インバウンド向けの災害対策のポイント | 地震や台風続く今だからこそ 観光施設・飲食店・ホテル旅館が知っておくべきトピック

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私たち日本人が、日本で暮らす上で災害はつきものです。しかし、訪日観光客にとっては慣れない国で災害に遭遇するというのは大きな不安材料になります。

今年は特に災害が続きました。6月には大阪府北部を中心とした地震、7月には西日本豪雨。8月、9月と台風が乱立し、特に9月4日に大阪を直撃した台風21号は国内3位の乗降者数を誇る関西国際空港が閉鎖されました。続く9月6日には北海道で地震があり、国内5位の乗降者数の新千歳空港が閉鎖する事態となり、日本人の私達でも普段の暮らしに不安を感じるほどでした。

【札幌】ホテルからの悲痛な声/すでに観光可能な北海道 なのに地震後なぜ観光客は戻らない?

2018年9月6日未明に起こった北海道胆振東部地震は、北海道全域で停電となる史上初の「ブラックアウト」をもたらすなどの被害がありました。北海道電力の尽力もあり、電気も問題なく使えるようになり、すでに観光客を受け入れられる体制に戻っています。ところが、北海道旅行のキャンセルが続き、現地からは悲鳴が聞こえてきます。京王プラザホテル札幌、宴会料飲部宴会予約支配人の宮谷定義氏に地震当時の様子、現在の状況をお聞きしました。訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプ...

これらの多くの災害において各地で被害や混乱が生じましたが、訪日外国人に対して適切に対応ができなかったため多くの不満が出る形となってしまいました。

そこで今回は、災害大国である日本が観光立国として立ち行くために、各観光施設が災害時に訪日外国人に対しできることをご紹介します。

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9月の災害で浮き彫りになった最大の課題:情報伝達

今回の災害で一番の問題となったのは、情報伝達の欠如でした。自治体の防災無線や、ニュースの字幕、twitterなどのSNSによる情報発信も主に日本語で行われており、訪日外国人が情報弱者となってしまい、各主要駅には情報を求める外国人が殺到しました。また各施設での避難指示がなかったことなども問題となりました。

災害時、外国人観光客は真っ先に気にすることは「交通機関への影響」と「旅行をキャンセルするかどうか」/ジャパンガイド編集長が考える日本の災害情

1996年に設立され、月間約180万人のユーザーが閲覧している「ジャパンガイド」では、今回の台風21号、北海道地震に関する情報をリアルタイムで発信しています。今回は訪日観光客向けの災害情報発信をテーマに、情報の受け手であるジャパンガイドのユーザーから災害時に寄せられた質問と、発信者であるジャパンガイド編集長の意見をまとめてみました。目次災害時に訪日観光客が気にすることとは?日本の外国人向け災害情報発信で求められることとは?まとめ災害時に訪日観光客が気にすることとは?以下は今年に入ってからジ...

各施設ではまず目の前の訪日外国人に現状を伝えられるようにしよう-観光庁と大阪府災害初動マニュアルを参考に

一番大切なのはまず、目の前の訪日外国人の安全を確保することです。そのために各施設では、現状を伝え、何をすべきか伝えるのが最優先です。

参考にしたいのは、観光庁のマニュアルです。こちらでは細かい避難指示の英訳が掲載され、その他にもその後の対応に関する詳しい情報が掲載されています。

観光庁「自然災害発生時の訪日外国人旅行者への初動対応マニュアル策定ガイドライン」より

観光庁「自然災害発生時の訪日外国人旅行者への初動対応マニュアル策定ガイドライン」より

また各自治体もこのようなマニュアルを作っています。注目したのは、大阪府の取り組みです。府内の施設に役立ててもらおうと、大阪観光局は3月、事前準備や災害発生時の告知文例(4言語)などを盛り込んだ「外国人旅行者の滞在時における災害時初動対応マニュアル」を配布しました。

大阪観光局「外国人旅行者の滞在時における災害時初動対応マニュアル」より

大阪観光局「外国人旅行者の滞在時における災害時初動対応マニュアル」より

こちらは観光庁のものに比べるとかなりイラストが多くなっており、より読みやすくなっています。また、大阪府で発生する可能性のある災害や、ハザードマップなども一覧できるようになっています。

施設でできる準備である、

  1. 災害発生時の外国人対応の指揮・命令系統の確立
  2. 外国人旅行者のための情報収集先のリスト化
  3. 外国人対応のできる地域内の施設の確認

などの事細かな情報や、災害時に英語・中国語・韓国語でどのようにアナウンスするかなどの細かい文例が書かれています。

もちろんお住いの地域でこのようなマニュアルがあればそれに沿うのが一番ですが、もし無い場合、イラストが多めの大阪府のマニュアルや、観光庁が作成したマニュアルを参考にすることで、外国人への対応がスムーズになるでしょう。

各施設で出来る対策:SNSを使って多言語で宿泊情報や開店情報を発信しよう

訪日外国人が観光地で災害に遭遇した際に知りたいのは、今日空いている宿泊施設はあるのか?今空いているレストランはあるのか?などです。

もちろん、災害時に日本語でtwitterで「○部屋空いています」、と投稿しているホテル等も見受けられましたが、これらを英語で投稿し、ハッシュタグで地名等が分かるようにすれば、訪日外国人の目にもつきやすくなります。災害時にこうした対応をし、訪日観光客に安心して過ごしてもらうことができれば、リピーターに繋がるかもしれません。

多言語での情報発信に戸惑うこともあると思いますので、事前に伝えるべきことをリストアップし各種翻訳サービスを用いて多言語で訳しておくのも手でしょう。

外国人観光案内所では非常用電源・充電設備を整えよう:観光庁が補助金での支援を発表

訪日外国人の7割が情報をスマートフォンで入手しているというデータがありますが、肝心のスマートフォンが充電切れしてしまえば、訪日外国人も情報を手に入れることが出来ませんし、災害により停電が発生した場合は情報を発信する観光地側も情報発信もができなくなってしまいます。

そんな状況に備えて、非常用電源装置・充電設備を整備しましょう。今年の災害を受けて、観光庁が補助金での支援を発表しています。一定の基準を満たせば要請することが可能となっています。

『いつでもどこでも繋がるサービス』が確立予定

これらの状況を鑑み、観光庁JNTOコールセンターについて、あらゆる手段で周知に努めつつ、365日24時間、英語・中国語・韓国語できめ細かい相談対応ができる体制を確立すると発表しました。

観光施設に訪日外国人が殺到してしまったり、多言語対応できるスタッフがいなかったりと想定外の事態が災害時には発生します。そんな時にはぜひともこのサービスがあることをお伝えすることで有効活用し、訪日外国人に安心してもらえるようにしましょう。このサービスは10月以内に確立予定とのことです。

災害時に訪日外国人に対してケアできることは沢山あります。今回ご紹介したことを参考にしていただき、できることから始め、訪日外国人に安心して日本を楽しんでもらいましょう。

<参考>

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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