改正通訳案内士法施行、無資格で有償の観光ガイド可能に | 改正の背景・懸念点・通訳ガイドサービスを紹介

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改正通訳案内士法が2018年1月4日に施行されました。これは2020年に訪日外国人旅行者を4,000万人とする政府の目標に向かって進められている規制緩和のひとつです。

通訳案内士法の改正後は、通訳案内士の業務独占規制が廃止され、今までの通訳案内士と呼ばれていた人は「全国通訳案内士」となりました。これによって、今までは有資格者でなければできなかった訪日外国人へのガイド行為が、資格を持たずとも報酬を得て行えるようになります。

今回の記事では、通訳案内士法が改正された背景や、改正によって注目される訪日外国人への通訳サービス、改正後の懸念点を紹介します。

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改正通訳案内士法施行の背景

観光庁の調べによると、国家資格である通訳案内士の資格を持つガイドは全国では2万2700人程度いるとされ、6割程度が実際に稼働しています。訪日外国人が多く訪れる首都圏、ゴールデンルートでは多くの有資格ガイドが存在するも、政府も今後課題とする 地方の観光地では有資格ガイドが不足 しており、英語圏以外から訪れる訪日外国人が多い中、ほとんどの有資格ガイドが話せる言語は英語であることから、中国語、韓国語、その他アジア各国の言語に精通したガイドの不足 が叫ばれていました。こうした実態を踏まえて、無資格のガイドに対しても現地での観光ガイド行為を認めるように規制緩和がされた というわけです。

規制緩和を受けて注目を集める訪日通訳ガイドサービス

規制緩和とニュービジネスとの関係は切っても切れないものですが、今回の規制緩和を受けて新たなビジネスが早速登場しています。

HISの外国人観光客とガイドのマッチングサイト「Travee(トラヴィ)」

Travee(トラヴィ)では訪日外国人旅行者の旅行の目的に合わせ、訪れる地域の魅力溢れるプランをサイト上で選んでもらい、外国人旅行者と地元を知り尽くした「Traveeガイド」とマッチングします。外国人旅行者もガイド側も互いのプロフィールを確認した上でマッチングする仕組みとなっています。外国人旅行者はガイドの顔写真、対応言語や地域などを確認することが可能で、さらに5段階で評価をすることも可能です。

また、今後HISではスタッフとの面接、講習会等を実施することで公認の「Traveeガイド」を認定することも検討しています。HISでは、今回の法改正によるガイドの質の低下はについても、ガイドにレビューがつく機能、ガイド本人が自らのガイドとしてのクオリティを保つであろうことから、ガイドの質の低下は起きないのではとしています。

※Traveeはサービスを終了しました。

Airbnbの「体験(Experiences)機能」

Airbnbと言えば民泊の仲介サービス最大手として知られていますが、2016年11月にトリップ(Trips)というサービスリリースしました。このサービスは体験(Experiences)、スポット(Places)、ホーム(Homes)という主要3機能に加えて、今後はフライト(Flights)、サービス(Services)という機能が加わる予定です。

この体験(Experiences)機能では、「宿泊先」のホストではなく「体験」をホストするという機能が追加されており、これはAirbnbで宿泊先を訪れた宿泊客が「現地で何をしようか?」と思った際に便利な機能で、その土地ならでは体験を手軽に楽しむ事が可能です。厳密にはこの体験(Experiences)機能による無資格ガイド行為は通訳案内士法に抵触していましたが、今回1月4日に改正通訳案内士法が施行されたことで、晴れて合法となりました。

改正通訳案内士法における懸念点

さて、訪日外国人にとっては母国語で現地をガイドしてくれる人が増える可能性があるために嬉しい法改正でありますが、現場では少なからず懸念点もあるのも事実です。まず懸念されているのは 名称がわかりにくくなるのではという懸念。全国通訳案内士試験に合格し、居住する都道府県知事に登録をした全国通訳案内士、各自治体が行う研修受講をした地域通訳案内士などに加えて、今回新たに無資格のガイドが増えるわけです。

これに関しては観光庁も紛らわしい名称を使用してはいけないとして、「通訳ガイド」、「国家ガイド」、「政府ガイド」、「◯◯市ガイド」、「トップガイド」、「日本ガイド」、「(地域名)ガイド」、「認定ガイド」などといった名称は類似しているとして、通訳案内士の資格を持たないガイドは使用することが出来ません。ただ、あくまでもこうした無資格ガイドは外国人旅行者向けには英語もしくはそれ以外の言語で自らがどのようなガイドかということを説明するわけですので、観光庁からの注意喚起に関しては少し的が外れていると言えるかもしれません。

また、有資格ガイドは国家試験を受験、自治体が行う研修を受講するなどして、専門知識、一定のレベルが担保されているとされていますが、無資格ガイドが増えることによって、こうした ガイド全体で見た場合のサービスの質が下がるのではという指摘 もあります。これに関してはHISではユーザーからの評価機能、またHIS独自の研修などによって品質を維持するとしており、同じく同様にガイドをユーザーがレビューするAirbnbに関しても、同様の理屈で品質が維持されるのではないかという指摘もあります。

まとめ:規制緩和によって、さらに訪日外国人受け入れの体制が充実して行くことが重要

規制緩和と新たなサービスの誕生、既存のサービス提供者からの新サービスへの不満はセットだと言えますが、2020年に向けてさらに多くの訪日外国人の受け入れを目指す上では、今回の規制緩和によって無資格でもガイド行為が出来るようになったということは、観光業界にとっては前進と言えるでしょう。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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