「日本の公道をカートで走行するサービス」が訪日外国人に人気だということはインバウンド担当者ならご存知でしょう。この中で最も良く知られているサービス企業が株式会社 MARI モビリティ開発(旧社名:株式会社マリカー)です。
このビジネスモデル自体が、任天堂の人気ゲームである「マリオカート」を連想させるものであること、そして「マリオカート」の略称を社名に用いていたこと、当初は任天堂のキャラクターである「マリオ」のコスプレ衣装を貸し出すなどしていたことなどで、任天堂株式会社が訴訟開始したことを覚えている方も多いのではないでしょうか。
任天堂訴訟へ 外国人観光客にも大人気の公道「マリカー」実は無許可だった…訪日プロモーションでも著作権には要注意
さらに、日本の交通マナーを知らない訪日外国人による事故の発生などから、新規制がはじまるなど、様々な問題が投げかけられていました。
「リアルマリオカート」に批判の声/訪日外国人に人気の公道カート、安全性・著作権に問題も
上記のような課題がありながらも、東京の街なかをカートで走れるというサービスは訪日外国人の心を射抜き、最も人気のアクティビティの一つになっていたことも事実です。
なぜ「マリカー」は訪日客を惹きつけるのか?東京の街を疾走するマリカー 体験してわかったインバウンドに刺さる理由【現地レポート】
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東京地方裁判所 株式会社マリカーに対して不正競争行為の差止、損害賠償金の支払い等を命じる
任天堂株式会社のプレスリリースによると、2018年9月27日に東京地方裁判所は、「マリカー」という商標等が、株式会社マリカーとユーザーの間で、任天堂株式会社商品等の表示として広く知られていることを認めた上で、株式会社マリカーに対して不正競争行為の差止と、損害賠償金の支払い等を命じる判決を出しました。
そもそも任天堂は、2017年2月24日に同内容で東京地裁で訴訟を起こしています。この中で任天堂は、株式会社マリカーが任天堂の「マリオカート」の略称を社名に用いていること、サービス利用者に「マリオカート」のキャラクターのコスプレ衣装を提供していること、この衣装を着た利用者の写真をホームページなどで宣伝に利用していることなどが、不正競争行為と著作権侵害行為に該当すると主張。株式会社マリカーによる知的財産権の侵害行為の差止、損害賠償を求めていました。
株式会社マリカーは当初「不正競争行為および著作権侵害行為には該当しない」としていた
株式会社マリカーは訴訟を起こされた当時は「事実と異なる内容がある」「不正競争行為および著作権侵害行為には該当しない」という考えを明らかにしていました。現在のホームページ上では、「マリオカート(Mario Kart)とは無関係で全くの別物です。」と明記しており、コスプレ体験の説明にも「スーパーヒーローのレンタルコスチューム」が揃っていることを明記、「マリオ」のコスチュームの貸出に関する内容はありません。

しかし過去のホームページを遡ると、少なくとも2017年時点では「マリオ、アイアンマン、クッキーモンスターなど現在100着以上のコスプレをご用意!」と記載が確認出来ることから、「著作権侵害行為には該当しない」と言い切れるかどうかは難しい状況でした。
なお、2018年9月27日の東京地方裁判所の判決を受けて、株式会社マリカーは「当社の主張の正当性が一部裁判所で認められたことは喜ばしい」としながら、「一部主張が認められたなかった部分については遺憾であり、内容を精査して引き続き対応していく」としています。
都内に複数存在するレンタルカート店の動向にも注目
平成29年時点では東京都内には主に訪日外国人を対象に都内をレンタルカートで走行出来るサービスを提供している事業者がおよそ10店舗存在し、いずれもが「何らかのキャラクターのコスプレをして都内を走行する」ことがサービスの大きなウリとなっています。
これらの事業者はいずれも「マリオカートとの関係性はない」と主張していますが、当のサービスの利用者からは「現実世界でマリオカートのような体験が出来ることが楽しい」ということで話題になっていることは、トリップアドバイザーの口コミを見ても、またInstagramで「#realmariokart」というハッシュタグで投稿されている内容を見ても明らかでしょう。
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