早期から欧米豪に注目&ターゲティング | 徳島県にし阿波地域の地域の特色を生かした地方創生の事例とは

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訪日外国人旅行者にはアジアからの客が多いです。しかし、今年2月には観光庁と日本政府観光局欧米豪をメインターゲットとしたキャンペーンを始めるなど、欧米豪をターゲットとした取り組みも行われています。

なぜ今”欧米豪”なのかがよく分かる5つポイント:訪日旅行トレンドから読み解く欧米豪インバウンドの集客・誘致のポイントとは?

訪日中国人観光客を中心として東アジア出身の訪日外国人観光客が最も大きなターゲットでしたが、最近ではLCC増便やビザの要件緩和の影響で客数の伸びが急激であり、ミレニアル世代が多いことで知られる

12月に欧米豪インバウンドに注力すべき3つの理由

日本政府観光局の発表によると、2017年12月に日本を訪れた訪日外国人の数は、前年同月比23.0%増の252万1000人となり、1964年以来最多となっています。2018年12月も同様に訪日外国人の数は昨年を上回ると予想されていますが、その中で注目したいのが欧米豪から訪れる訪日外国人です。こうした英語圏、欧州の訪日外国人を迎え入れる対策はお済みでしょうか?インバウンド対策なにから始めたら良いかわからない?訪日ラボがまとめた「インバウンドデータレポート」を資料で詳しくみてみる「インバウンドコ...


徳島県にし阿波地域で活動する一般社団法人そらの郷は、以前から欧米豪をターゲットとして取り組んでいます。このターゲット設定には、地域の特色が大きく影響しています。

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インバウンド誘致のターゲットを欧米豪にも

2017年の訪日外国人旅行者は約2869万人で、前年から19.3%増加しました。この旅行者の国別の状況を見てみると、1位は中国で736万人、外国人旅行者全体の約25.6%です。2位以下は韓国、台湾、香港と続き、上位4か国をアジアの国が占めます。こうした状況もあり、多くの地域ではインバウンド誘致のメインターゲットをアジア、またはアジアのいずれかの国としています。

一方で、先の国別ランキングの5位には米国、7位にはオーストラリアが入っています。観光庁と日本政府観光局(JNTO)は今年2月、欧米豪を主な対象にした訪日プロモーション「Enjoy my Japan」を開始しました。

観光庁&JNTO 欧米豪向け大規模プロモーション「Enjoy my Japan」を2月からスタート

以前の記事でもご紹介したように、欧米豪圏のインバウンド市場は、滞在日数が長いことや訪日旅行中の支出が多いこと、「コト消費」にお金を使うことなどを理由に注目されています。観光庁とJNTO(日本政府観光局)でも 2018年から欧米豪圏向けの訪日旅行プロモーションに本腰を入れていくようです。まずは知ってもらう!旅マエに有効なインバウンド集客の資料を無料でダウンロードする「インバウンド動画プロモーション」の資料を無料でダウンロードする「SNSを活用したプロモーション」の資料を無料でダウンロードする...

国全体として、アジアだけでなく欧米豪からの訪日旅行者を増やすことにも取り組み始めているのです。こうした中で、以前から欧米豪をターゲットとしてインバウンド誘致に取り組んできた地域もあります。その一つが徳島県のにし阿波地域です。

にし阿波地域の特色 急斜面に家と畑、自然循環型農業

にし阿波地域は徳島県三好市、美馬市、東みよし町、つるぎ町の2市2町からなります。中心部の阿波池田駅までは徳島駅から1時間10分、徳島空港からは車で約1時間20分で、高知や高松からも同じくらいの時間で着きます。

2008年に「にし阿波~剣山・吉野川観光圏」として観光庁に認定され、広域での観光の取り組みを続けています。観光では日本百名山の一つである剣山や、大歩危峡、小歩危峡の舟下り、祖谷(いや)のかずら橋などが古くから有名です。

▲大歩危峡の川下り
▲大歩危峡の川下り

また東洋文化研究家のアレックス・カー氏が1973年に購入、改修した古民家「篪庵(ちいおり)」は、現在では一棟貸しの宿泊施設となっています。アレックス・カー氏がプロデュースした、宿泊できる8棟の茅葺き古民家「桃源郷祖谷の山里 茅葺き民家ステイ」もあります。

「桃源郷祖谷の山里 茅葺き民家ステイ」がある落合集落は、江戸中期から昭和初期に建てられた民家が山肌を蛇行する道沿いに張り付くように広がり、また谷から運んだ石を一つ一つ積み上げた石垣で作られた畑も急斜面に広がっています。国の重要伝統的建造物群保存地区に選定されている場所です。

落合集落だけではなく、周辺には同様の特徴を持つ集落がいくつもあります。ここでは水平面をつくって段々畑にするのではなく、傾斜地のまま耕す農法が継承されてきました。

例えば等高線に沿って畝立てをしたり、サラエと呼ばれる伝統農具で土上げをしたりします。さらに、カヤを大量に使うことが特徴的です。畑にはカヤ束をまとめ、肥料用に保存する「コエグロ」を作ります。そして畑にカヤを敷きます。敷いたカヤは風雨などによる土壌の流出を防ぐだけでなく、雑草を抑え、肥料となり、成長を促進する微生物を育みます。茅葺き屋根のカヤを畑の肥料として使うこともあります。自然循環型の農業だと言えます。

▲傾斜地のまま耕す農法が継承されて
▲傾斜地のまま耕す農法が継承されて

そらの郷の戦略 交流と体験を通じ、学びのあるツーリズム

にし阿波ではブランドコンセプトを「千年のかくれんぼ」としています。この地域には平家落人伝説や、妖怪伝承があります。さらに、自然循環型の農業を続ける集落の人々が、これまであまり知られていなかったことも、このコンセプトに関係しています。この地域を「桃源郷」とも表現しています。

このような地域でのインバウンドのターゲットとして、日本の歴史や文化に基づいたストーリーに興味を持ち、旅行での一人あたり平均消費額が高いとされる欧米豪の富裕層が考えられました。特に、自分のテーマに基づいて現地での行動を選択する「エクスペリエンスシーカーズ」が想定されています。アレックス・カー氏の活動や、ミシュラングリーンガイドへの掲載もあり、従来から欧米等からの旅行客が多かったという事情もあります。

また、大自然や原風景に興味をもつアジア諸国の中間層もインバウンドのターゲットとしています。

(一社)そらの郷では、斜面での農耕作業を体験したり、植物資源を活用した暮らしの知恵を農家にヒアリングしたりするプログラムを提供しています。これは交流、体験を通じて共感を呼び起こす「コミュニケーションツーリズム」、そしてそれを地域づくりにつなげる「コミュニティーベースドツーリズム」ともいえるものです。

そらの郷のスタッフが自らガイドを行い、客の反応を知ってツアーづくりに生かすこともありました。地域の人は、山の上に住むのは不便だと思っておらず、かえって人の多い都会に住む方が大変だろうと話します。そうしたことを聞き、また実際に農耕作業を体験し、多くのツアー客が価値観を揺さぶられるような驚きと感動を覚え、学びを得ています。一方で地域の人にとっても、交流は楽しみであり、収入の一つにもなります。

人数を見れば、香港、台湾、中国などからの客が多いです。バスツアーで訪れ、大歩危峡の川下りなどをまわるツアーもあります。しかしリピーターとなってもらうには、それだけのコンテンツでは不十分なのです。

そらの郷との連携 オープンイノベーションを起こす

交流、体験を行うツアーを今後も開催していくためには、ガイドが必要です。その養成や組織化に向け、若い世代も動き始めています。

そらの郷では、こうしたさまざまな団体との交流、連携を大切にしています。「協議会」など名前の付いた場をつくるのではなく、開かれた場でテーマに応じて地域のさまざまな人が参加する、オープンイノベーションの場を作るということです。

まとめ:そらの郷の、地域の特色に合ったターゲット設定

そらの郷が欧米豪をインバウンド誘致のターゲットとしている大きな理由として、そこに生きる知恵を感じられるという地域のツアーの特色に魅力を感じる人たちであるということがあげられます。また、もともと欧米豪からの旅行者が一定数いたことも理由の一つです。

訪れた人が地域の人と交流して魅力を感じ、また交流の意義を感じれば、リピーターになってもらえる可能性もあります。

インバウンド誘致のターゲットを決めるときには、地域の観光客の状況だけでなく、地域の特色は何か、それに魅力を感じるのはどのような層なのかと考えることが重要だと言えそうです。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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