2016年に始まり、地方の魅力を個人単位で発信できる仕組みが話題を呼んだ、Airbnbの「体験」サービス。日本では、これまで関東、関西、福岡、沖縄に限定されていました。2018年7月30日から提供範囲が全国となり、訪日客に地方の魅力をPRするチャンスが、今後さらに広がると言えます。
コト消費の需要が高まる今、インバウンドの地方誘致と通訳ガイドのあり方はどのように変化していくのか、Airbnbの「体験」サービスを切り口に見ていきましょう。
訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションを資料で詳しくみてみる
- 「インバウンド動画プロモーション」を資料で詳しくみてみる
- 「インフルエンサープロモーション」を資料で詳しくみてみる
- 「SNSプロモーション」を資料で詳しくみてみる
- 「インバウンドメディア」を資料で詳しくみてみる
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
インバウンドの”コト消費”に応えるAirbnbの「体験」サービスとは
Airbnbは民泊サービスで有名ですが、実は宿だけでなく「体験」も提供しています。現地に暮らす人が企画しガイドする、唯一無二のローカル体験が人気の秘密です。地域ならではの魅力を熟知したホストが、茶道や伝統工芸品作り、ウォーキングツアーなどを通し、訪日客に”リアルな日本”を発信できます。
現在、日本の「体験」予約数は世界第2位を誇ります。インバウンドのコト消費需要の高まりを受け、「体験」サービスの提供範囲が全国へ拡大されました。日本各地の通訳案内士をはじめ、誰でも個人単位で「体験」ホストの登録が可能となり、より多くの地元の隠れた魅力が世界に発信されることを期待できます。
Airbnbホストが訪日客に地域の魅力をPRする3つのメリット
Airbnbの「体験」ホストが地域の魅力をPRする3つのメリットを、今後のインバウンド業界における通訳ガイドのあり方を考えながら紹介していきます。
Airbnb×体験×地方のメリットその①:訪日客が抱える”言葉の壁”を解消し、地方誘致を加速化
有名観光地だけでなく地方でのローカル体験にも興味を持つ訪日外国人観光客は、年々増加傾向にあります。しかし、言語面への不安が壁となり、実際に地方を訪れるには至らないことも、地方誘致への大きな課題の1つです。Airbnbの「体験」サービスでは、基本的にホスト自身が英語でガイドをするため、言葉の心配もなく気軽に地方へ足を運べるメリットがあります。
訪日客はここで困る 3人に1人が"買い物中に店員とうまく会話できないこと"と回答 観光庁のアンケート調査で
観光庁は平成29年(2017年)2月7日、「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に関するアンケート」の調査結果を発表しました。空港などで「旅行時に困ったこと」「多言語対応、通信環境などの受け入れ環境へのニーズ」「満足度」といった項目について答えてもらったもので、訪日外国人観光客が感じているリアルな感覚が反映されていると考えてよいでしょう。いったい、どのような結果になっているのでしょうか。やはり、先日ご紹介したリクルートライフスタイルの調査と同様の結果になっているようです。<関連>イン...
ホストのローカルコミュニティで、地元の人と交流を楽しむことも貴重な「体験」となります。ホストを通じて、地元の人ともスムーズにコミュニケーションを取ることが可能です。ただ体験して終わりではなく、地元の人の想いや伝統、文化を理解することで、日本での滞在がより満足度の高いものとなります。
Airbnb×体験×地方のメリットその②:ガイドブックにない唯一無二の「体験」でリピーター獲得
ホストがオリジナルのプランを企画するため、1つとして全く同じ「体験」はないことが、Airbnbの「体験」サービスの特徴であり魅力です。大きなツアーでの観光やガイドブックの情報からは得られない、唯一無二の「体験」で訪日客を惹きつけることができます。2020年のオリンピックはもちろん、その後も継続的にインバウンド需要を伸ばしていくために必要なリピーターの獲得にも効果的です。
オリンピックをきっかけに、日本を初めて訪れる人が急激に増加することが予想されます。そこで「日本はまだまだ奥が深い。何度訪れても新しい発見がある国だ。」と感じてもらうには、地域の魅力を熟知したガイドが提供する「体験」が、重要な役割を果たすでしょう。
Airbnb×体験×地方のメリットその③:オリンピックに向け通訳ガイドの活躍の場を広げるチャンス
2018年1月4日に施行された、改正通訳案内士法により、無資格でも有償で通訳ガイドができるようになりました。その背景には、訪日外国人観光客の急激な増加により、通訳案内士の数が足りなくなったことが挙げられます。
改正通訳案内士法施行、無資格で有償の観光ガイド可能に
改正通訳案内士法が2018年1月4日に施行されました。これは2020年に訪日外国人旅行者を4,000万人とする政府の目標に向かって進められている規制緩和のひとつです。通訳案内士法の改正後は、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、今までの通訳案内士と呼ばれていた人は「全国通訳案内士」となりました。これによって、今までは有資格者でなければできなかった訪日外国人へのガイド行為が、資格を持たずとも報酬を得て行えるようになります。今回の記事では、通訳案内士法が改正された背景や、改正によって注目される訪...
Airbnbの「体験」ホストは、地元の魅力を世界に発信したい初心者ガイドが、気軽に挑戦し実績を積める場と言えるでしょう。インバウンドの地方誘致をさらに加速させていく上で、個人のおもてなしの力は、いまや必要不可欠となってきています。
訪日客に人気の「体験」TOP3
Airbnbの「体験」サービスで、訪日外国人観光客から特に高い評価を受けている「体験」を3つ紹介します。個人の通訳ガイドが提供する「体験」の満足度の高さとその理由を、3名のホストの例を参考に見ていきましょう。
京町家で楽しむ茶道
今や海外でも「MATCHA」という名称で愛される抹茶の奥深さを学べる人気の「体験」が茶道です。特に高い評価を受けている茶道教室を紹介します。
以前はアメリカで働いていたホストが、もう一度日本文化を発信したいと始めた教室です。京都の伝統的な町家のお茶室で、お茶を立てるという技術はもちろん、茶道の精神も学ぶことができます。技術的な説明だけでなく、1つ1つの動作の意味も丁寧に解説してもらえるところと、ホストのきめ細やかな心遣いが、訪日外国人観光客に評価されています。
寿司作り体験
日本といえば寿司!と言う外国人も多く、自分で握った寿司を食べられる「体験」は不動の人気を誇ります。中でも、100年以上も続く老舗の寿司職人による寿司作り体験は大人気です。
これまで5000人以上に寿司の技術を教えてきたホストは、ホスピタリティに溢れ忍耐強く、家に帰っても再現できることを目標に教えています。自分で握った寿司を、他の参加者やホストと交流しながら食べられることも、人気の理由の1つです。
新宿の居酒屋体験ツアー
日本の居酒屋文化も海外では広く知られ、よりディープな居酒屋体験を期待する訪日外国人観光客も増えています。しかし、ローカルな居酒屋は言葉の壁や情報収集の難しさが壁となり、なかなか挑戦しづらいのが現状です。
そこで人気を集めているのが、日本酒ソムリエのホストが実施する、新宿の居酒屋ツアー。さまざまな種類の日本食や飲み物を楽しむだけでなく、日本の居酒屋文化や歴史も学べる貴重な機会だと、大絶賛されています。
まとめ:通訳ガイドを活用し、より満足度の高い訪日旅行の提供を
Airbnbの「体験」サービス地域拡大からもわかるように、高まるコト消費需要を地方誘致に繋げる動きが活発化していくと予想されます。地域の魅力を熟知した通訳ガイドを活用し、より満足度の高い「体験」の提供が求められるでしょう。
今後は、企業による通訳ガイドの活用が進んでいくと言えます。大手旅行代理店H.I.S.が展開する、訪日外国人観光客と日本各地の通訳ガイドのマッチングサービス「Travee(トラヴィ)」のように、今後インバウンドの地方誘致を加速化させるためには、通訳ガイドの活用が大きな鍵となるでしょう。
訪日客の地方誘致に重要なのは、まず「知ってもらうこと」。効果的なインバウンドプロモーションを資料で詳しくみてみる
<参考>
- Airbnbプレスルーム:Airbnb、「体験」の提供範囲を日本の全地域に拡大
- Airbnb:Airbnbで体験をホストしよう
- Airbnb:Tea ceremony in Kyoto Townhouse
- Airbnb:Sushi-making Experience
- Airbnb:Izakaya Food Tour in Shinjuku
- 国土交通省観光庁:通訳案内士法改正情報総合サイト
- 日本経済新聞:HIS、訪日外国人旅行者と地元ガイドのマッチングサイトの運用を開始
【7/16開催】【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※
外食店舗、支援サービス、業界のトップ企業が集結!
さらに、有名飲食店や外食産業を牽引する企業による特別基調講演も開催。
成功企業のリアルな戦略や、これからの外食業界を生き抜くヒントがここに詰まっています!
最新のトレンドを知り、トップ企業の成功ノウハウを学びたい方、
業界の最前線で活躍する企業とつながり、新たなビジネスチャンスを掴みたい方にぴったりのイベントです。
今こそ、業界の未来を共に創る一歩を踏み出しませんか?
皆さまのご参加をお待ちしております!
<応募者特典>
-
イベント登壇企業の各種お役立ち資料
※口コミアカデミー内でのアーカイブ配信は予定しておりません -
本イベントのアーカイブ動画(1週間)
<本セミナーのポイント>
- 有名飲食店&業界をけん引する企業の基調講演 - 成功企業の戦略や実例を直接学べる貴重な機会!
- 外食業界の最新トレンド&成功ノウハウが手に入る - 変化の激しい市場で勝ち残るための最前線情報をキャッチ!
- 外食業界を支える最新サービス&ソリューションの紹介 - 飲食業界の課題解決につながるアイデアが満載!
- トップ経営者や専門家が語る「成長の秘訣」と「業界の未来」
- 業界をリードする企業が実践するプロモーション戦略やDX事例を公開!
- 効率化や売上向上につながる最新ツール・サービスを知るチャンス
詳しくはこちらをご覧ください。
→【Next Food Vision 2025】食の最新トレンドを発信〜大型オンラインイベント〜※好評につき再放送※【7/16開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!