JNTO(日本政府観光局)が発表したデータによると、2018年1~11月に日本を訪れたタイ人観光客数は1,003,800人であり、過去最高を記録しました。
タイ人観光客が急増している背景のひとつとして、ビザの緩和が挙げられます。2013年には、15日以内滞在に必要なビザが免除となったことが、タイからの観光客が増えた要因となっています。スワンナプーム国際空港からは、羽田空港や成田空港までの直行便も就航しているため、以前よりも日本へアクセスするハードルが低くなっています。
そこでこの記事では、訪日タイ人が利用する観光メディアについて解説していきます。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
訪日タイ人市場の特徴・インターネット利用状況
訪日タイ人は約100万人、6割が女性
2017年は98.7万人のタイ人が日本を訪れ、2018年には史上初となる100万人を超えています。また、「観光庁消費動向調査 2017年年間値の推計」によれば、日本を訪れたタイ人観光客のうち、男性が39.2%、女性60.8%。観光客数のうち6割を女性観光客が占めています。
北海道が人気
日本の最北端に位置する北海道は、日本を訪れるタイ人観光客に人気のエリアです。「観光庁消費動向調査2017年年間値の推計」における都道府県別訪問率によれば、タイ人は12%となっています。
日本の豪雪地域に指定されている北海道は、真冬の2月には3mを超える積雪が観測される程豊富な雪に恵まれています。タイの年間平均気温は29℃であり雪が降らないことから、タイ人にとってパウダースノーを堪能できる北海道は一度は訪れてみたい観光スポットです。 タイ不動産大手が、世界屈指のパウダースノーを誇るスノーリゾート「キロロスノーワールド」に100億円を投資し大規模改修をしたことも話題となっています。
タイ人の旅行スタイルの特徴については、下記の記事をご覧ください。
訪日タイ人の特徴・国民性・旅行スタイル
2013年のビザ発給要件緩和以降、円安効果とバーツ高効果もあり、近年急激にインバウンド消費において存在感を放つ訪日タイ人観光客。中国や台湾をはじめとした訪日ブームが加速している東南アジアの中でも、成長率が最も著しい国の一つです。タイは熱帯に位置しているため、年間を通じて気温が30℃ぐらいが平均です。
お菓子
「観光庁消費動向調査 2017年年間値の推計」によると、日本を訪れたタイ人観光客の買い物代のうち70%が「菓子類」となっています。現に、宿泊料金が4万803円であるのに対し、買い物代が5万6133円という結果が出ています。買い物代の内訳としては、日本でしか買うことのできないキットカットの抹茶味やグリコのポッキー、ロッテのトッポなど有名なお菓子に人気が集中しているようです。
タイのインターネット利用状況

訪日中は「スマホが役に立った」:66%
観光庁消費動向調査の2017年「2017年年間値の推計」※確報値「集計結果」によると、「訪日中に役に立った情報源」として「インターネット(スマートフォン)」が66%でした。世界平均(69.9%)よりは低いですが多くのタイ人が訪日中にインターネットを利用しています。
タイ人の82%「Digital in 2018 in Southeast Asia Part 1 - North-West」によると、タイ人の82%がインターネットを利用しているとされています。インターネットを利用する人は、1日のうち平均9時間38分をインターネットの閲覧に時間を費やしているほか、90%以上もの人が毎日利用しています。
タイの観光メディアは集客に効果ある?選ぶ際のポイントは?
多くのタイ人がインターネットによって情報収集を行っていることから、観光メディアにPR広告を打つ、あるいはタイアップ記事を寄稿することによって、ユーザーの目に留まるようになります。結果として、自社のサービスや製品の認知度をアップさせ、集客を見込めます。
1. メディアの認知度
駅構内の自動発券機や地方の宿泊予約サイト、観光情報サイトなどでも、タイ語表記が増えはじめています。メディアそのものの認知度というよりも、サイトがタイ語対応になっているか、ニーズに訴求したコンテンツになっているかなどが、認知度をあげる重要なポイントです。
2. メディアの内容
訪日タイ人向けメディアのテーマやコンセプト、コンテンツの内容も気をつけておくべきポイントです。タイ人は、『名探偵コナン』『ONE PIECE』といった日本でも人気のアニメ文化への興味関心が高い傾向にあります。
そのため、漫画やアニメコミックが充実している秋葉原や、アニメの舞台をめぐる聖地巡礼ツアー特集などもユーザーに刺さるコンテンツとなるはずです。
タイ向け観光メディア2選
1. Chill Chill Japan
「Chill Chill Japan」は、2015年12月に開設した人気No.1のタイ向け訪日旅行メディアです。月間110万PVを突破しており、日本でのショッピング情報やグルメ、交通手段などの「日本旅行」に特化した情報が充実しています。
2. Trippino HOKKAIDO
繰り返しになりますが、タイ人からもっとも人気を集める観光エリアは北海道です。そのため「Trippino HOKKAIDO」というタイ人の北海道での観光に特化したメディアがあり、SNSやウェブサイトで旅マエから旅アトまでサポートしています。
最大の特徴は、徹底的にローカルに特化したコンテンツです。日本のプロダクトではなく、オリジナルで必要な機能や言語をカスタムすることができ、観光名所だけでなく飲食店や宿泊施設も検索することができます。
タイの観光メディアを利用して効果的なマーケティングを
タイ人が日本の何に興味を持っているのかを徹底的にリサーチすることで、効果的なマーケティングやアプローチができるようになります。自社に合った観光メディアを利用して、訪日タイ人に向けた効果的なマーケティングを行いましょう。
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
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- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
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詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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