9月4日、25年ぶりに非常に強い勢力で上陸した台風21号は、関西地区に甚大な被害をもたらしました。京都や大阪など、訪日外国人が多いエリアが被災し、また関西の玄関口、関西空港が浸水の上、連絡橋がタンカーによって破損するというかつてない大きな被害を蒙りました。
【台風21号】1日4億円以上の損失/冠水した関空 閉鎖によるインバウンド消費の被害を推定
2017年もっともアジア系の訪日客に人気があったのは関西圏です。大阪をハブとした関西のインバウンドルートはUSJ、大阪市内、京都市内、奈良など魅力的な日帰りルートが連なっており、日本のここ最近の訪日をけん引してきたといえます。その関西の訪日客の流れを止めてしまうような事態が起こっています。昨日2018年9月4日に起きた関西国際空港の冠水による機能停止です。近畿地方を直適した台風21号の被害で、いまだに再開のめどが立たない「西日本の玄関」。これにより1日にどれぐらいの経済的被害が出そうかをシ...
以前、インタビューに応じてくれた大阪、新世界にて営業するHOME HOSTEL OSAKA支配人、朝倉Leo氏に、訪日外国人の宿泊者の様子をききました。
<前回のインタビュー記事はこちら>
インバウンド率70%超!地元密着型のホステルに訪日外国人が集まるワケ:人情あふれる大阪・通天閣そばのインバウンド事情を聞きました
大阪、新世界に2017年4月に開業したばかりのHOME HOSTEL OSAKA。このホステルを運営する株式会社通天閣の朝倉優代表取締役に話を伺いました。株式会社通天閣は創業63年。朝倉氏の祖父の代から新世界で娯楽業を営み、昨年、新たにホステルを開業しました。まさに、地元密着型の宿泊施設です。ホテルや旅館にオススメのインバウンド対策について より詳しい資料のダウンロードはこちら「翻訳業務」の資料を無料でダウンロードする「テレビ電話型通訳サービス」の資料を無料でダウンロードする「チャットボッ...
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かつてない台風が関西地区を直撃! 訪日外国人の反応は様々
台風21号が関西地区を襲った9月4日にHOME HOSTEL OSAKAの宿泊者は60名。そのうち1名のみが日本人で、ほとんどが訪日外国人でした。
台湾や韓国からの宿泊者が大多数ではあったのですが、欧米豪からの方もいました。アジア圏からの訪日外国人は、比較的落ち着いた様子でした。特に、台湾人は「これが、台風だ」と超然と構えていました。一方で、台風が珍しい地域からの訪日外国人には注意が必要でした。
動画や写真を撮りたいと外出したがった欧米系の訪日外国人
ヨーロッパからの訪日外国人は、台風を知らない方が多いです。当日は、ヨーロッパ系ではフランス人、ドイツ人の宿泊者か多かったのですが、彼らは台風が危険だということに考えが及ばなかったのでしょう。台風は珍しいので動画や写真を撮るために、ちょっとぐらい外出しても大丈夫だろうと外に出ようとし、必死になって静止しました。台風に興味津々の様子でした。
ホステル館内では、台風の情報提供と注意喚起を
宿泊者には、エレベーターの中に張り紙をしたりと台風の情報提供と注意喚起をしました。もちろん、口頭でもこまめに宿泊者に説明をしています。たまたま、この日の宿泊者は長期滞在が多かったので、関西空港から帰国する予定だったのにできなくなったという方は少なかったです。
それでも、やむを得ず延泊をした方も。また、こちらで名古屋から、また東京からの便もあることを説明し、ご本人から各航空会社へ問い合わせるようにとご案内したケースもありました。
アジア圏からのキャンセルはあるものの、欧米豪からのキャンセルはゼロ
台風の影響でキャンセルになったのは、30件。人数でいうと、60~70名がキャンセルになりました。ほとんどがアジア圏からの訪日外国人です。
ところが、欧米豪からのキャンセルはまったくありません。この違いは、一見お国柄のように感じられますが、旅のスタイルの違いによるものだと思います。
LCCを利用するアジア圏からの訪日外国人
台湾では、今回の台風21号の被害が誇張されて報道されているようです。その影響もあるのかもしれないのですが、関西空港には、韓国からの便を中心にアジア圏からLCCがたくさん就航しています。LCCは、日程変更が効かなかったりと料金重視で旅行する方には、関西空港が使えないという今の状況は利用が難しいので、一旦旅行を取りやめた方が多いのでしょう。
欧米豪からの訪日外国人は陸路で関西地区にアクセス
一方、欧米豪からの訪日外国人は羽田空港や成田空港を利用する方が多く、関西地区には陸路でやってきます。そのため、関西空港が利用できなくても問題ない場合が多いのでしょう。
今回、欧米豪からのキャンセルがなかったのは、こういった理由からではないかと思っています。なお、6月18日に起こった大阪府北部地震のあとも、目立ったキャンセルはありませんでした。
まとめ
HOME HOSTEL OSAKAは、地元に密着したホステルで、英語や中国語での案内も可能です。そのため、今回大阪で台風21号に遭遇した訪日外国人宿泊者は安心できたことでしょう。外国語での非常時対応はとても重要で、再来年の東京オリンピックまでには制度を整えておくべきです。
また、日本人は、このような大きな災害があると自粛ムードに流されがちですが、訪日外国人はそんなことはありません。関西空港が、再び通常営業するようになれば、かつての活気が戻ってくると思います。
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<参考>
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2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか
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