新潟県の市町村を圏域として設立された雪国観光圏。豪雪地帯としても知られる雪国観光圏では、雪国という特徴を生かした外国人観光客誘致を行うべく、さまざまなインバウンド対策を行っています。そんなさまざまなインバウンド対策を行う雪国観光圏ですが、具体的にはどのような活動を行っているのでしょうか。
そこで今回は雪国観光圏がどのような組織なのか、どのような取り組みを行っているのか詳しく見ていきましょう。
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雪国観光圏とは?
平成20年に設立された雪国観光圏は、魚沼市、南魚沼市、湯沢町、十日町市、津南町、みなかみ町、栄村の7市町村を圏域として、設立しました。
その後平成25年に「一般社団法人雪国観光圏」へ移行し、雪国観光圏推進協議会からの事業委託や治療サポーター会員の支援によって授業が行われています。
雪国観光圏のブランドコンセプト
雪国観光圏のブランドコンセプトは、「国境の長いトンネルを抜けたもう一つの日本」です。
雪国観光圏の7市町村がある地域は豪雪地帯としても知られていますが、「人が住む豪雪地」は世界でも珍しいもの。 雪で閉ざされた地域ならではの伝統的な暮らしや、文化が数多く残されている場所なのです。
これらの貴重な観光資源を活かし、価値を生み出していくことこそが雪国観光圏のブランドコンセプトであり、目指すところだそう。
雪国の魅力・価値を提供する具体的な取り組みを紹介
雪国観光圏では、雪国の魅力や価値を提供するさまざまな取り組みを行なっています。
一般社団法人雪国観光圏の運営理念
さまざまな観光資源が豊富な雪国観光圏ですが、それぞれの資源はひとつずつでは埋もれてしまいます。
それらの資源一つひとつをつなぎ合わせ、さらに磨いていくことによって、世界で通用する価値を生み出していくのです。
「100年後も雪国であるために」という運営理念のもと、雪国観光圏は多様なアプローチで対策を講じています。
雪国ガストロノミーツアー
2日間の日程で開催されている雪国ガストロノミーツアー。冬の発酵食と雪国の生活を体験するのが目的のツアーです。
1日目は創業100年以上の老舗漬物店で、地元の酒粕で漬けた山家漬けを見学し、地元の酒蔵を見学します。夜は発酵食品をテーマにしたコース料理を、地元の日本酒と一緒に味わいます。
2日目はかんじきを履いて山歩きを体験し、雪国の生活を肌で感じることができます。
このように雪国観光圏では、雪国ならではの体験をツアーで楽しむ企画を開催しているのです。
「雪国A級グルメ」
旅館や飲食店加工食品業者の賛同によって活動しているプロジェクト「雪国A級グルメ」。
地元産の食材に基準を設け、情報を公開し地域の農商工連携を促しています。品質管理事業として展開し、地域の伝統である食文化を次世代に残すための取り組みです。
運営事務局は株式会社自遊人の編集部へ委託されています。
訪日外国人観光客の満足度をあげるインバウンド対策
雪国観光圏では日本国内からの観光客だけでなく、訪日外国人観光客を受け入れるためのインバウンド対策を、さまざまな形で行っています。
SAKURA QUALITY(サクラクオリティ)の導入
SAKURA QUALITY(サクラクオリティ)とは、外国人観光客を受け入れるにあたり最低限のマナーや多言語表示など、受け入れ体制の整備を行うために始めたもの。旅館やホテルなどの品質認証制度のことです。
公益財団中部圏社会経済研究所が作成した観光品質の評価認証の仕組みを活用しており、45軒の旅館や民宿が参加しています。雪国観光圏でインバウンドプロモーションを希望する全ての事業者に認証制度をとってもらう指導を行っている段階です。
観光案内板やガイドマップを多言語対応に
外国人観光客を受け入れるにあたって、観光案内板やガイドマップの多言語化は必須ともいえるインバウンド対策です。
外国人観光客が日本を訪れて最も不安に感じることが、案内情報の不足。
そこで、現地の移動に必要な情報として徒歩圏マップや案内看板、歩行者用サインなどを整備。広域的な移動に必要な情報としては広域マップやガイドブックなどを作成し、ウェブサイトの情報を整備するなど、それぞれの情報発信ツールを種別ごとに分けて取り組みを行っています。
ピクトグラムやアイコンも活用
日本語が分からない外国人観光客でもコミュニケーションが可能となるように、ピクトグラム(絵文字)やアイコンなどを共通言語化。
交通エコロジー・モビリティ財団が定めた「標準案内用図記号」を元に、「ゴルフ場、スポーツ体験施設、文化体験施設、大地の芸術祭、ウォーキング、登山ルート」の6つを加えた28個のカテゴリーに分け、そのカテゴリーごとにピクトグラムを割り当てました。
案内看板やマップ、ウェブサイトなどすべてのツールにおいて一貫したピクトグラムを使用することで、効果的に情報を届けることができます。
世界に通用する観光地へ
世界に通用する観光地を目指して、さまざまなインバウンド対策を行い海外向けの情報発信なども行う雪国観光圏。
事業者ごとの商品力を高めることが顧客満足度を高め、地域のブランド力アップへと繋がり、そこに観光協会などの経営能力やマネジメント力、財力などが加わることでさらなる価値を生み出していくのです。
雪国観光圏の事業者や自治体、観光協会など全ての団体が一丸となりチームとして動くことによって、ひとつずつでは埋もれてしまう観光資源でも、世界に通用するものとして発信していくことができるといえます。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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