国土交通省観光庁が発表している訪日外国人消費動向調査の2018年4-6月期(1次速報)が発表され、訪日観光における訪日オーストラリア人の貢献度の高さが指摘されています。訪日オーストラリア人の日本での1人当たり旅行支出は前年度比+24.4%と世界一の伸び率を示し、訪日外国人1人当たり旅行支出についても「国籍・地域別にみると、オーストラリア(26万4千円)、スペイン(24万4千円)、英国(21万9千円)の順で高い。」とされています。
オーストラリアといえばコアラやカンガルーのイメージが強く、日本人観光客が多く訪れる人気観光地です。そんな観光大国オーストラリアから、訪日オーストラリア人は日本のどんなところに魅力を感じて訪れているのか探ってみましょう。
データでわかる訪日オーストラリア人観光客
とにかく好調な豪州市場:訪日客数は5年間で倍増&1人あたりの旅行支出も増加中!20代のオーストラリア人に訪日旅行は人気!3人に1人が20代の若者オーストラリア人は滞在環境にこだわる!?宿泊費だけで約10万円を出費する傾向に
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)
訪日外国人消費動向調査・2018年4-6月期(1次速報)に見る「訪日オーストラリア人」のデータ
訪日外国人消費動向調査の2018年4-6月期(1次速報)によると、訪日オーストラリア人のインバウンド業界への貢献度の高さは顕著です。訪日外国人1人当たり旅行支出については「国籍・地域別」でオーストラリア(26万4千円)が一位で、前年度比+24.4%と世界一の伸び率です。
「宿泊費は欧米豪で高い傾向がみられ、特にオーストラリア(10万7千円)が高い。娯楽等サービス費もオーストラリア(1万3千円)が最も高く(略)」と記され、2018年4-6月期の訪日観光における「宿泊とコト消費」における訪日オーストラリア人の貢献度の高さが指摘されています。
訪日オーストラリア人の特徴は「若者・家族連れ」が多いこと
訪日オーストラリア人の旅の特徴を米国やカナダといった英語圏で文化の近い国と比べると「観光・レジャー目的」での滞在が多く、「家族連れ」「カップル」**での訪日が多いことがわかります。
地理的に日本と近くフライト時間が比較的短いこともあり、家族旅行の目的地として日本が定着してきている可能性が考えられます。
豪州人の6割以上が「旅行に行く」ことを決めてから「どこに行く」を決める&5割以上がインターネットの情報を参考にする⇒訪日豪州人を誘致するなら
2016年の訪日オーストラリア人観光客数は 445,200人 となりました。これは、前年比18.4%増にあたり、2012年が206,404人でしたので、オーストラリア市場のインバウンド需要は 4年前の 約2.16倍まで成長 したことになります。また、2016年インバウンド消費はオーストラリア市場総額で 約1,099億円。訪日オーストラリア人1人当たり旅行支出で見ると、全国籍平均155,896円に対し 58.35%高い246,866円 となっており、訪日旅行における消費意欲や消費力は、平均と...
オーストラリア人はシルバー世代も訪日意欲が衰えず、都市部には富裕層も多い
米国・カナダと比べて他にも顕著なのが、中高年になっても訪日者割合が比較的多いことです。若者だけでなくシルバー世代も訪日旅行にやってくることがわかります。
オーストラリアの都市部であるメルボルンやシドニーには、「世界で住みたい街ランキング」に上位でランクされるような世界的な富裕層が好む住環境があり、経済的に余裕のある富裕層も多数います。
都市部のオーストラリア人はグルメやフィットネス好きなことでも知られており、富裕層向けには文化観光とガストロノミー観光・ウェルネス観光を組み合わせた富裕層向けのプランを用意していくことが必要でしょう。
世界のツーリズム市場「ウェルネスツーリズム」が観光産業収益の15.6%を生み出す:日本では「日本食・温泉」などの観光資源の活用法がカギ
2020年までに4,000万人の訪日外国人観光客誘致を目指す日本のインバウンド業界。国内ではアニメや漫画など日本のソフトパワーコンテンツを活かした「アニメツーリズム」、スポーツと観光を組み合わせた「スポーツツーリズム」など 日本が持つインバウンド向け観光資源を活用したツーリズムが話題になっています。このような中、日本においては未だ注目を集めていませんが、海外のインバウンド観光市場において重要視されているツーリズムが存在しています。 その1つが 「ウェルネス・ツーリズム」 と呼ばれるものです...
富裕層インバウンド
訪日外国人観光客の急激な増加を理由に、魅力的な観光地域づくりを推進し地域の「稼ぐ力」を引き出す組織であるDMOの必要性は年々大きなものになってきています。 DMOは、広域連携DMO、地域連携DMO、地域DMOの3種類に分けることができ、日本国内には現在、計123 のDMOが存在しています。 全国のDMOでは地域に訪日外国人観光客を呼び込むためにどのような取り組みを行っているのでしょうか。新潟県・群馬県・長野県の3県にまたがる地域連携DMOである 一般社団法人雪国観光圏 の取り組みに関してご...
沖縄・那覇空港の「あるオーストラリア人の突出した支出額」はバカンス需要か?
今回の発表されたデータで突出した支出額がみられたのが、「表3-1 国籍・地域(21区分)別・1人1回当たり旅行消費単価」における、那覇空港での1人当たり消費単価です。
回答数=1で「125万1792円」という高額でした。使途については不明ですが、おそらく1名もしくは1家族で消費した金額ということだけはわかります。オーストラリア富裕層が沖縄を訪れたということでしょう。
沖縄におけるオーストラリア人の行動パターンはレンタカーを借りて島内を巡ったり、ビーチでのリゾートステイを満喫したりと、ゴールデンルートとは全く異なる楽しみ方をエンジョイしていることがSNS投稿などからわかっています。
この8月にオープンしたハイアット瀬良垣などのラグジュアリーホテルの開業もこの流れを後押しするかもしれません。ニセコに次ぎ、沖縄もオーストラリア人のお気に入りの旅行先になる可能性があります。
Twitter:Travel News Asiaの投稿(https://twitter.com/TravelNewsAsia/status/976333483353124864)
北海道ニセコが10万人以上の訪日客誘致に成功した2つの理由とは?ポイントは「外国人目線のおもてなし」と「観光協会の構造改革」:有名DMOから
訪日外国人観光客の地方誘致は地方創生の切り札として近年注目されています。国内の観光協会や自治体・DMOなどは観光地の知名度向上を目的とした海外PRやインバウンド対策を実施しています。インバウンド対策といっても外国語対応からインバウンド向け決済手段の拡充、インフルエンサーの活用、SNSの活用など多岐にわたりますが、インバウンド誘致に成功している地域ではどのような取り組みを行っているのでしょうか。 スキー・スノーボードなどのウィンタースポーツを満喫できるリゾート地として有名な北海道ニセコ町の事...
【観光公害】急増するレンタカー利用訪日客の交通事故 物損の賠償を拒否するケースも…その背景とこれからの対策とは?
日本を訪れる訪日外国人観光客の旅行トレンドは、近年モノ消費からコト消費へとシフト しており、観光庁が発表している「訪日外国人消費動向調査」を見ても団体ツアーから個人旅行パッケージへとシフトしていることが伺えます。こうした流れを受けて、近年 レンタカーを訪日観光で使用する外国人が増加 しています。しかし 外国人観光客のドライバーの増加と共に事故も急増。 慣れない道での前方不注意、操作ミスなどによる事故が増えています。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンド...
まとめ:オーストラリア人の訪日観光数はまだまだ伸びる。インバウンド業界として注目するべき富裕層も多い
日本の観光業界はオーストラリアで訪日観光マーケティングを展開してきました。その結果が現在のインバウンド業界に出始めているように思われます。
5万人以上を動員 豪州・シドニーで開催 日本企業も多数参戦する日本好きオーストラリア人のためのイベント「Matsuri
日本に興味がある、または日本が好きなオーストラリア人が集まるイベント、Matsuri-Japan Festival-がオーストラリア・シドニーで2017年12月9日に開催されました。このイベントは日本文化の紹介と日豪両国民の親睦と交流を図る参加型イベントとして、毎年開催されています。2006年に始まったMatsuri-Japan Festival-ですが、年々来場者が増えており、今年は2016年の来場者3万人を大きく上回る、5万5千人を動員しました。イベントの様子や出店していた企業・自治体...
南半球に位置するオーストラリア人にとって調査対象となった4-6月期は「秋」です。日本で桜や新緑の「春」を体験することは季節が真逆であるという経験が出来るため、これも魅力の一つとなっている可能性があります。
訪日オーストラリア人は人懐こい気取らない国民性と言われ、アクティビティ好きの若者や家族連れの旅行者が訪日観光の主力です。日本に旅行する意欲の高いシルバー世代もいます。都市部には洗練された趣味を持つ富裕層がおり、ニセコでしょう実証されたように、特色ある地方のアクティビティにより取り込みが可能です。
オーストラリア人の訪日数は他国と比較してまだそれほど多くないため、まだまだ伸びしろがあり、施策次第で様々な展開が可能でしょう。
飲食店のための国籍別インバウンド対策・おもてなしポイント:訪日豪州人観光客編
日本人にとっても観光地、ワーキングホリデーの行き先などとして馴染みの深いオーストラリアですが、日本政府観光局(JNTO)の情報によると、2016年に日本を訪れた訪日豪州人観光客の数は445,200人でした。2014年から2015年にかけて24.3%の伸びを、そして2015年から2016年にかけて18.4%の伸びを見せています。それでは訪日豪州人観光客をおもてなしする上で、飲食店が気をつけるべきポイントはどのようなものなのでしょうか? 目次オーストラリア人の食事に対する考え方オーストラリア人...
インバウンド市場や各国の訪日外国人に関する調査やもっと詳しいインバウンドデータ知るには?
<参考>
中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。
今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。
今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】
【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。
この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」
スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!