5.9億人のフォロワー 中国版Youtuber「網紅(ワンホン)」をインバウンドで積極的に使うべき理由

THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ- アーカイブ無料配信中
完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

中国でも定番の「インフルエンサーマーケティング」。中国のインフルエンサーはKOL(キー・オピニオン・リーダー)と呼ばれますが、特にオンラインでその影響力を発揮しているKOLアカウントを「網紅(ワンホン)」と分類することもあります。

中国で9000億円のカネを動かす「網紅(ワンホン)・KOL」って知ってる?”生放送”やSNSの投稿で億単位の金を動かす彼女らの実態や違いにつ

2018年度中には3000万人に達すると言われる訪日旅行者数。主要都市観光ルートだけでない、地方の魅力的な旅行先を探す外国人旅行者も増えています。外国人旅行者を「我が町」に呼び込みたいなら、インターネット上での口コミ効果を狙うSNSマーケティングは欠かせません。訪日数が最多の訪日中国人に向けて情報発信をしたい自治体も多いかと思いますが、中国向けSNSマーケティングでは中国ならではのネット特殊事情とその対応策を頭に入れておくべきでしょう。影響下にある市場規模は日本円で9000億円ともいわれる...

本編では中国の調査機関iReserchが発表する『中国TwitterWeiboにおけるワンホン市場のまとめ』から、2018年のワンホンたちの属性や興味関心を読み解いていき、インバウンド市場への応用方法を探ります。

インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするのが重要!おすすめのインバウンド対策を資料で詳しくみてみる

訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)

ワンホン経済の全体像

2018年4月までに、フォロワー数10万人以上のワンホンは前年比51%増加、そのうちフォロワー100万を超える「トップワンホン」に限ると23%増加となっています。

この数字からは、中国経済におけるワンホンの存在感の大きさが感じられるのではないでしょうか。ワンホンの「ファン」であるフォロワー数も前年比25%増の5.88億人となっており、ワンホンに対する熱量がうかがえます。

▲KOL全体のフォロワー数は5.88億人。2017年に比べて25%増加している。

▲KOL全体のフォロワー数は5.88億人。2017年に比べて25%増加している。

ワンホンの男女比と居住地 ~小規模の都市にもワンホンはいる~

ではこういった、ユーザーのあこがれであるワンホンとはどういった人物たちなのでしょうか。

男女比はこれまで女性が過半数を超えていましたが、2018年までに男性のワンホンは増加し、男女比はほぼ半数となりました。居住地別では北京、上海、広州といった一線都市と呼ばれる大都市、そしてその次に大きな規模である二線都市のワンホンが全体の6割以上を占めています。

ただし、さらにその下の経済規模である三線都市、四線都市と呼ばれる都市にもワンホンは存在し、それぞれ17.3%、14.3%を占めます。大規模な都市には人口が多いので、必然的にワンホンも多くなっているものの、都市の大小に関わらずワンホンは活躍していると言えるでしょう。

年齢と最終学歴 ~高学歴化により専門知識のシェアが進むも、お笑い人気はなお根強く~

続いてワンホンの年代です。もっとも多くを占める80後(80年代生まれ、2018年に29~38歳)が54%となっています。次に多い90後(90年代生まれ、同じく19~28歳)で31.8%と、両者を合わせて約86%にも上ります。

ワンホンはファッションやグルメ、メイクといったモノ消費に関わるトピックスを扱うことも少なくありません。80後といえば日本のアラサー後半~アラフォーと呼ばれる世代です。大学を卒業後就職してある程度経済力があり、さまざまな経験を経たからこそ提示できる意見などが強みとなって、インフルエンサーとしての80後の活躍に拍車をかけているのかもしれません。

学歴別の構成比では大学卒業以上(修士、博士含む)が昨年比増の77.6%となっています。ワンホンの提供する内容が刹那的な娯楽だけではなく、より意義のある専門的な内容が多方面にわたって生産されてきていることが示唆されています。

実際に、ワンホンが注目され始めた初期のころは、娯楽やメイク用品の紹介コンテンツが多く見られましたが、その後は科学的な知識・情報の共有、グルメ、金融・経済といった分野にもワンホンの活動は広がりを見せています。こういった分野では、コンテンツを通じてユーザーがその分野への理解を深めていくような内容が公開されています。

ただし、ユーザーがSNSを利用するときの心情も相まってか、現在でも娯楽的な側面の強い「お笑い」や「芸人」、また一過性という性質を持ち合わせる「トレンド」カテゴリがワンホンの主要な活躍分野のトップとなっています。

▲2018年Weiboワンホンの主要な活躍分野(上位55%)

▲2018年Weiboワンホンの主要な活躍分野(上位55%)

とはいっても、上位のお笑いが8.8%、トレンドが6.9%という数字に対し、比較的、文化的、専門知識といった要素の強いグルメ、映画、音楽、金融経済といったカテゴリもそれぞれ3.5%~5.3%を占めており、この数字からはワンホンの活躍分野が細分化されていることがうかがえます。

まとめ ~「精神的豊かさ」という共通項で、観光分野への応用を~

大卒以上のアラサーをメインとしたワンホンが、Weiboのユーザーにひとときの楽しみを与え、生活を物理的にそして精神的に豊かにするための知恵をシェアする。そんな世界が、中国のインターネットの中では2018年も続いています。

こういったワンホンたちを時に娯楽の一環として、また時にライフスタイルの見本として眺めているWeiboユーザーの中には、彼らと似たような属性を持ち、彼らに親近感を抱いている層も少なくないでしょう。

今や中国では可処分所得の増大に伴い、旅行が一大ブームとなっています。中国人を旅に向かわせるのは、その場でしか味わえない時間という非物質的な豊かさへの欲求ではないでしょうか。今回発表されたワンホンの主要活動分野には「旅行」はランクインしませんでしたが、「精神的豊かさ」という共通項を持つその他の要素と組み合わせることで、旅行の魅力を訴求できる可能性は大いにありますインバウンド観光分野におけるプロモーションにおいても、ワンホン(KOL)の起用は検討の価値があるはずです。

インバウンド最大の中国市場は「旅マエ」にアプローチするのが重要!おすすめのインバウンド対策を資料で詳しくみてみる

「中国向けインフルエンサープロモーション」を資料で詳しくみてみる

「中国向け広告運用」サービスを資料で詳しくみてみる

「Wechatを活用したプロモーション」を資料で詳しくみてみる

「Weiboを活用したプロモーション」を資料で詳しくみてみる

<参考>

【9/18開催】ホテルトレンドLIVE! Vol.3 〜ホテル内レストランのお悩み解決編〜


今回は「ホテル内レストランのお悩み解決編」として、レストランの認知向上と衝動来店につなげるためのGoogleマップ活用法を解説します。

ホテル内レストランでは、

  • 「宿泊者以外の集客が難しい」
  • 「メディアや広告に頼らざるを得ない」

といった課題の声を多く耳にします。

宿泊者以外の利用を広げていくためには、レストランを利用者が見つけやすくし、検索から来店までの導線を整えることが重要です。

本セミナーでは、宿泊業界のデジタルマーケティングに特化したキャリアを持つエキスパートの徳永が、Googleマップを活用してお客様の衝動来店を促すための実践的なポイントをわかりやすくご紹介します。

<セミナーのポイント>

  • ホテル内レストランが取り組むべき課題を整理できる!
  • “衝動来店”を促すGoogleマップの実践的な工夫が学べる!
  • 宿泊業界のデジタルマーケティングに精通したエキスパートに直接質問できる!

詳しくはこちらをご覧ください。

【9/18開催】ホテルトレンドLIVE! Vol.3 〜ホテル内レストランのお悩み解決編〜

訪日ラボ主催「THE INBOUND DAY 2025」アーカイブ配信中!

訪日ラボを運営する株式会社movが8月5日に開催した、日本最大級のインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」のアーカイブ動画が公開中です。

アーカイブ配信では、元大阪府知事の橋下 徹氏と大阪観光局理事長の溝畑 宏氏による基調講演のほか、脳科学者の茂木 健一郎氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏、アパグループ 社長兼CEOの元谷 一志氏などの貴重な講演の様子を一挙公開(一部を除く)。

参加できなかった方はもちろん、もう一度議論を見直したい方も、ぜひご覧ください。

視聴はこちら(無料)

【インバウンド情報まとめ 2025年9月前編】PayPayが中国「WeChat Pay」と連携 / 観光庁予算要求814億円、人手不足対策などの予算増 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に9月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

PayPayが中国「WeChat Pay」と連携 / 観光庁予算要求814億円、人手不足対策などの予算増 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年9月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに