今や桜は、日本人のみならず、世界中の旅行者にとっても魅力的な日本の重要な観光資源の一つになっています。中国では、2016年「爆買い」ならぬ「爆花見」という新語が誕生するほど、多くの外国人観光客が桜を鑑賞するために日本にやってきています。
華字紙・中文導報の記事によると、今シーズンは、100万人ほどの訪日中国人が予測されているそうです。また他にも、英語の桜開花マップなどが紹介されたり、開花について多言語で観光情報サイトやSNSから情報収集できたりと外国人の間で話題となっています。
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例年より早い開花に、外国人の反応は?
今年の東京都心における桜開花は、3月21日(木)と気象庁が発表し、平年よりも5日早い開花日となりました。この平年よりも早い開花について、「来週まで咲いていてほしい」という声がある一方で、開花と満開の違いについて、ネット上では外国人から疑問の声も上がっているようです。
1月10日に日本気象は「今シーズンの桜開花は平年よりも早まる」との発表をしました。これを受け、JNTOをはじめとしたインバウンド向け情報メディアは、桜開花予想についての情報を発信してきました。
一方で、外国人にとっての「開花」は、「満開」のイメージを持っている人も多くいるようで、「見頃は来週になりそうだ」や「まだ蕾ばかりでが残念」などの開花に対する疑問の反応や悲しみの声が見受けられました。「開花」と「満開」の時期を反映した情報やリアルタイムでの情報発信は、外国人観光客にとって有益な情報になることでしょう。
SNS上での日本の桜に対しての口コミは?
例年よりも早い桜開花でも、桜を楽しんでいる投稿が上がっています。
Twitter:日本の桜に関する英語の投稿(https://twitter.com/gws_luvs/status/1110965176893878272)
Twitter:日本の桜に関する英語の投稿(https://twitter.com/carolyn_mcglynn/status/1110190674140368899)
Twitter:日本の桜に関する英語の投稿(https://twitter.com/robothell/status/1108505287990931459)
インバウンド向けメディアの開花予想は?
1月15日、ジャパンタイムズは通常よりも早い開花予測についての記事を投稿しました。この記事はFacebook上で3万以上のシェアを集めるなど大変な注目を集めました。
開花宣言予想のSNS投稿コメント欄には、これから日本旅行を予定している人をタグ付けし、この平年よりも早い開花予測をシェアしている様子が多く見られました。
ユーザーの反応の中には、「大阪は東京よりも暖かいのに、東京の方が早いのか」「北海道はいつ頃咲くのか」「東京で3月末は間に合うか」など自身の旅行先の具体的なエリアごとの開花予想の情報を求める声もあり、一般的に多くの旅行者が予約する時期(旅行から2〜3ヶ月前)に合わせた情報発信が重要になってきています。
インバウンド向けメディアの開花予想
日本政府観光局(JNTO)も、桜開花の特設ページを英語や中国語、韓国語で桜の開花、満開日予測を紹介しています。
多くのインバウンド向けメディアは、WEBサイト記事上で、基本情報とともに開花予想を定期的にアップデートし、そのタイミングでFacebookなどのSNSで最新更新を拡散してます。
<参照:THE BLOOM OF 2019 CHERRY BLOSSOMS>
各インバウンド向けメディアも、1月に発表された日本気象を受けて、更新しながら情報を提供しています。
■ジャパンタイムズ(1月10日発表)
- 仙台 4/9
- 東京 3/22
- 名古屋 3/22
- 大阪 3/27
- 福岡 3/20
■LIVE JAPAN(3月25日更新)
- 札幌 5/1(5/5)
- 仙台 4/3(4/8)
- 東京 3/21(3/29)
- 新潟 4/5(4/9)
- 名古屋 3/22(4/1)
- 京都 3/25(4/2)
- 大阪 3/27(4/3)
- 福岡 3/21(3/29)
■Japan Travel Guide(3月20日更新)
- 札幌 4/28
- 青森 4/20
- 福島 4/3
- 東京 3/21
- 横浜 3/21
- 長野 4/10
- 金沢 3/31
- 京都 3/24
- 大阪 3/26
- 広島 3/23
- 福岡 3/20
そもそも外国人観光客の桜需要は?
上述した華字紙・中文導報の記事によると、今年の桜シーズン訪日中国人数は100万人ほどと予測されているそうですが、中国オンライン旅行会社Ctrip(シートリップ)では、訪日花見に関するツアー商品が数多く販売され、人気を集めているようです。
また、中国SNSの口コミ分析会社の中国トレンドExpressによると、昨年の中国ネットユーザー間の日本の花見に関する口コミ数は、前年に比べ2倍以上あったようで、関心の高さがわかります。
そのほかの国についても、日本旅行目的のランキングで、3〜4月は「桜鑑賞」が毎年ランクインしています。
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外国人観光客に有名な桜の名所は?
東京都内では、目黒川や千鳥ヶ淵公園、上野恩賜公園、新宿御苑などが人気を集めています。早咲きで知られる静岡県の河津桜も、中国での認知度を高めており、適切なタイミングで訪日している訪日客も多くなっているようです。
また、自分たちが行く観光地近くの桜名所を調べて、桜鑑賞と観光両方を日程に組み込みながら、旅行を満喫する観光客も見られます。
情報提供ツールの活用方法を見極めよう!
桜の開花予想のような「旬・季節」「鮮度」が大切な情報は、訪日中のスケジュール行程に大きく影響を与えます。インバウンド客にとって非常に重要、かつ需要が高い情報となります。そのため、今回の急な開花や満開に振り回され、花見を楽しみに来たものの桜を楽しめないという事態が発生しうるでしょう。
WEBサイト上では、「基本情報とある程度の予測」(守り発信)、そしてFacebookやTwitterなどの拡散SNSでは、「リアルタイム情報と更新情報」(攻め発信)といったように情報の中身によってツールを使い分けて、外国人観光客になるべく正確で、リアルタイムな事前情報発信を届けるSNS運用が重要です。
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