中国でも定番の「インフルエンサーマーケティング」。中国のインフルエンサーはKOL(キー・オピニオン・リーダー)と呼ばれますが、特にオンラインでその影響力を発揮しているKOLアカウントを「網紅(ワンホン)」と分類することもあります。
中国で9000億円のカネを動かす「網紅(ワンホン)・KOL」って知ってる?”生放送”やSNSの投稿で億単位の金を動かす彼女らの実態や違いにつ
2018年度中には3000万人に達すると言われる訪日旅行者数。主要都市観光ルートだけでない、地方の魅力的な旅行先を探す外国人旅行者も増えています。外国人旅行者を「我が町」に呼び込みたいなら、インターネット上での口コミ効果を狙うSNSマーケティングは欠かせません。訪日数が最多の訪日中国人に向けて情報発信をしたい自治体も多いかと思いますが、中国向けSNSマーケティングでは中国ならではのネット特殊事情とその対応策を頭に入れておくべきでしょう。影響下にある市場規模は日本円で9000億円ともいわれる...
本編では中国の調査機関iReserchが発表する『中国版TwitterのWeiboにおけるワンホン市場のまとめ』から、2018年のワンホンたちの属性や興味関心を読み解いていき、インバウンド市場への応用方法を探ります。
インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするのが重要!おすすめのインバウンド対策を資料で詳しくみてみる
- 「中国インフルエンサープロモーション」を資料で詳しくみてみる
- 「中国向け広告運用」を資料で詳しくみてみる
- 「Wechatを活用したプロモーション」を資料で詳しくみてみる
- 「Weiboを活用したプロモーション」を資料で詳しくみてみる
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
ワンホン経済の全体像
2018年4月までに、フォロワー数10万人以上のワンホンは前年比51%増加、そのうちフォロワー100万を超える「トップワンホン」に限ると23%増加となっています。
この数字からは、中国経済におけるワンホンの存在感の大きさが感じられるのではないでしょうか。ワンホンの「ファン」であるフォロワー数も前年比25%増の5.88億人となっており、ワンホンに対する熱量がうかがえます。
ワンホンの男女比と居住地 ~小規模の都市にもワンホンはいる~
ではこういった、ユーザーのあこがれであるワンホンとはどういった人物たちなのでしょうか。
男女比はこれまで女性が過半数を超えていましたが、2018年までに男性のワンホンは増加し、男女比はほぼ半数となりました。居住地別では北京、上海、広州といった一線都市と呼ばれる大都市、そしてその次に大きな規模である二線都市のワンホンが全体の6割以上を占めています。
ただし、さらにその下の経済規模である三線都市、四線都市と呼ばれる都市にもワンホンは存在し、それぞれ17.3%、14.3%を占めます。大規模な都市には人口が多いので、必然的にワンホンも多くなっているものの、都市の大小に関わらずワンホンは活躍していると言えるでしょう。
年齢と最終学歴 ~高学歴化により専門知識のシェアが進むも、お笑い人気はなお根強く~
続いてワンホンの年代です。もっとも多くを占める80後(80年代生まれ、2018年に29~38歳)が54%となっています。次に多い90後(90年代生まれ、同じく19~28歳)で31.8%と、両者を合わせて約86%にも上ります。
ワンホンはファッションやグルメ、メイクといったモノ消費に関わるトピックスを扱うことも少なくありません。80後といえば日本のアラサー後半~アラフォーと呼ばれる世代です。大学を卒業後就職してある程度経済力があり、さまざまな経験を経たからこそ提示できる意見などが強みとなって、インフルエンサーとしての80後の活躍に拍車をかけているのかもしれません。
学歴別の構成比では大学卒業以上(修士、博士含む)が昨年比増の77.6%となっています。ワンホンの提供する内容が刹那的な娯楽だけではなく、より意義のある専門的な内容が多方面にわたって生産されてきていることが示唆されています。
実際に、ワンホンが注目され始めた初期のころは、娯楽やメイク用品の紹介コンテンツが多く見られましたが、その後は科学的な知識・情報の共有、グルメ、金融・経済といった分野にもワンホンの活動は広がりを見せています。こういった分野では、コンテンツを通じてユーザーがその分野への理解を深めていくような内容が公開されています。
ただし、ユーザーがSNSを利用するときの心情も相まってか、現在でも娯楽的な側面の強い「お笑い」や「芸人」、また一過性という性質を持ち合わせる「トレンド」カテゴリがワンホンの主要な活躍分野のトップとなっています。
とはいっても、上位のお笑いが8.8%、トレンドが6.9%という数字に対し、比較的、文化的、専門知識といった要素の強いグルメ、映画、音楽、金融経済といったカテゴリもそれぞれ3.5%~5.3%を占めており、この数字からはワンホンの活躍分野が細分化されていることがうかがえます。
まとめ ~「精神的豊かさ」という共通項で、観光分野への応用を~
大卒以上のアラサーをメインとしたワンホンが、Weiboのユーザーにひとときの楽しみを与え、生活を物理的にそして精神的に豊かにするための知恵をシェアする。そんな世界が、中国のインターネットの中では2018年も続いています。
こういったワンホンたちを時に娯楽の一環として、また時にライフスタイルの見本として眺めているWeiboユーザーの中には、彼らと似たような属性を持ち、彼らに親近感を抱いている層も少なくないでしょう。
今や中国では可処分所得の増大に伴い、旅行が一大ブームとなっています。中国人を旅に向かわせるのは、その場でしか味わえない時間という非物質的な豊かさへの欲求ではないでしょうか。今回発表されたワンホンの主要活動分野には「旅行」はランクインしませんでしたが、「精神的豊かさ」という共通項を持つその他の要素と組み合わせることで、旅行の魅力を訴求できる可能性は大いにあります。インバウンド観光分野におけるプロモーションにおいても、ワンホン(KOL)の起用は検討の価値があるはずです。
インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするのが重要!おすすめのインバウンド対策を資料で詳しくみてみる
「中国向けインフルエンサープロモーション」を資料で詳しくみてみる
「Wechatを活用したプロモーション」を資料で詳しくみてみる
「Weiboを活用したプロモーション」を資料で詳しくみてみる
<参考>
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!