8月はスクールホリデーがある国も多く、毎年一定の訪日需要が見込まれる月です。日本各地でも夏祭りが最盛期を迎え、各地で注目のイベントが多数開催されます。
本記事では、日本各地で8月に開催される訪日外国人にも人気があるイベントを、訪日ラボコンサルタントが紹介します。
1. 青森ねぶた祭
- 開催地:青森市中心部(青森県青森市)
- 開催期間:2026年8月2日〜7日(前夜祭は8月1日開催)

青森ねぶた祭の概要
青森ねぶた祭は「東北三大祭り」の1つで、青森県の夏の風物詩といえるお祭りです。毎年8月2日から7日にかけて開催され、期間中の青森市内はインバウンドを含む多くの人でにぎわいます。
青森ねぶた祭の歴史は、江戸時代にまでさかのぼります。享保年間(1716年~1736年)の頃に、当時の油川町(現在の青森市)付近で弘前のねぷた祭をまねて灯籠をもち歩き回った記録が最古のもので、現在のような歌舞伎などを題材にした灯籠が登場したのは、文化年間(1804年~1818年)といわれています。
途中、文明開化の政策を進めるなかで菱田県令によるねぶた禁止令や戦災を乗り越えながらも、1980年に青森ねぶた祭は「青森のねぶた」として国の重要無形民俗文化財に指定されました。
会期中は歌舞伎や歴史、神話を題材に極彩色で描かれたねぶたが街を練り歩く行事のほか、会期中に青森花火大会も同時開催され、毎年100万人以上を集める大規模なお祭りとして定着しています。
なお、2011年には青森ねぶた祭の歴史や魅力を伝える場として、青森市文化観光交流施設「ねぶたの家 ワ・ラッセ」が青森駅前にオープンしました。ここでは大型ねぶたが常設展示されているため、青森に来ればいつでも大型ねぶたが見られるようになっています。
青森ねぶた祭のインバウンド動向
青森ねぶた祭の舞台となる青森県青森市には、国際線も発着する青森空港のほか、クルーズ船が停泊する青森港が存在します。
青森空港では、2026年7月時点で韓国線(ソウル・仁川)と台湾線(台北・桃園)の2路線が運航されており、コロナ明けの2024年に定期便の運航が再開して以降、訪日需要の増加に応じて便数を着実に増やすなど好調な動きをみせています。
実際に、2024年の青森県観光入込客統計では訪日外国人の観光入込客数が34万7,000人と過去最高を記録したほか、最新の月例観光統計調査(2026年5月)では外国人宿泊者数が前年同月比24.1%増の2万4,642人泊を記録しました。
なお、青森ねぶた祭のウェブサイトでは英語、韓国語、簡体字、繁体字に対応しているほか、英語、繁体字のガイドマップを公開するなど、インバウンド対応が進んでいます。
また、外国人も迫力ある大型ねぶたを間近で楽しめるよう、英語対応した有料観覧席の販売サイトが設けられたり、2025年にはインバウンド向け旅行事業を展開するJapan Navi Groupによる1日1組限定の青森ねぶた祭りツアーが催行されたりと、ここ数年で新たな取り組みもみられるため、今後の動きにも注目です。
関連記事:
2. SUMMER SONIC 2026
- 開催地:ZOZOマリンスタジアム・幕張メッセ(東京会場・千葉県千葉市) / 万博記念公園(大阪会場・大阪府吹田市)
- 開催期間:2026年8月14日〜16日

SUMMER SONIC 2026の概要
SUMMER SONIC 2026は、東京・大阪の2都市で同時開催される都市型音楽フェスティバルです。過去24回の累計来場者数は約470万人にのぼり、開催25回目の節目を迎える今年は例年よりも規模を拡大して3日間開催されます。
東京会場では6つ、大阪会場では5つのステージが設けられ、例年多くの海外アーティストが出演するのも特徴です。
今年は開催日程が1日増えることもあり、イベント史上最大規模となる33万人の延べ来場者数を予定しています。
SUMMER SONIC 2026のインバウンド動向
出演する海外アーティストのファンなどの需要をふまえ、SUMMER SONICではインバウンド向けのチケット販売を行っています。
2023年には、ポッドキャスト番組「Festival Junkie Podcast」に出演したクリエイティブマンプロダクション 代表取締役の清水直樹氏が、インバウンド来場者の割合やチケットの売れ行きについて「現時点では1割程度だが、インバウンド向けに確保したチケットがすぐにソールドアウトして追加するなど反響が大きくなっている」と言及。数年経過し、訪日需要の増加とともに来場者数も増加の一途をたどっていることが予想されます。
なお、SUMMER SONICの公式サイトは日本語のほかに英語にも対応しています。2024年、2025年にはタイ・バンコクでも同フェスが開催されており、インバウンド・アウトバウンド双方の取り組みを進めることで、音楽フェスとしてのさらなる成長を目指す様子が見受けられます。
関連記事:
3. 郡上おどり
- 開催地:岐阜県郡上市八幡町市街地(岐阜県郡上市)
- 開催期間:2026年7月11日~9月5日 ※徹夜おどりは8月13日~16日

郡上おどりの概要
郡上おどりは、城下町の郡上八幡で400年にもわたって受け継がれてきた踊りです。日本三大盆踊りの1つともいわれており、約2か月の期間中に30夜ほど郡上市八幡町エリアの各地でお祭りが開催されます。シーズン中には約30万人が訪れるとされ、夏の恒例行事として親しまれています。
なかでも、8月13日から16日は「盂蘭盆会(うらぼんえ)」として4夜連続で「徹夜おどり」と呼ばれる会が開催されます。徹夜おどりは20時から翌朝4時まで夜通し踊り明かすイベントで、日本一のロングラン盆踊りとも称されています。
郡上おどりは、浴衣姿の踊り子と旅行者が同じ輪に加わって踊れる参加型のお祭りとなっているのが特徴です。2022年には「風流踊」の1つとして、ユネスコ無形文化遺産に登録されました。
郡上おどりのインバウンド動向
郡上おどりの開催地、郡上市が位置する岐阜県は、2025年の外国人延べ宿泊者数が前年比3.9%増、2019年比20.7%増の200万4,510人泊と、過去最高を記録しています。
岐阜県のインバウンド需要をけん引するのは、白川郷などが位置する飛騨高山エリアが主ですが、郡上市の訪日需要も伸びており、最新データによると、2025年の外国人宿泊客数は前年比29.0%増の1万8,298人泊となっています。
郡上おどりは気軽に参加できる点が特徴で、外国人でも輪に入って一緒に踊り、日本の文化を体験することが可能です。近隣では浴衣レンタルなどのサービスも提供されているため、お祭り気分を味わうことができます。
なお、郡上おどりが開催される7月から9月には、同じ市内の白鳥町で「白鳥おどり」と呼ばれる盆踊りも開催されています。こちらも郡上おどり同様、長い歴史をもつ参加型のお祭りです。この時期に郡上市を訪れると、個性ある2種のイベントを楽しめます。
関連記事:
4. 京都五山送り火
- 開催地:如意ヶ嶽、西山・東山、妙見山、大文字山、仙翁寺山(京都府京都市)
- 開催期間:2026年8月16日

京都五山送り火の概要
京都五山送り火は、お盆の末に京都市内を囲む5つの山で行われる伝統行事です。
もっともよく知られているのは如意ヶ嶽の「大文字送り火」で、当日はこの山の送り火が20時に点火されるのを皮切りに、西山・東山の「松ケ崎妙法送り火」、妙見山の「船形万燈籠送り火」、大文字山の「左大文字送り火」、仙翁寺山(万灯籠山・曼荼羅山)の「鳥居形松明送り火」と、5分おきに次々と炎が灯されていきます。これらは京都市登録無形民俗文化財にも登録されており、京都五山送り火は祇園祭と並んで京都の夏の風物詩といわれています。
京都五山送り火は、京都市内の各所から見ることができ、京都総合観光案内所などによって鑑賞マップも公開されています。
無料で鑑賞できるスポット以外にも、ニデック京都タワー展望室では立ち見の鑑賞チケットが抽選で販売されたり、ホテルグランヴィア京都、ウェスティン都ホテル京都、ザ・プリンス 京都宝ヶ池などといった宿泊施設では、食事や宿泊つきの特別鑑賞プランが提供されたりと、市内各地のあらゆる場所でこの日ならではの体験が用意されているのも特徴です。
京都五山送り火のインバウンド動向
日本の古都・京都はインバウンド観光のゴールデンルートと称されており、毎年多くの訪日客でにぎわいます。2025年には外国人観光客1,268万人を記録し、過去最高を更新しました。
桜や紅葉シーズンと比べると、夏の京都は比較的観光客数が落ち着くシーズンですが、2025年8月は前年比3.4%増の139万3,217人泊となっています。同月の国・地域別のデータをみると、最多は中国の44万3,519人で、その後は米国(13万1,832人泊)、イタリア(11万1,255人泊)、台湾(10万986人泊)と続きました。地域を問わずさまざまな観光客が訪れている様子がうかがえます。
なお、京都市観光協会(DMO KYOTO)では、2024年に京都五山送り火連合会と共同で、英語ガイドつきの京都五山送り火特別体験を販売したことがあります。同体験は通常入山が禁止されている各山に登り、歴史や点火に関わる作業などの解説を受けられるもので、販売価格が23万円と高額であったことから話題になりました。
2026年はこうしたプランの設定はみられませんが、京都五山送り火連合会のWebサイトでは英語と簡体字、京都市観光協会が運営する「京都観光Navi」では英語、フランス語、簡体字、繁体字、韓国語、スペイン語に対応し、京都五山送り火の情報などを発信しています。
関連記事:
5. 阿波おどり
- 開催地:藍場浜演舞場、南内町演舞場、紺屋町演舞場、アスティとくしま、あわぎんホールなど徳島市内各所(徳島県徳島市)
- 開催期間:2026年8月12日〜15日 ※アスティとくしまで行われる「匠の舞台 優りび」は8月11日開催

阿波おどりの概要
阿波おどりは、400年以上の歴史をもつ伝統的な行事で、よさこい祭り、新居浜太鼓祭りとともに四国三大祭りの1つといわれています。
8月に徳島県内の各地で開催されていますが、なかでも最大規模といわれているのが、徳島市内で毎年8月12日から15日の4日間にかけて行われる阿波おどりです。
阿波おどりでは、連(れん)と呼ばれるグループが三味線や太鼓などの鳴り物による伴奏に合わせて舞やよしこの(唄)を練り歩きながら披露します。徳島県内ではさまざまな連が活動していますが、阿波おどり振興協会、徳島県阿波踊り協会に加盟する阿呆連、娯茶平連、のんき連などの連は「有名連」と呼ばれています。
阿波おどり開催期間中は、アスティとくしま(11日のみ)、あわぎんホールと屋外3か所に設けられた有料演舞場に加え、無料演舞場、おどり広場など徳島市内のあらゆる場所で500連以上の舞をみることができ、2024年、2025年には100万人以上が集まりました。
阿波おどりのインバウンド動向
阿波おどり期間中のインバウンド単体の来場者数は公表されていませんが、2024年、徳島阿波おどり空港に香港線(現在は運休)と韓国線(ソウル・仁川)が就航したのを皮切りに、徳島県全体の訪日需要は増加しています。2025年の外国人延べ宿泊者数は前年比32.5%増の23万80人と、急速な伸びをみせました。
阿波おどりでも、インバウンド対応として英語のチケット販売サイトを設け、有料観覧席の販売を行っています。
2026年は、特別企画として「川辺の特等席『雅やび』」と呼ばれるプレミアム観覧プランが49万5,000円(最大5名用、サービスフルセット価格)で用意されており、同プランでは有名連による踊り込みを間近で体験できるほか、有名連との写真撮影や新町川クルーズ、限定の食事「雅やびの折詰」などを楽しめます。
なお、徳島市内には阿波おどり会館があり、休館日やお祭りの期間外は基本的に毎日阿波おどりの夜公演が行われています。お祭りの期間外でも徳島市内では、阿波おどりの文化を体験することが可能です。
関連記事:
訪日ラボコンサルタント 胡 文進のコメント
近年、中国人旅行者の訪日ニーズは、従来の「買い物中心」の旅行から、日本の伝統文化を体験し、地方都市を深く楽しむ旅へとシフトしています。
8月は中国の学生にとって夏休みシーズンであり、海外旅行需要が高まる時期です。一方で、2025年11月以降、中国国内における対日世論や関連する要因の影響を受け、訪日を控える旅行者も一定数存在しています。しかし、日本旅行への関心が高い層は引き続き訪日を続けています。
また、今年日本渡航にかかるビザ取得費用や航空券価格が上昇しており、訪日のハードルは以前より高まっています。そのため、現在も訪日を選択している旅行者は、比較的高い購買力と十分な旅行予算を持つ個人旅行層の割合が高まっていると考えられます。
こうした旅行者にとっては、東京・大阪・京都といった定番の「ゴールデンルート」だけでなく、一つの祭りを目的として旅程全体を組み立てる旅行スタイルへの関心も高まっています。
このような参加型・季節限定・地方ならではの魅力を持つ体験は、中国の高所得FIT層が求める「個性」「没入感」「深い文化体験」といった旅行ニーズに合致しており、今後さらに注目を集める可能性があります。
プロフィール:胡 文進

中国市場向けマーケティングを専門とし、10年以上にわたりインバウンド領域に従事。2016年に大学卒業後に来日し、訪日中国人旅行者向けの旅行事業およびマーケティング分野で経験を積む。
2017年より中国のSNS「RED(小紅書)」で情報発信を開始し、現在のフォロワー数は12万人を超える。
2024年に株式会社movへ入社。現在は、中国市場を中心としたインバウンドマーケティング戦略の立案・実行支援を担当し、中国人旅行者向けプロモーションや市場分析を通じて、企業の中国市場における集客・認知拡大を支援している。
インバウンド対策にお困りですか?
「訪日ラボ」のインバウンドに精通したコンサルタントが、インバウンドの集客や受け入れ整備のご相談に対応します!
<参照>
- 青森ねぶた祭 オフィシャルサイト
- Web東奥:今夏の青森ねぶた人出101万人 前年比4万人減
- ねぶたの家 ワ・ラッセ 青森市文化観光交流施設:ワ・ラッセについて
- 青森空港:出発便一覧
- 青森県庁ウェブサイト
- Japan Navi Group:インバウンド向け旅行事業「Japan Navi Journey」をローンチ 第一弾として1日1組限定青森ねぶた祭りツアーを催行
- SUMMER SONIC 2026 公式サイト
- eplus.tickets:SUMMER SONIC 2026
- Festival Junkie Podcast:#157 今年のサマソニのブッキング裏話、フェスツーリズム&インバウンドの可能性、清水代表の注目フェスは?
- タイ国政府観光庁:サマーソニック・バンコク 2025
- 郡上八幡観光協会:郡上おどり
- TABITABI郡上
- 郡上市:令和6年 市内宿泊施設宿泊客数調査
- 文化遺産オンライン:風流踊
- 観光庁:宿泊旅行統計調査
- 京都五山送り火連合会:HOME
- 京都市文化財保護課:京都市指定・登録文化財-無形民俗
- 京都総合観光案内所:京都五山送り火 鑑賞マップ
- ニデック京都タワー:ニデック京都タワー展望室 五山送り火鑑賞 2026
- ホテルグランヴィア京都:五山送り火 鑑賞付きプラン
- ウェスティン都ホテル京都:五山送り火 鑑賞の夕べ2026
- ザ・プリンス 京都宝ヶ池:京都の夏に思いを馳せる「五山の送り火」鑑賞席付き(夕朝食付き)
- 京都市情報感:令和7(2025)年 京都観光総合調査の結果
- 京都観光Navi:京都五山送り火特別体験のご案内
- The Awaodori
- 徳島県:阿波おどり
- 阿波おどり会館:阿波おどり「有名連」のご紹介
- 徳島阿波おどり空港:国際線 発着便時刻表
- チケットぴあ:Awa Odori Festival (Tokushima)
- 阿波おどり会館:阿波おどり夜公演スケジュール
中国インバウンド対策なら「口コミコム」で
大衆点評の運用・口コミ分析・情報最適化まで、中国人観光客に選ばれる店舗づくりを支援。
日本に3社しかいない大衆点評公式代理店のmovがサポートします。
【好評配信中】【元外食チェーン担当者が解説】今さら聞けない!飲食店のインバウンド団体集客
本セミナーでは、飲食店におけるインバウンド団体集客の基本的な考え方や、現在の市場環境を踏まえた集客手法について解説します。元外食チェーン担当者の実務経験をもとに、団体客と個人客それぞれの特徴や、団体利用を口コミやGoogleマップを活用した次の集客につなげる考え方を、現場目線でわかりやすく紹介します。
<セミナーのポイント>
・飲食店におけるインバウンド団体集客の基本がわかる
・団体客を次の集客につなげる考え方を学べる
・現場で実践されているインバウンド対応の工夫を知ることができる
詳しくはこちらをご覧ください。
▶ 【元外食チェーン担当者が解説】今さら聞けない!飲食店のインバウンド団体集客
【2026年最新】インバウンド人気ホテル・旅館ランキング[沖縄編] 訪日客に人気No.1の宿は?
沖縄のホテル・旅館に寄せられた12,566件の外国語口コミをもとに、訪日客から高い評価を集める施設や、その人気の理由を分析した調査レポートです。沖縄エリアのインバウンド人気ランキングに加え、英語・繁体字・韓国語など言語圏別の傾向や、人気No.1施設の口コミ分析も掲載。インバウンド集客や宿泊施設の運営改善に役立つヒントを紹介します。
<本資料でわかること>
- 沖縄で訪日客に人気のホテル・旅館ランキングがわかる
- 英語・繁体字・韓国語など言語圏別の人気施設を紹介
- 人気No.1施設に高評価が集まる理由を口コミから分析
- 外国語口コミの件数・評価傾向をデータで把握できる
口コミをインバウンド施策に活かすポイントを解説







![SNS・UGC時代のインバウンド戦略:国別チャネル選定から旅マエ〜旅ナカ設計まで解説[8/6無料セミナー]](https://static.honichi.com/uploads/entry/image/14529/small_webinar_bnr_20260806_hlab.png)




