QRコード決済システムと言えば、中国のWechatPayやAlipayが有名です。日本でも在日及び訪日中国人観光客に対応するため、コンビニ、飲食店や百貨店など、対応店舗が増えていることはご承知の通りかと思います。一方、タイでもQRコード決済の利用者数が急増していることをご存知の方はまだ少ないのではないでしょうか?。
タイでは2017年1月に本格始動しタイの国家電子決済システム「Prompt Pay(プロンプトペイ)」が本格始動しました。8月には同システムを利用した「統一QRコード決済」サービスが始まるなど、キャッシュレス化が急激に進んでいます。
先日は三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下MUFG)傘下でもあるアユタヤ銀行は、MUFGと共同で、今年12月に日本でQRコードを使った越境決済を開始すると発表し、話題を呼んでいます。
プロンプトペイとは何なのか?また、プロンプトペイの現状と今後の展望を探ってみたいと思います。
インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる
- 「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる
- 「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる
- 「多言語化表示サービス」を資料で詳しくみてみる
- 「テレビ電話型通訳サービス」を資料で詳しくみてみる
- 「訪日外国人向け道案内」を資料で詳しくみてみる
【訪日ラボは、インバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を8月5日に開催します】
国家電子決済システム「Prompt Pay(プロンプトペイ)」とは?
「Prompt Pay(プロンプトペイ)」は、銀行口座番号に紐付けられた携帯電話番号、身分証明証番号を使い、ATM やインターネットバンキング、モバイルバンキングで送金できる新しい国内送金システムです。
タイでは近年の経済発展に伴い、都市部を中心に中間~高所得者層が増えたことで銀行口座の保有率が81%まで上昇していますが、クレジットカードの保有率は10%を下回っています。
一方、プロンプトペイは昨年1月に導入されて以降、8月末時点での登録者は4,430万人で、累計の決済件数は5,250万件、決済額は2兆6,000億バーツ。1件当たりの決済額は平均4,000バーツとなっており、着実に利用率が伸びています。
Prompt Pay(プロンプトペイ)が急拡大している理由
タイの国家電子決済委員会は、8月末にプロンプトペイの手数料の免除範囲を段階的に拡大することを発表しました。免除範囲は現行の5,000バーツ(約1万7,000円)以下から、10月以降には70万バーツ以下、将来的には200万バーツ以下に拡大するとのことです。
スマートフォンの普及によりアプリを利用した送金手続きを行えるようになり、現行より送金手数料が大幅に下がることなどの理由が電子決済システムの普及を後押していてることは間違いないでしょう。
Prompt Pay(プロンプトペイ)は小さな屋台にも導入が進む
タイで屋台やタクシーなどを利用した際、店側やドライバーが釣銭の準備をしていない場合が多く、1,000バーツ札での支払いを嫌がられるなど、現金での支払いに苦労する場合が多くあります。
そういった懸念事項を解消する目的もあり、ショッピングセンターやコンビニなどはもちろん、屋台やタクシー、はたまた宝くじの行商のおじさんやおばさんまでプロンプトペイを導入している店舗(人)が増えており、キャッシュレス化の勢いはとどまるところを知りません。
いよいよ日本でもPrompt Pay(プロンプトペイ)が越境決済が可能に
今のところタイ国内での利用しかできないプロンプトペイですが、現在シンガポールや日本を対象に、越境決済の準備を進めています。
シンガポールではフィンテック産業育成の一環として、送金の手間やコストの削減を狙うQRコード決済システム「PAYNOW(ペイナウ)」のインフラ構築が急ピッチで進められています。その「ペイナウ」と「プロンプトペイ」をリンクさせ、両国間の決済の利便性を向上させる狙いで、今後は越境決済できる体制を整えるとの方針です。
また、冒頭でもご紹介した通り、MUFG傘下でもあるアユタヤ銀行は、今年12月に日本でプロンプトペイでの越境決済を開始すると発表しました。今回のQRコード決済の導入はアユタヤ銀行の口座保有者のみが対象になりますが、大手商業施設や人気店で買い物する際、スマートフォンを使ってQRコードを読み込むことで決済できるようになります。
今後、他の大手銀行も日本市場へ参入してくると予想され、訪日タイ人観光客対策として、QRコード決済システムの導入は不可欠になるかもしれません。
Prompt Pay(プロンプトペイ)は訪日タイ人観光客の対応に
日本でもキャッシュレス化が叫ばれている昨今、東南アジア諸国でも同様にキャッシュレス化への動きが活発になってきています。特にQRコード決済に関しては、機種に依存せず、アプリをダウンロードするだけで利用することが可能であり、費用が安く済むため、導入へのハードルも低くなります。
そういった観点からも、東南アジア諸国でのQRコード決済システムの導入は勢いを増していくと予想されます。ターゲットとする国の電子決済システムがどのように進んでいるかを把握することは、今後のインバウンド集客に大きく影響してくるのではないでしょうか。
インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる
<参考>
- https://www.jri.co.jp/MediaLibrary/file/report/rim/pdf/10627.pdf
- https://www.bangkokbank.com/en/International-Banking-Japanese-Customer/Digital-Banking
- https://www.nna.jp/news/show/1825178
- https://www.nna.jp/news/result/1806002
- https://www.nna.jp/news/result/1745994
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
→「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!