2018年10月31日〜11月4日に、フランス・パリで世界最大級のチョコレートの祭典「サロン・デュ・ショコラ 2018」が開催されました。今年は、日仏友好160周年を記念したイベント「ジャポニスム2018」と連携し、チョコレートを通じて日本文化を発信する特設ブース「Japan Experience」を設置しました。
世界的にも高い評価を受けるチョコレートを通じてどのように日本文化を発信したのか、早速レポートしていきます。

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「サロン・デュ・ショコラ」から見る、インバウンドでの日本のお菓子の評価は?

世界的な注目を集める、フランスのショコラ愛好会「Club des Croqueurs de Chocolat」のアワード(C.C.C.アワード)において、サロンドロワイヤルがAWARD DE L’EXCELLENCE(外国人部門最優秀賞)、Green beam to barがダークチョコタブレットの海外部門、メリーチョコレートが2016年より3年連続で金賞を受賞しました。
数々の受賞結果から、日本のお菓子の評価は世界的にも非常に高いことがわかります。お菓子のPRから直接インバウンド誘客に結びつけられるわけではありませんが、認知を広げていく手段の1つとしては重要だと言えます。実際にイベントでは、チョコレートを通じどのように日本の魅力をPRしていたのか、早速見ていきましょう。
日本からは18ブースが出展しPRを実施

世界60ヵ国、500以上の団体が集まった「サロン・デュ・ショコラ 2018」において、日本からは18の団体が出展しました。
明治ブースの実演コーナーは家族連れを中心に大盛況

明治ブースでは、「カカオポッド(カカオの実)割り」「発酵」「乾燥」「焙煎」「すり潰し」など、カカオからチョコレートができるまでの製造過程を実演するコーナーを設置しました。
カカオの実の果肉に触れたり、焙煎したカカオ豆の香りを嗅いだりと、サロン・デュ・ショコラだからこそできるような珍しい体験が注目を集めました。フランスの祝日だった11月1日はもちろん、連日家族連れを中心に多くの来場者が足を止めていたのが印象的です。

FARM to BARチョコレート「明治ザ・チョコレート」の販売も実施しました。2017年にC.C.C.アワードでタブレット海外部門を受賞したこともあり、昨年に引き続きブースを訪れ買いに来たというリピーターのフランス人も見られました。
フランスを中心とした世界各国からのシェフたちには、業務用のチョコレート「THE Cacao PROFESSIONALS」のプロモーションもしています。現在は日本国内での発売となっており海外展開の目処は立っていないとのことですが、明治ブランドを世界に発信する良いきっかけとなったと担当者は話していました。
徳島県の特産、古代米とゆずをチョコレートと合わせてPR

日本からのブースの中で、徳島県が唯一の地方自治体からの出展でした。古代米とチョコレートのコラボレーションをコンセプトとし、古代米を細かく砕いて混ぜたチョコレートの試食やお茶の試飲、販売を実施しました。足を止め熱心に商品を見たり話を聞いたりするのは40代以上の比較的年齢層の高い人が多かったそうです。

チョコレートに合う徳島県の特産品として、ゆずを使用したソースやお茶などの商品も多く取り扱っていました。担当者によると、チョコレートと地域ならではの食材をPRすることで、徳島県についても知ってもらう良い機会になったとのことでした。
サロンドロワイヤルは茶道と琴の演奏を披露

C.C.C.アワードにおいて、外国人部門最優秀賞である「AWARD DE L’EXCELLENCE」を受賞した創業80年の老舗ショコラティエ「サロンドロワイヤル」は、物販ブースの隣に本格的な茶室を再現したブースを用意しました。

茶道の御点前や琴の実演が始まると続々と来場者が集まり、興味津々で1つ1つの作法を食い入るように見つめていました。小さな子どもから若い男性のグループ、ご夫婦まで、さまざまな年齢層の人たちを虜にしていたのが印象的です。

株式会社サロンドロワイヤル代表取締役社長:前内眞智子氏によると、茶道や琴の演奏を実演していた方々はボランティアで参加しているとのことです。日本の文化を生で観て体験することで、より興味を持ってもらいたいという強い思いから実現しました。ブースで使用した野点傘などは、フランス国立東洋言語文化研究所に寄贈されるそうです。
「サロン・デュ・ショコラ」をチョコレートだけでなく日本文化を発信する場としても活用し、実際にチョコレートをメインの目的として来場したフランス人たちを思わぬかたちで魅了したことで、より印象深い日本文化体験になったと言えるでしょう。
チョコレートだけじゃない!あらゆる角度から日本文化をPR

会場内に設置された特設ブース「Japan Experience」では、チョコレートを通じて日本文化を発信するデモンストレーションが連日開催され、毎回満席になるほど、フランス人に大変好評でした。その中から2つのデモンストレーションの様子を紹介します。
「トーキョーチョコレート」の日本酒とチョコレートのマリアージュセミナー

2016年から「サロン・デュ・ショコラ」に参加しているメリーチョコレートは、海外戦略ブランド「トーキョーチョコレート」として3年連続の出展となります。
「Japan Experience」では「日本酒とチョコレートのマリアージュ」のセミナーを開催し、大石トップショコラティエによるチョコレートに合う日本酒の紹介も行われました。事前予約をしていた12名の来場者は、実際にテイスティングができ、連日満員の大人気イベントでした。
日本酒は、IWC(国際ワインチャレンジ)の日本酒部門で10年間受賞を続ける出羽桜酒造の純米大吟醸「一路」、10年熟成された古酒「枯山水」、フランスの5つ星ホテルのソムリエたちが選ぶ日本酒コンクール「Kura Master」で純米酒部門の審査員特別賞を受賞した、冨田酒造の 「七本槍」の3種を紹介しました。

テイスティングでは、まずチョコレートを少しかじってから日本酒を飲み味わうなど、順番を細かく指示することで、より正しく味の魅力が伝わるようにしていました。参加者からは「チョコレートと日本酒の味が絶妙なバランスを表現している、素晴らしい!」との感想が出ています。
日本ではお馴染みの、おちょこに入った抹茶と日本酒とチョコレートのガナッシュは、枯山水を使用することで抹茶の苦味が和らぎ、フランス人にも食べやすい味とのことでした。おちょこは、金魚袋に入れてお土産として持ち帰ってもらうサービスも実施し、帰りの電車でぜひ宣伝してください!と参加者に声をかけていたのが印象的です。
2018年10月6日〜8日に同じくパリにて、サロン・デュ・サケが開催されるほど、フランスでは日本酒への関心が高まっています。よって、日本酒とチョコレートとのマリアージュは、日本文化をPRする上でフランス人を惹きつける上で効果的な手法であったと言えるでしょう。
和菓子を魅せる!煉切パフォーマンスに来場者は釘付け

「サロン・デュ・ショコラ」では、日本の伝統文化の1つである和菓子が持つ芸術性や「侘び寂び」を、茶道の御点前のような1つ1つの所作から伝えるワークショップを実施しました。
「サロン・デュ・ショコラ」にちなんで、煉切の中身はチョコレートを使用し、見た目の美しさはもちろん、初めて煉切を試すフランス人には食感や味も新鮮に感じたようです。
元々茶室の中は薄暗いため煉切は白い物が多いことや、茶道のルーツは仏教でありただ楽しむだけでなく、茶室で心を静めるためのアートカルチャーということなど、日本文化のレクチャーも集まったフランス人たちは熱心に聞き入っていました。
日本の伝統文化をエンターテイメントとして、従来の形にとらわれず新しい角度から発信することで、世代を問わず親しむきっかけになるということを改めて実感したワークショップでした。
まとめ:世界的に評価の高い”食”から日本文化を発信
「サロン・デュ・ショコラ2018」を通じて、各ブースがチョコレートのPRをするとともに日本文化の発信にも力を入れていた点は、日本の知られざる魅力の認知を広げていく手段の1つとして非常に効果的だと感じました。
チョコレートや日本酒など、その国で評価の高い日本製品のPRをする際に、生産地の紹介から地方の魅力発信に繋げたり、日本文化の奥深さを知ってもらうワークショップやデモンストレーションを実施したり、インバウンド誘客のきっかけ作りの可能性は無限大と言えるでしょう。
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- Club des Croqueurs de Chocolat:Cérémonie des Awards 2018: retrouvez le palmarès du Club
- SALON DU CHOCOLAT:SALON DU CHOCOLAT公式ホームページ
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