「災害は増加の一途、さらに予知も不可能」今後もリスクが高まる中、インバウンド担当者なら抑えておくべき災害対策の基本とは【インタビュー】

公開日:2018年10月15日

2018年に入り、地震や豪雨、台風など自然災害が急増しています。インバウンド担当者の方々も、いつ起こるかわからない災害について対策を事前に考える必要があるのではないでしょうか。訪日外国人に対して、いざ地震が起きた時、災害対策の情報を伝えることは簡単ではありません。

そこで今回、訪日外国人向けの災害対策に取り組まれている株式会社PIJINの代表取締役社長 松本 恭輔氏にインタビューを実施。松本氏は防災科学技術研究所や大阪大学などと一緒に様々な防災対策の取り組みを研究・展開されています。訪日外国人向けの災害対策に知見のある松本氏にインバウンド担当者が知っておくべき災害対策についてお伺いしました。

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災害は今後も増加し、予知することは難しい

−−2018年に入り、数多くの災害に見舞われている日本ですが、どのように考えていますか?

株式会社PIJIN 代表取締役社長 松本 恭輔氏(以下、松本氏):
大阪、北海道など訪日外国人から人気なスポットで大きな被害が出てしまっています。インバウンド市場に与えた影響も非常に大きかったと思います。しかしながら、今回だけではなく、今後もさらに日本での災害は増加していくと私は考えています。

株式会社PIJIN 代表取締役社長 松本 恭輔氏

株式会社PIJIN 代表取締役社長 松本 恭輔氏

理由としては、世界的な統計としても災害被害は増加傾向にあり、政府や研究者達も災害が今後も増えていくという予測を打ち出しているからです。例えば、内閣府HPの防災情報のページによると、近年は1970年代に比べて、発生件数、被災者数ともに約3倍に増加していると記載されています。

さらに、アジアでは、約23万人の犠牲者を出した2004年末のインド洋津波災害や約9万人の犠牲者を出した2008年の中国四川大地震等、災害が多発しています。日本でも2010年に東日本大震災、2016年熊本地震、今年に入り、大阪北部地震、大阪豪雨、北海道地震。ご存知の通り数々の災害が起きています。

また、環境問題に知見のある中部大学教授の武田邦彦氏も、BusinessJournalの記事にて、2030~40年頃まで、今後10~20年くらいは豪雨の発生が多くなることも考えられると豪雨が発生する可能性が高くなっていると示唆されるなど、様々な意見が飛び交っています。

−事前に災害を予知し、逃れることはできるのでしょうか?

松本氏:
限りなく、難しいと考えています。台風や豪雨であれば、天気予報で事前に知ることができますが、地震に関しては、2017年の内閣府・中央防災会議にて「東海地震は予知できない」と公式に発表しています。

まさに、今回の大阪、北海道も、突然、地震が起きました。このように、地震についてはいつ起こるかわかりません。そのため、全国どこでも災害対策をしていないと、多大な被害が出てしまう可能性があるということです。日本はそういう地域だということを改めて認識するべきだと思います。

災害対策の基本はまず始めることと、理解すること

−今後も災害が増えていくということですが、災害対策はどうすればいいでしょうか?

松本氏:
2つあると考えています。1つ目はまず、最低限の災害対策を実施すること。そして2つ目が訪日外国人について災害について知ってもらうことです。

1つ目については、例えば、2018年3月に総務省消防庁が「外国人来訪者等が利用する施設における災害情報の伝達・避難誘導に関するガイドライン骨子」を発表しました。このようなガイドラインに則り、各担当者が災害対策に取り組まれると思いますが、あくまでもガイドラインは最低限の取り組みです。

そもそも、このようなガイドラインの存在自体ほとんどの人が知らないのではないでしょうか。最低限の情報はすでにWEBサイト等では公開されています。しかし、それは日本語や機械翻訳での多言語対応が多く、現場には浸透していません。災害対策をする上で重要になってくることの2つ目にも当たるのですが、それぞれの人が災害や災害対策について理解を深めることが重要です。

−災害や災害対策について理解を深めるとはどのようなことなのでしょうか?

松本氏:
日本人と訪日外国人にもっと災害のことを知ってもらい、知識をつけて貰う必要があります。まず、日本人であれば災害対策への意識がまだまだ低いなと感じています。様々な施設のインバウンド担当者にお会いするのですが、外国人の集客については積極的に取り組みをされていますが、一方でコストが増加する災害対策となると対応は消極的です。

災害対策について話す松本氏

災害対策について話す松本氏

関西の方は阪神大震災の経験や近年の被害が続いていることもあり、意識が高くなっていますが、全国的にまだまだ低いです。それこそ、次に災害が起こったら対応を考えますというような方もいるくらいです。災害はいつでも起こるという認識を持っていただき、最低限でもいいので対策を行うことに、担当者の方々が取り組んでいただければ嬉しいですね。

もう1つの訪日外国人について災害について知ってもらうことですが、訪日外国人は地震や台風について、前提知識がありません。そのため、災害に出くわすとパニックになる方もいますし、面白がったりする人もいます。

そもそも、日本で地震や台風が頻発することも伝わっていない。まずは、日本は地震や台風がつきもの何だということや地震や台風について知ってもらうことが重要です。せめて定期的に避難訓練をしている子どもたちと同じくらいの知識は必要だと考えます。

例えば、南極に行く場合は、絶対に薄着をしていかないと思います。なぜならば、寒いという認識があるからです。そういった気候と一緒で、日本では地震や台風が起こるというのを認識して貰う必要があります。日本の自然環境ではつきものというか。

しかしながら、災害のイメージが強すぎるのも良くないので難しいところですが。いずれにせよ、日本の災害というものを知っていただき、災害が起きた際に正しい対策を、訪日外国人の方々が実行できるようにすることが大切です。

知っているだけで災害の被害を軽減できることも沢山あります。例えば、地震であれば、最初に余震があり、本震があります。日本人は知っているかもしれませんが訪日外国人の方たちのほとんどは知らないでしょう。余震と知らずに、移動をしてしまい、本震の被害を受けることもあると考えられます。日本人にも訪日外国人にも正しい災害対策の情報を知ってもらうということが重要になります。

災害時に活躍!QRコードを読み取るだけで、情報を多言語化してくれるQR Translator

−御社で提供されているQR Translatorを活用し災害対策ができるとお伺いしていますが

松本氏:
近年、災害対策という切り口で様々な方々にQR Translatorをご利用いただいています。QR Translatorとは看板や印刷物を、とても簡単に多言語対応できるソリューションです。多言語対応したい商品や情報などをPIJINが開発・管理する「QR Translator」のウェブサイト上に登録いただくと、QRTコードが発行されます。そのQRTコードを看板や印刷物に貼付し、訪日外国人にスマホで読み取ってもらいます。すると、端末の言語情報を自動的に読み取り、登録した商品や情報を適切な言語で表示します。現在は39言語まで対応しています。さらに、音声読み上げ機能も付いているので、表示したコンテンツを音声で聞くことも出来ます。

QR TranslatorはQRコードを活用しているので、訪日外国人の方に個別のアプリをダウンロードしてもらう必要がありません。そのため、スマホさえあれば、誰でも利用できるサービスです。また、看板や印刷物で活用するにしても、QRコードなのでスペースも取らず、デザインへの影響も少なくてすみます。

アプリ不要で誰でも気軽に多言語で情報を知ることができるので、災害時にも活用することができます。

−なるほど。災害時には具体的にどのような活用方法があるのでしょうか?

松本氏:
QRTコードを看板等に掲示いただくか、貼付されたツールを配布していただくのが一般的です。例えば、避難情報をまとめた冊子にQRTコードを貼り付けていただければ、それを読み取るだけで多言語で避難情報をスマホ上で表示することができます。

ある自治体では啓発カードを配っていただき、そのカードにQRTコードを記載しています。そのカードのQRTコードを読み取ると、平常時は自治体周辺の観光情報が多言語で表示される仕組みになっています。普段から読み取る動機がそこには存在します。さらに、災害時の避難情報などもカードのQRTコード上に入れているので、災害情報も多言語で表示されます。

−それは便利ですね。災害対策に取り組んでますが、今後の展望は?

今後の展望を語る松本氏

今後の展望を語る松本氏

松本氏:
災害対策において一番の理想は、QRTコードを読み取らずに、避難ができることが理想だと考えます。しかしながら、まだまだ災害対策への意識がそこまで高くないですし、災害対策への知識がある方々は多くはありません。

だからこそ、災害対策の啓蒙活動が必要だと考えています。正しい災害対策への知識があれば、救える命もあると考えます。今後も数多くの訪日外国人が訪れるでしょう。観光立国を目指すのであれば、世界に向けて「災害が来ても安心の国」という印象を持ってもらうためには災害対策が必要です。私達は少しでも多くの人達に災害対策の重要性を知っていただきたいと思っています。

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