しいイメージやUSJなど観光資源が豊富なことが挙げられます。
実は今、インバウンドでは大阪が京都よりも圧倒的に人気 最新のアンケート調査で判明した関西圏での訪日外国人の行動とは
訪日外国人観光客が実際にどのような消費行動をしているのか、実際に何を求めているのかを知るのに有効なのがアンケート調査です。特に、日本の玄関口となる空港で行う調査は、実際の訪日外国人観光客の姿がリアルにわかる極めて信憑性の高い調査であると言えます。株式会社三菱総合研究所は、関西国際空港から出国した外国人旅行者に対するアンケート調査 を行ないました。対象となったのは関西国際空港から出国した訪日外国人観光客で、中国・韓国・台湾・香港・欧州・米国・タイ・タイを除くASEAN諸国の主要9カ国の400...
その大阪で朝の出勤ラッシュを直撃した、大阪北部の震度6弱の地震。予震などは一切なく、まさに不意打ちでした。その後も地震は続いており、現地では余震への緊張が高まっています。
安倍首相も総理大臣官邸で会見を行い、「人命第一、この基本方針で政府一丸となって臨んで対応しております。」と述べ、危機管理センター入りしました。
時間が経つにつれその被害が明らかになってきていますが、この地震による交通網のマヒは夕方になっても解消されておらず、訪日外国人の旅程を直撃する形となりました。
遅延は近畿地方にとどまらず、より広域への影響を与えました。大阪・京都・奈良のゴールデンルートは各駅で足止めをくらい、ほとんど移動ができない状態となりました。
地震発生後にみられた大阪観光局の素早い初動
このような中、いちはやくホームページで観光客向けにサポートの動きを見せたのが大阪観光局です。その日のうちに災害対応のコメントを発表しました。
コメントの中では、24時間対応の多言語対応コールセンター「大阪コールセンター」や地震の情報や鉄道・道路等の情報を把握できる「大阪防災ネット」などで災害関連情報を発信していることをアピールしています。
「大阪コールセンター」「大阪防災ネット」ともにホームページが多言語対応しており、常日頃の観光への日々の取り組みが、危機管理に功を奏したかたちになっています。
また、ホームページを使うのに必要となるWiFiも、災害時ということで「認証なし・時間制限なし」の使い放題で開放されています。インバウンド観光におけるおもてなしは楽しませることだけに限らず、こういった災害時のサポートも含まれるのかもしれません。
日本政府も訪日外国人への防災インバウンド対策はとっているものの、まだ十分とはいえない
安倍総理大臣は会見で次のように声明を出しています。
「まずは早急に被害状況を把握し、被災者の救助、救命に全力を挙げること。政府から適時適切に正確な情報を国民の皆様にお伝えすること」
国民はもちろんのこと、インバウンドで日本を訪れている訪日外国人にも正確な情報提供とサポートを提供することが必要となっています。
- ** 観光・宿泊施設向け:対応マニュアルの配布**
- 自治体向け:安全確保のための手引き
- 訪日外国人観光客向け:プッシュ型情報発信アプリ「Safety tips」の配信
などが挙げられていますが、今回の大阪の地震についてみると「Safety tips」は大阪観光局が提供しているたくさんの情報と連携していないようです。
訪日外国人観光客への防災インバウンド対策とは。防災備品レンタルサービスが開始&今までの政府の取り組みをおさらい
合同会社Life Droneのプレスリリースによると、同社は訪日外国人観光客向けに防災備品「sonae」のレンタルサービスを開始しました。今までであれば訪日外国人観光客への防災対策は主に政府によって行われてきましたが、今回は民間企業による防災インバウンドへのアプローチ。ホテル、宿などの宿泊施設、また観光施設などの従業員にとっては朗報です。 目次民間企業から防災インバウンド対策へのアプローチ:新サービス「sonae」防災備品をリュックサック1つにこれまでの政府の災害発生時における訪日外国人観...
熊本地震・鳥取地震などに学ぶインバウンドの教訓とは?
過去の大きな地震災害で、インバウンド業界はどう対応してきたのでしょうか?熊本地震・鳥取地震など過去の事例を見てみましょう。
熊本市では、熊本地震で被災した外国人観光客を含めた外国人を支援しようと、外国人を対象にした避難所が開設されました。中国や韓国、カナダをはじめとした9か国の人たちおよそ40人が避難しました。
熊本地震に見る訪日外国人への災害対応
2016年(平成28年)4月14日21時26分頃に発生した熊本地震。熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5、最大震度7の地震で、更に4月16日1時25分頃に、同じく熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード7.3、最大震度6強の地震が発生しました。現在も余震が続いており、懸命な救助活動が続いています。4/18現在で死者43名にのぼり、今もなお、約9万4千人が避難している状況です。お亡くなりになられた方々の御冥福をお祈りするとともに、御遺族の皆さまには衷心よりお悔やみを申し上げます。ま...
鳥取地震では、地震後の風評被害の払拭につながるさまざまな取り組みが官民一体で行われました。
官民一体で早期の風評被害払拭に尽力 鳥取中部地震で被害を受けた鳥取県の復興策
平成28年10月21日に発生し、最大震度6弱を記録した鳥取中部地震。11月8日時点で、この地震により鳥取県内では約1万2,003棟の建物が損壊し、40か所以上の文化財被害を受けたことが報告されています。なお、詳細につきましては以下の記事からご確認ください。短期的に多くの市民の生活を脅かしたのはもちろんですが、約2ヶ月が経った今、鳥取県内の各種産業に対する長期的な悪影響を払拭するために動かなければならない時期に入っています。特に観光業の場合、風評被害というかたちで震災のダメージがじわじわと続...
くわえて、東日本大震災で避難者3000人という大きな被害を受けた新潟市も、国土交通省北陸信越運輸局と協力して「避難マニュアル」が付いた観光ガイドを作製しました。英語、中国語(簡体、繁体)、韓国語の4バージョンがあり、2018年3月下旬から配布を開始しています。
2020年に向け必ず必要となる受け入れ整備 それは「災害時対応」:国土交通省北陸信越運輸局と新潟市が他に先駆けて災害対策マニュアル作成
訪日外国人が日本を旅行する際に参考にしている情報源は様々です。平成29年1-3月期の訪日外国人の消費動向によると、訪日外国人が日本滞在中に得た旅行情報源で役に立ったものとしては、「インターネット(スマートフォン)」という回答が70.7%と最も高くなっており、次いで「インターネット(パソコン)」(17.6%)、「観光案内所(空港除く)」(17.0%)となっています。しかし持ち歩ける無料の観光ガイドブックも利便性が高く、このガイドブックをさらに活用しようという取り組みも行われています。今回はそ...
まとめ:気象庁も「今後1週間は余震に注意」を呼びかけ。インバウンド業界も影響必至・しばらくは注意を
気象庁は今回の大阪北部の震度6.1が本震かを明言しておらず「今後1週間は余震に注意」を呼びかけています。今後数日は余震に注意が必要です。
日本での旅行を楽しみにして来日した訪日外国人へ適切な情報提供とサポート、ケアも必要となるかもしれません。
インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない?
<参考>
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