ホテル4.4万室の深刻な客室不足…インバウンド宿泊需要を受け入れるべく、官民一体で進むホテルの客室数不足への取り組み

ホテル4.4万室の深刻な客室不足…インバウンド宿泊需要を受け入れるべく、官民一体で進むホテルの客室数不足への取り組み

日本政府観光局(JNTO)が発表している2017年の訪日外客数を見ると、1月から6月の上半期の推定値で約1,400万人弱 となっており、前年比+17.4%で推移 しています。こうした状況を受けてホテルの客室数不足、宿泊費の高騰が叫ばれており、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、東京や大阪などの都市部を中心に、およそ4.4万室が不足 するとも言われており、客室不足が深刻化するとされています。

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2020年、大阪府の宿泊施設で深刻な客室不足?みずほ総合研究所、供給不足の可能性が高いと試算

平成29年(2017年)1月20日、みずほ総合研究所が2017~2020年ごろまでのインバウンド市場に関する予測を発表。試算から、大阪で大きな客室不足が発生する可能性があることを明らかにしています。客室不足は需要を取りこぼすことになる宿泊施設はもちろん、訪日外国人観光客の観光ルートにまで影響する可能性もあり、その他の観光関連事業者にとっても、重要な問題。また、民泊の規制緩和が進められている現在としては、ビジネスに乗り出すか否かと考えている方もいるのではないでしょうか。今回は、みずほ総合...

ホテルの開発は現在も各地で進んでいますが、新たな用地確保が困難になっている状況もあります。こうした背景を受けて、官民ではどのような形でホテル不足解消に動いているのでしょうか?

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<民間事業者>によるホテルの客室数不足への取り組み

民間事業者においては、空きオフィス・空き家などをホテルに転換する動きが出てきています。例えば、築年数の古い物件や稼働の低いオフィスビル、オフィスビルの空き部屋などをホテルに用途変更するといった取り組みです。これは、初期投資額が少ない、工期が短期であるなどのメリット があり、そのため、宿泊業以外の事業者が新規参入する事例が増加しています。オフィス事業者が、自社で所有する空きオフィスの対策として、立地・スペックを吟味した上でホテルにコンバージョンする事例が目立つようです。

最近では、みずほ銀行が7月25日に米エアビーアンドビーと業務提携契約を締結。みずほ銀行の取引先の社宅などを民泊施設に活用できるようにする試み を始めています。これはみずほ銀行の取引先の使われていない社宅や鉄道の無人駅、寺などを民泊施設として紹介し、リフォームが必要になった場合などの資金融資をみずほ銀行が行うというもの。損害保険会社など、他の事業会社も巻き込んで、2018年度からのサービス開始を目指しています。

<国土交通省>によるホテルの客室数不足への取り組み

国土交通省の取り組みとしては、宿泊施設の容積率緩和制度創出 があります。2016年6月、国土交通省は地方公共団体宛に宿泊施設の整備に着目した容積率緩和制度創設について通知しました。これは 新築のみならず増改築、用途変更も含めた多様な宿泊施設の容積率を大型化出来る というもので、最大で現行の容積率の1.5倍、且つ300%を上限に上乗せ する案が容積率緩和の考え方として例示されています。

容積率が増加することでホテルの大型化(客室数増加)に繋がり、収益性が上昇 するため、ホテル適地の増加や異業種からの新規参入を促す可能性があるとされます。しかし収益性が上昇する一方で、用地の仕入価格も上昇する場合、容積率緩和の適用を受けた新築ホテルの利回りが良くなるかは不透明となっています。

<政府>によるホテルの客室数不足への取り組み

政府は、空き家、住宅の空き部屋、マンションの一室などを宿泊施設として活用する民泊を法整備 をすることで宿泊施設の客室数増加を図っています。ホテル不足対策および空き家有効活用を目的に、住宅を活用した宿泊サービスである民泊の提供を促進するものです。

その取り組みとしては、6月9日、参院本会議で可決、成立した 住宅宿泊事業法(民泊新法) です。民泊ホストは都道府県に届出をすることで年間180日を上限として、合法的に民泊運用をすることが可能になりました。 住宅宿泊事業法は来春にも施行される見通しです。

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解禁か?規制か?評価が分かれる民泊新法・改正旅館業法、閣議決定:年間180日まで営業可能に規制緩和の一方違法民泊には罰金100万円

政府は3月10日、「住宅宿泊事業法案(通称:民泊新法)」を閣議決定しました。民泊新法は、訪日外国人観光客などに有料で自宅の飽き部屋や、所有するマンションの1室を有料で貸し出す「民泊」サービスに対するルールを定めたものです。3月10日「民泊新法」、3月7日「改正旅館業法」閣議決定先日3月10日、政府は民泊新法(正式名称:住宅宿泊事業法案)を閣議決定しました。民泊新法は、現状民泊を想定したルールが無いこと、そして日本でもインバウンド需要の高まりによって民泊サービスが急速に普及してい...

これまでは、国家戦略特区における特区民泊の仕組みを活用するか、旅館業法の簡易宿所免許をとるしか日本で民泊を合法的に行う方法はありませんでした。そのため、現実的には日本にある民泊施設の大半が無許可にて運営されている状態(いわゆる闇民泊)でした。民泊新法が施行された後は、民泊ホストは都道府県に届出が求められるだけではなく、民泊ホストに代わって物件を管理する住宅宿泊管理業者(いわゆる民泊運用代行業者)にも国土交通省への登録が義務づけられます。また、当然ながらAirbnbなどの住宅宿泊仲介業者も官公庁への登録が義務づけられるようになります。

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<厚生労働省>によるホテルの客室数不足への取り組み

厚生労働省は、日本政策金融公庫にレジャーホテルを一般ホテルに業態変更するための改装費用の融資を促しており、 客室稼働率上昇を図っています。レジャーホテルとはラブホテルの別名。一般的にラブホテルは店舗型性風俗特殊営業の4号営業に該当し、誰にも会わずにチェックインや精算ができるシステムなどを備えています。一方それ以外の新法営業ホテルと呼ばれる形態はフロントがあり、レストランなども備えている場合もあります。

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ラブホテルは訪日客の宿泊施設不足の救世主!?:大阪の宿泊施設の41%がラブホテル 政府も改装支援方針決定

先日7月29日に観光庁より宿泊旅行統計調査の5月の第2次速報および6月の第1次速報が発表されました。観光庁によれば、6月の全体の延べ宿泊者数は3,771万人泊で、前年同月比+0.7%、外国人延べ宿泊者数は、前年比+13.1%とのこと。そこで問題に上がってきているのが宿泊施設不足です。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催時には、およそ1万室以上の客室不足が懸念されています。その解決策として注目されているのが「ラブホテル(レジャーホテル)」。先月6月11日に、政府がラブホ...

日本中小ホテル旅館協同組合によると、全国に1万超あるレジャーホテル(ラブホテル)の平日の平均稼働率は約4割 にとどまっています。インバウンドの取り込みなどによる収益性向上を企図して一般ホテルへの業態転向を目指す事業者も存在しますが、4号営業ホテル、つまりラブホテルは、金融機関からの融資が受けにくい状況 であり、今までは改装費の調達がボトルネックとなっていました。これを解決するべく日本政策金融公庫に対して改装費用の融資促進を指示したという背景です。

まとめ:2020年に4000万人、2030年に6000万人の宿泊ニーズを満たせるか

政府は「観光立国推進基本計画」において訪日外国人観光客数の目標人数を倍増させ、平成32年(2020年)に訪日外客数4,000万人、平成42年(2030年)には6,000万人を目標とすることを決定しています。

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インバウンド担当者なら知らなきゃマズイ!観光立国推進基本計画が閣議決定 その改定内容を解説

先日3月28日、日本の「観光立国」の実現に関する基本的な計画「観光立国推進基本計画」の改定案が閣議決定されました。「観光立国推進基本計画」とは、「観光立国推進基本法」にもとづき、インバウンドを含めた日本の観光に関する基本的な方針・目標を定めたもので、日本のインバウンドに関わる政策や取り組みの方向性を左右する重要なものとなります。インバウンド受け入れ環境整備の資料を無料でダウンロードする「翻訳・多言語化」の資料を無料でダウンロードする「多言語サイト制作」の資料を無料でダウ...

ここから想定される訪日外国人観光客の宿泊ニーズを満たすため、官民はご紹介してきたような取り組みを現在進めています。都心、地方を含めてどのような動向となっていくのか、引き続き注視が必要と言えるでしょう。

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訪日ラボ編集部

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