爆買いブームが起こった2015年、日本政府観光局が行った調査によれば、日本を訪れた中国人観光客は約500万人。そして、日本にもたらした経済効果は約1兆4,000億円にものぼると言われています。
中国からの観光客数は、2017年の年間値で735万人を超え過去最多を更新し、日本は中国人にとって一度は行ってみたい国の一つとなっているのです。その一方で問題視されているのが、ゴミのポイ捨て、道幅いっぱいに広がって通行人を妨げる、並んでいる列に横入りするといった「マナーの悪さ」。
これは、日本人から見た訪日中国人に限ったことではなく、私たち日本人自身も、意識していないだけで、他の国の人々から見たら驚くような行動をとっているのかもしれないのです。それが顕著に現れると感じられるのが、日本で開催される外国人アーティストでの来日公演。
そこで今回は、無意識のうちにやっていることが、実は訪日外国人から見たら「変だな」と感じるポイントを紹介していきます。これさえ知っておけば、外国人と良好な関係を築けるはずです。
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コンサート編
①グッズ販売に何時間も並ぶ
訪日外国人に一番驚かれたのは、果てしないグッズ購入の列に何時間も並ぶこと。ツアーTシャツはそこでしか買えない日本限定やサイン入り枚数限定のものもあったりします。
そのため、早い人はライブ前夜の何十時間前からグッズ販売の列に並ぶことも。コンサートの規模にもよりますが、グッズを買うために開場時刻ギリギリまで数キロ先まで続く長蛇の列に並ぶ日本人の姿は、訪日外国人からすると異様な光景に見えるようです。
②列に並んでいる前の人との距離が近すぎる
グッズを買う時、入場待ちをしている時など、列に並ぶ際に前の人との距離が近すぎる点。 人は、見ず知らずの人との距離が近いと不快に感じるもの。
これをパーソナルスペースといい、恋人同士、友達同士、仕事の上司や同僚といった関係性ごとに、人は無意識のうちに自適切な距離を保とうとしています。欧米人は日本人に比べてパーソナルスペースを大切にする傾向にあるため、あまりにも距離が近いことを不快に感じてしまうようです。
③モッシュが激しすぎる
上の内容の結果として、パンクやロック系のライブハウスでよくあるモッシュはストレスに感じてしまいます。ちなみにモッシュとは、ヒートアップした観客同士が激しく体をぶつけ合う押し競饅頭状態のこと。
このモッシュとよく似ている現象に、朝の満員電車が挙げられます。人に触れないことがマナーだとされている欧米人は、荒れ狂う観客のその姿に思わず仰天してしまうのです。
④全然歌わない・全然踊らない
海外では、アーティストの歌声が観客の歌声や歓声でかき消されるくらいのボリュームで歌う傾向にあります。人目も気にせず踊ったり大声で歌ったりしながら会場の雰囲気を温め、アーティストと一緒にコンサートを作り上げていくのです。
コミュニケーション編
さて、フェスやコンサートでのマナーや文化の違いについて解説しましたが、普段会話したり、または接客対応したりコミュニケーションをとるにあたって、欧米圏と日本では、どのような違いがあるのでしょうか。
①一緒にいるのにスマホばかりいじる
一概には言えませんが、多くの外国人は人と会話するときにスマホをいじることはほとんどありません。
それは、一緒にいる人と真剣に向き合い、今この時間を大切にしようという考えからくるものです。カフェなどで見かける、カップルが無言でスマホをいじっている姿は、外国人からすると「一緒にいるのに会話しないなんて変」と思ってしまうのです。
外国人と接する機会の多い方は、スマホは机の上に置いておき、質問をたくさん投げかけて「あなたに興味があります」という意識を心掛けてみてください。
②身体的な特徴に関するコメント
「鼻が高い」「彫りが深い」「脚が長い」といった相手の身体的な特徴に対するコメントはタブーです。 経済的豊かさ、宗教、家系など、一言では説明することができないさまざまな事情が現在の外見に影響していることも考えられます。外国人と話すときは、身体的特徴には触れないようにしましょう。
③「はい」「いいえ」ではなく『どっちでもいい』
「うどんとそば、どっちがいい?」と聞かれた際、日本人は大体が「どちらでもいい」と答える傾向にあります。
「白黒つけない=柔軟性がある」と捉えることもできるかもしれませんが、YESかNOの二択しかない外国人にとって白黒つけない日本人は優柔不断だと感じてしまうのです。
特に、個人主義社会で育った欧米人にとっては「自分の意見を主張しない=そこに存在していない」と判断されてしまいます。そのため、自分の意見を主張し意思決定を下すスキルは、仕事においても生きてくるのです。
④悪くないのに『すみません』
満員電車から降りるときに「すみません」、入り口でタイミングが被ってドアを開けてくれた人にも「すみません」、注文後にメニュー表をさげる店員に対しても「すみません」。
英語にも「すみません」を意味する「excuse me」という単語がありますが、謝罪意外にも相手の言葉を聞き返すときや相手に反論するときなど、さまざまな使い方があります。
自分の非を認めない傲慢な態度は良くありませんが、悪くないのに口癖のように出てしまう「すみません」ではなく、感謝を伝えるときには「ありがとう」謝るときには「ごめんなさい」使い分けてみてはどうでしょうか。
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まとめ
このようなドン引きポイントは、訪日外国人と接するビジネスシーンでも起こり得るかもしれません。訪日外国人を不快にさせる地雷を踏まないよう、相手の文化や歴史的背景、宗教なども考え、リスペクトの気持ちを持った会話を意識したいものです。
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