9割の宿泊客が外国人観光客/なぜ「サクラホテル池袋」は人気と口コミを集めるのか?副支配人インタビュー

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現在、東京都内に池袋、幡ヶ谷、神保町、浅草、日暮里と5軒あるサクラホテル。いずれも訪日外国人に人気があるリーズナブルなホテルです。今回は、サクラホテル池袋の副支配人、佐藤麻衣子氏に、どのようなサービスをしているのかなど集客のヒントを聞きました。


サクラホテル神保町は25周年。池袋は11年。長年の積み重ねがカギ

サクラホテルの運営会社は、サクラハウスという不動産業者です。もともとマンスリーマンションを持っていたのですが、数泊だけの宿泊客がとれないため、ホテル業も行うことになりました。

都内に5軒あるうち一番古いサクラホテル神保町は今年で25周年です。池袋は11年ほどになりますが、もともとビジネスホテルだった建物をそのまま使っていますので、建物自体はもっと古いです。長年やっていますので、リピーター口コミのお客様にたくさんお越しいただいています

9割の宿泊客が訪日外国人。受験生や日本人ビジネスマンも受け入れ

宿泊客の1割が日本人のお客様です。立教大学が近いので、受験シーズンになると多くの受験生が宿泊してくれます。ビジネスでご利用の出張の方もいらっしゃいます。

のこり9割は訪日外国人のお客様です。各国のお休みの時期によって、宿泊客の国籍の割合は変化するのですが、タイマレーシア香港といったアジア圏の方が目立ちます。アメリカオーストラリアからのお客様も多いです。

▲シンプルながらも使いやすいレセプション。スタッフは全員英語を話す。
▲シンプルながらも使いやすいレセプション。スタッフは全員英語を話す。

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スタッフも多国籍。全員、英語を話します

訪日外国人のお客様の対応については、スタッフ全員英語を話しますので、まず問題ありません。また、スタッフにはスペイン人、マレーシア人、韓国人、フランス人、タイがいますので、彼らの母語での対応もできますし、中国語ができるスタッフもいます。

ところが、以前英語も日本語もお話しにならないロシアからのお客様の対応には苦慮しました。翻訳アプリを使ってなんとか意思疎通をしましたが、たいへんでした。

合宿にも向いている? 様々な部屋のタイプ

部屋はシングルやダブルのほか、ファミリールームや和室、ドミトリーがあります。池袋には空手の道場があるのですが、大会のシーズンになると、まるで合宿所のようになります。空手道場から予約が入るということではなく、それぞれ個々にお申込みいただいてサクラホテル池袋で落ち合うということのようです。

▲リーズナブルに宿泊したい旅行者に人気のドミトリー。1ベットにつき1泊3,300円
▲リーズナブルに宿泊したい旅行者に人気のドミトリー。1ベットにつき1泊3,300円

荷物預かりは無料。サクラホテルを起点に旅をする人も

レセプションの前にバゲッジルームがあり、荷物預かりのサービスもしています。一週間くらいまでなら、無料で預かっていますので、お客様によく驚かれます。

そのほか、荷物の受け取りもしますし、宅急便での発送もします。新幹線などでは荷物置き場がないので、あらかじめ次の訪問先に荷物を送る方もいます。それに、日本に到着したら、まずここに宿泊して、大きな荷物を置いて地方を旅行する方も。サクラホテルを起点として使っている訪日外国人もいます。

SNSとブログは日本語と英語で毎日発信

新規のお客様は口コミが多いです。それも口コミサイトではなく、友人や同僚からといったリアルな口コミです。それに、SNSなどで、実際にサクラホテルに宿泊した方が、ハッシュタグをつけて情報発信してくださる力が大きいです。

サクラホテルでは、自分たちでできるだけのことはしようというスタンスで、スタッフ内で当番を決めて、SNSとブログを日本語と英語で毎日アップするようにしています。記事のネタを探すのがたいへんです。

▲バゲッジ預かりは無料
▲バゲッジ預かりは無料

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まとめ

サクラホテル池袋の稼働率は、およそ9割。年間を通してコンスタントに世界中からサクラホテルを目指して宿泊客がやってきます。特筆すべきは、訪日外国人の間のリアルな口コミです。すべての宿泊客がインフルエンサーともいえます。英語が通じる、荷物預かりをしてくれるなど、サクラホテルの選ばれ方はシンプルです。訪日外国人にとって必要なものがそろっている。これがサクラホテルの強みでしょう。


<参考>

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

<こんな方におすすめ>

  • インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
  • 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
  • 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
  • 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生

「THE INBOUND DAY 2025」特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年5月後編】2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に5月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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2025年の訪日客数「4,500万人」へ、観光庁長官の見解は? / 2025年訪米旅行者支出「125億ドルの損失」予想 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年5月後編】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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