今年6月の民泊新法の施行以来、大手企業の民泊参入が連日のようにニュースをにぎわせています。民泊によって派生する民泊関連事業はじつは幅広く、新規参入をする企業群も旅行サイト・不動産サービス以外にも多岐にわたります。
各社からめまぐるしく発信される民泊参入のプレスリリース・ニュースを分析すると、国内の大手宿泊予約サイトを中心に3つの大きな提携グループが生まれており、それをとりまく形で新たなビジネスのネットワークが生まれているようです。この新たな民泊ビジネス生態系をまとめて整理してみました。
東京オリンピックでホテル4.4万室不足というデータも!? 宿泊施設不足問題を乗り越える国・民間の取り組み
日本政府観光局(JNTO)が発表している2017年の訪日外客数を見ると、1月から6月の上半期の推定値で約1,400万人弱 となっており、前年比+17.4%で推移 しています。こうした状況を受けてホテルの客室数不足、宿泊費の高騰が叫ばれており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、東京や大阪などの都市部を中心に、およそ4.4万室が不足 するとも言われており、客室不足が深刻化するとされています。ホテルの開発は現在も各地で進んでいますが、新たな用地確保が困難になっている状...
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民泊・特区民泊により宿泊産業に生まれた民泊コア事業3つ
民泊新法施行・特区民泊といった新しい法律や制度によって民泊の事業化が後押しされたことにより、多様なビジネスを縦断した新しいネットワークが生まれています。
民泊のコアとなる3事業は
- インバウンド集客のための宿泊予約サイト
- 民泊物件を提供する不動産サービス
- 民泊物件の運用管理代行サービス
の3つです。この周辺に鍵の受渡し代行サービスやセキュリティサービス、そして損害保険などの企業が提携をして繋がり、民泊ビジネスを構成しています。
大きな流れは「楽天LIFULL STAY」「Airbnb+リクルート」「JTB+百戦錬磨+オープンドア」
現在、民泊業界において民泊事業提携の流れが「楽天LIFULL STAY」「Airbnb+リクルート」「JTB+百戦錬磨(STAY JAPAN)+オープンドア(トラベルコ)」の3つに大きくまとまっていく印象を受けます。
これらの3つのグループはそれぞれ、日本国内の大手宿泊予約サイトとインバウンド誘致が得意な民泊予約サイト、そして不動産サービスという3つの業種から成り立っています。
また、このチャートに掲載されている以外にも大手企業が続々と民泊参入・提携をしている現状があります。
ホテルor民泊、国内需要orインバウンド需要。各サイトブランドの使い分けは?
海外と異なり民泊とはいいながら大手企業がメインプレーヤーとなりつつある日本の民泊業界。
前述の3つの民泊提携グループはどこも日本で知名度を確立しているホテル予約サイトを持っていながら、あえて民泊専門ブランドを作り、住み分けをしようとしています。
旅館業と民泊の軋轢を避ける意味でも、訪日外国人が探しやすいという意味でも、民泊専門ブランドは効果的かもしれません。ただ、把握しづらいという欠点がありますので、下図にまとめてみました。
この他にも大京・アパマン・エイブル・シノケン・レオパレス21といった大手不動産サービス企業が物件供給力をバックに提携・また独自で民泊参入しています。
【民泊】もはや個人の小遣い稼ぎじゃない
平成30年6月15日に住宅宿泊事業法(民泊新法)が施行され、個人経営のグレーゾーン民泊物件が大量に姿を消しました。観光庁がAirbnbを中心とした民泊仲介サイトへ違法物件への予約の取消を通知したため、無許可物件の情報が大量に非公開にされたのです。民泊は終わりかと思いきや、ここにきて大手デベロッパー・不動産サービス業が大手旅行サイトと提携して次々に民泊事業への参入を表明しています。日本の民泊市場のメインプレーヤーは個人から大企業へと様変わりをしそうです。大手企業はなぜこのタイミングに民泊参入...
まとめ: メインプレーヤーが出揃いつつある民泊業界。インバウンド環境整備は進む…が個人民泊オーナーは置いてきぼりか
過去数年間の日本のインバウンドの伸びはすさまじく、増え続ける訪日外国人の数に宿泊施設が追い付かない状況が続いていました。民泊・特区民泊もようやく法的な整備がいったん終わり、民泊は市民権を得たビジネスになりつつあります。インバウンド環境が整備されることは喜ばしいことです。
ただ、これら大企業のダイナミックな動きの中で民泊がもっとも付加価値をつけられる個人ホストのおもてなしは残念ながら置き去りになっている感があります。自宅でもてなす・日本を好きになってもらうを目的にしていた個人が参入しづらい環境となったのは、さらに考えていくべき点かもしれません。
また、海外の民泊サイトでは普通に見られる多様性のある環境・面白い宿泊体験が画一的な物件提供とは異なるスタンスから生まれることも忘れてはいけないでしょう。
観光庁 初の「民泊利用の訪日外国人」の動向調査発表:いまや訪日客の12.4%が民泊を利用
日本を訪れる訪日外国人観光客の民泊の利用が増加していると言われていますが、これについて観光庁は、平成29年7-9月期に訪日外国人旅行者の「有償での住宅宿泊」について調査を行っています。これは、日本滞在中の訪日外国人観光客の利用宿泊施設の回答として、現在の観光庁が選択肢として用意している「旅館」「ホテル」以外に、「その他」という回答が増えている こと、つまり 民泊利用 などが増えていることを受けて実態を把握するために行われたものです。インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳...
インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない?
<参考>
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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