【無料】MICEって結局どれくらいカネになるの?を測定できる「MICE簡易測定モデル」とは?

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観光庁MICE開催による経済波及効果測定のための簡易測定モデル(MICE簡易測定モデル)」をご存知でしょうか?これは観光庁MICE開催が地域に及ぼす経済波及効果を容易に測定できるツール」として発表しているものです。あまり耳慣れないツールだと思いますので、改めて詳細に解説していきましょう。

MICEに関しては訪日外国人の増大、経済効果、地域の国際化・活性化等に大きな意味を持つことが期待されており、観光庁は、その振興に積極的に取り組んでいますが、MICE開催にに関わる経済波及効果の算出には専門的な知見が必要なこともあり、実際にMICEを開催した場合の収支を計算するためのデータが一般的に普及していないという課題がありました。

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今更聞けないMICEとは?

今更ですがMICEとは何かを解説すると、企業等の会議(Meeting)、企業等の報奨、研修旅行(Incentive Travel)、国際機関、団体、学会などの国際会議(Convention)、展示会、イベント(Exhibition/Event)の総称を意味し、これらの開催に使用される施設を一般的にMICE施設と呼びます。

また、MICE施設は先ごろ成立した「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法」の対象施設である統合型リゾート(IR)の一部を構成し、統合型リゾート(IR)はこれらのMICE施設に加えてカジノを含んだ統合型の施設のことを指します。

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なお、「カジノを含む統合型リゾート(IR)実施法」ではカジノにばかり焦点が集まっていますが、本来は統合型リゾートとしてMICE施設の運営費用をカジノ部分で稼ぎ出そうというのが、カジノを含む統合型リゾート(IR)の考えです。

MICE簡易測定モデルとは?

観光庁ではMICE開催を考える地方公共団体や民間企業等にとって、MICE開催前にその経済効果を想定出来るツールが無いという課題感から、2010年(平成22年)度にMICE開催による地域別経済波及効果測定のための簡易測定モデル」を一般向けに提供を開始しました。

これにより、経済波及効果の利用に対する理解を広く促進してきました。その後2013年(平成25年)度に、こうした実績を踏まえて、同モデルの機能を更新・拡張し、全国だけでなく都道府県及び国際会議観光都市に対応していましたが、今回2018年7月20日に改訂版(Ver.3)がリリースされています。

従来の「MICE開催による経済波及効果測定のための簡易測定モデル」は、都道府県又は国際会議観光都市においてのみ経済波及効果の測定が可能という限定された機能を持つものでしたが、今回発表された改訂版によって、都道府県又は国際会議観光都市のみならず、全市町村においてのMICE開催による経済効果の測定が可能となりました。

また、消費原単位として現在の市場の実態を反映した数値を採用することにより、より正確に測定できるようになっています。

MICE簡易測定モデルとは?

MICE簡易測定モデルとは?

具体的な改訂版(Ver.3)の改訂ポイント

2013年度に改訂が行われた内容からの主な変更点は下記の4点です。

(1)全市町村に対応

従前の測定可能エリアは、都道府県又は国際会議観光都市のみでしたが、その他の都市も「任意の都市」として測定できるようになりました。

(2)前泊・後泊の設定機能追加

MICE開催に伴う参加者の前泊・後泊による経済波及効果も含めて測定できることとするため、前後の宿泊日数が登録できるようになりました。

(3)各種消費原単位・産業連関表の更新

2016・2017年度に観光庁が実施したMICEの経済波及効果調査をもとに「国際航空運賃」、「宿泊費」等の消費原単位を更新し、より現在の市場の実態を反映した数値を採用しました。また、産業連関表についても、現在公開されている2011年版に更新しました。

(4)主催者事業費の高額化への対応

より大規模で高額の事業費がかかるMICEについても測定できることとするため、「主催者事業費」の上限設定を5億円から50億円に拡大しました。

MICE簡易測定モデルの実際の使い方の解説

MICE 簡易測定モデルでは、①国際会議、見本市・展示会モデル(C:国際会議/ Ex:見本市・展示会)、②企業会議、報奨・研修旅行 モデル(M:企業ミーティング/I:インセンティブトラベル)、③イベント モデル(Ev:イベント)の3タイプに関しての経済波及効果測定を試算することが可能です。

MICE簡易測定モデルの使用手順①:経済波及効果測定を行うモデルを選択する

まずは、①国際会議、見本市・展示会モデル(C:国際会議/ Ex:見本市・展示会)、②企業会議、報奨・研修旅行 モデル(M:企業ミーティング/I:インセンティブトラベル)、③イベント モデル(Ev:イベント)の3タイプの中から、どのタイプでの経済波及効果測定の試算を行うのかを選択します。

MICE簡易測定モデルの使用手順②:経済波及効果測定地域の選択

次に経済波及効果測定を試算する地域を選択します。そして都道府県を選択した後、国際会議観光都市を選択します。都道府県単位や全国単位で試算する場合は、都道府県や都市を選択しないことも可能で、国際会議観光都市以外の市区町村で試算する場合は、「任意の都市」を選択します。

MICE簡易測定モデルの使用手順③:付随項目の入力

続いて、任意の都市を選択した場合には「投入係数の入力」、「自給率/就業係数の入力」など付随するデータの入力を行います。

MICE簡易測定モデルの使用手順④:MICE データ入力

続いて予め用意した「MICE 名称」、「MICE タイプ」、「会期(開始日/終了日)」、「参加者数(日本人日帰/日本人宿泊/外国人)」、「展示面積/会場整備費」、「主催者事業費」などを入力します。

MICE簡易測定モデルの使用手順⑤:日系エアライン利用率・消費税率・宿泊日数(前泊・後泊)の入力

「日系エアライン利用率」、「消費税率」、「宿泊日数(前泊・後泊)」を入力します。

MICE簡易測定モデルの使用手順⑥:消費原単位の確認・修正

上記の入力が終わると「計算」ボタンを押すことが出来るようになります。消費原単位は、各値を直接入力することができますが、過去のMICEから求めた平均値を用いた既定値を使用することが出来ます。

MICE簡易測定モデルの使用手順⑦:参加者数と MICE 関連支出額の確認

MICEの概要」画面で入力したすべての MICE の「参加者」の総数や、「主催者の支出(事業費)」、「参加者の支出」の総額が MICE タイプごとに計算されます。各費目の値を確認し、不自然と思われる値があれば、前の画面に戻ることで適宜修正が可能です。

MICE簡易測定モデルの使用手順⑧:経済波及効果の参照

今まで入力してきた条件でのMICE の「直接効果」「間接 1 次波及効果」「間接 2 次波及効果」として、地域への経済効果が算出されます。

MICE簡易測定モデルの使用手順⑨:計算過程確認、各種データの掃き出し

全国→都道府県→国際会議観光都市の順にどのよな計算行って出てきた数字なのかという内容が表示されます。また、様々な用途に向けて加工が可能な加工用データ、調査結果全体の掃き出しも可能となっています。

まとめ

観光庁の「MICE開催による経済波及効果測定のための簡易測定モデル(MICE簡易測定モデル)」について解説してきました。

こちらのツールは誰でも申請するだけで無償で利用が可能なツールですので、実際にMICEを開催した場合にどのような経済波及効果があるのかを測定する場合に役立ちます。MICE開催を検討しているが、実際にどの程度の効果が見込めるのか?といった試算のやり方がわからないといった場合に大いに活用出来るでしょう。

利用を希望する場合は、観光庁の jp-mice@mlit.go.jp 宛に「MICE簡易測定モデル希望」と題したメールの本文に、 「差出人の所属」、「氏名」、「連絡先(Email、電話番号)」を明記の上、メールを送信する必要があります。ZIPファイルのダウンロードはこちらから可能で、こちらのZIPファイルを解答するためのパスワードが送信されてきて、解答後に利用が可能となります。

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<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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