【海外の反応】新元号は令和に決定!ドイツ紙「”令和”はひどいナショナリズムのメッセージ」と言われるワケ・由来・賛否まとめ

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

2019年5月1日から新元号「令和」となりました。新元号が発表された際には国内だけでなく海外でも話題になり、各国の新聞やニュースにとりあげられました。

しかし海外では、日本国内での祝賀ムードとは対照的に「令和」に対して「ひどいナショナリズムだ」と厳しい目を向けるメディアもあるようです。

そこで今回は「令和」に対する海外の反応を紹介します。

新聞・ニュースなどのメディアだけでなく、一般の人々がどう思っているのかについても紹介していきます。

【海外の反応】国別:改元ごとの各国の反応「平成・昭和・大正」の由来、英訳と元号に対する反応まとめ

5月1日の令和への改元をきっかけに、世間では元号に対する注目度が高まりました。日本で学校に通い仕事をしている人ならなじみのある元号ですが、一方でそれぞれの元号にどのような由来や語源があるのかを理解している人は多くありません。この記事では、平成や昭和、大正、明治などの近代以降の元号が表す意味や由来、元号に対する海外の人々の意見や意識について解説します。目次そもそも元号とは?「平成」の由来・意味「昭和」の由来・意味「大正」の由来・意味「明治」の由来・意味【海外の反応】国別、新元号「令和」への反...

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

令和の意味と由来|史上初の漢籍出典でない元号

2019年4月1日、新元号「令和」が発表されました。令和の由来となったのは『万葉集』。万葉集は奈良時代末期に成立した日本最古の和歌集です。

首相官邸の公式サイトにおいても「万葉集の文言から引用」としています。以下の部分が引用されています。

「初春令月、気淑風和、梅披鏡前粉、蘭薫珮後之香」
初春の令月(れいげつ) にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す。

現代語訳では、

「天平2年1月13日、大宰の帥の邸宅(太宰府)で観梅の宴会を開いた。時はあたかも新春のよい月、空気は美しく風はやわらかに、梅は美女の鏡の前に装う白粉(おしろい)のように白く咲き、蘭は身を飾った人から香るような高貴なかおりをただよわせている。」という意味になります。

この序文は天平2年1月13日に、太宰府の長官である大伴旅人の邸宅で開かれた宴の様子を表しています。

令和は先ほど紹介した「于時初春令月氣淑風和(時に初春の令月にして気淑く風和ぎ)」の部分から取られました。

安部首相も、令和の意味について「令和には人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つという意味が込められている」と述べています。

令和以外にも新元号の候補が5つありました。英弘(えいこう)、久化(きゅうか)、広至(こうし)、万和(ばんな)、万保(ばんぽう)があげられていました。

長い日本の歴史において使用された元号は実に250近いということですが、これまではすべての元号が漢籍(中国の書物)から名づけられていました。

今回、史上初めて元号が日本の古典から引用されたということで、その反響は海外でも大きかったようです。

新元号「令和」外国人の興味は?台湾報道は「新平成・平成第二章」と大胆予想

2019年4月30日に予定される天皇陛下の退位に向けて、本日2019年4月1日「平成」に変わる新元号として「令和」を発表しました。「元号」の制度は、台湾・中国などの東アジアを中心に海外でもよく知られており、ここ数日でWEBメディアやテレビ局での報道が続いているようです。特に台湾では1時間以上の特集番組が組まれるほど注目度が高く、新元号の予想ランキングとして「新平成」「平成第二章」などインターネット上で話題となったジョークランキングを交えつつ紹介するほどです。この記事では、新元号とインバウン...

令和の読み方と英語表記

新元号「令和」は、「れいわ」と読み、248番目の元号となります。アルファベット表記は「Reiwa」となり、頭文字の「R」が使用されます。

英語表記では、「beautiful harmony(美しい調和)」と表記すると外務省から発表されています。

【海外の反応】新元号・令和は「…いい名前だ!」、一方東アジアでは反発も

以下で、欧米、東アジアの反応を、それぞれの地域での生の声も交えながら紹介します。欧米ではおおむね好評でしたが、東アジアや欧州の一部の国では反発も見受けられました。

欧米での反応|goodやpeaceという意味合いに好感を持つ

以下ではイギリス、アメリカ、ドイツの反応について主に説明します。上段に令和の英訳を、下段に意味についてどうとらえているのか紹介します。

【イギリスのBBC放送】
英訳:Order and Harmony(秩序と調和)

意味:「令」は指令や命令の文字として使われているが、一方で「auspicious(縁起が良い)」「good(良い)」としても使用できます。和には「harmony(調和))「peace(平和)」などの意味があります。

【イギリスのロイター通信】

英訳:言及しませんでした。

意味:令は「command(指令)」の意味でよく使われていますが、「good(良い)」など肯定的な意味もあります。和は「peace(平和)」や「harmony(調和)」の意味があります。


【アメリカのAP通信】

英訳:Pursuit of Harmony(調和を希求する)

意味:令は「good(良い)」や「beautiful(美しい)」、和は「peace(平和)」や「harmony(調和)」、「mild(優しい)」などの意味があります。

【アメリカのニューヨークタイムズ】

英訳:Order and Peace(秩序と平和)、Auspicious Harmony(縁起が良い調和)

意味:令は「order(秩序)」や「law(法)」などの意味があります。和については言及しませんでした。

「令」の意味に注目が集まっていますが、基本的には「good」など良い意味として受け止められています。

【ドイツ】

ドイツ語では「Schöne Harmonie(美しい調和)」「Harmonie, Ordnung und Frieden(調和、秩序、平和)」「Guter Frieden(よい平和)」などと訳されています。

SNSなどでは新元号に関する感想も見られました。

「令和ね…いい名前だ!」「すごくポジティブなネーミングだし、漢字の意味もいいよね」といった「令和」選定への感想から「日本人は、平成に慣れたと思ったらもう令和が始まっちゃうよ……って嘆いてるんじゃない?」などと今回の改元を茶化すような投稿も見られましたが、おおむねドイツ国民の間で「令和」は好評のようでした。

Twitterに投稿された新元号「令和」に対するドイツ語のコメント
▲新元号「令和」に対するドイツ語のコメント:Twitterより訪日ラボ編集部スクリーンショット

Twitter:新元号「令和」に対するドイツ語のコメント(https://twitter.com/klopfersweb/status/1113768274603466752)

また、動画サイトYouTubeには、ドイツ人向けに「令和」の意味を紹介する動画も投稿されています。

「Das neue japanische Zeitalter heißt "令和 (reiwa)"(新しい日本の時代は”令和”)」と題したこの動画は、Kevin Capitoというドイツ在住の大学生が作成したものです。彼は日本人の妻を持ち、大学で現代日本や日本の哲学について学んでいます。

動画の再生回数は4,000回を超え、84件のコメントが寄せられています(記事執筆時点)。

▲[「Das neue japanische Zeitalter heißt "令和 (reiwa)"(新しい日本の時代は”令和”)」動画へのコメント]:YouTubeより引用
▲[「Das neue japanische Zeitalter heißt "令和 (reiwa)"(新しい日本の時代は”令和”)」動画へのコメント]:YouTubeより引用

しかし一方で、ドイツ国内の一部メディアでは「令和」を批判する見方もあるようです。

批判されているのは、今回の新元号選定にあたり、日本が初めて中国ではなく自国の古典を使用したことです。
▲[Japans Regierung nennt Ära des künftigen Kaisers "Reiwa"(日本政府が来たるべき天皇の時代を”令和”と命名)]:Süddeutsche Zeitung(南ドイツ新聞)
▲[Japans Regierung nennt Ära des künftigen Kaisers "Reiwa"(日本政府が来たるべき天皇の時代を”令和”と命名)]:Süddeutsche Zeitung(南ドイツ新聞)

一部のドイツ紙・メディアは「新たな元号は『ナショナリズムへの回帰』の表現だ(南ドイツ新聞)」「美しい詩の裏には醜いナショナリズムのメッセージがあった(taz)」と今回の改元を痛烈に批判しており、海外から「令和」に向けられるまなざしの中には厳しいものもあるようです。

ただ、「外国語の文学の代わりに自分たちの文学を使ったらナショナリズムになるのか?」とこの見方を疑問視するコメントも投稿されています。

また前述した通りSNSなどではネガティブな意見はほとんど見られませんでした。「令和」をめぐっては、一部メディアと多くの国民の間に意見の相違があるようです。

東アジアでの反応

東アジアからは反応の大きかった韓国、台湾、中国を紹介します。

【韓国】

韓国では、令和に対する反応が以下の3つにわかれています。

  • 元号の制度を初めて知った
  • 「令」という字が「零」と同じ発音のため、零戦をイメージしてしまう
  • 新しい時代が始まることで、日韓関係が良くなることを願う

韓国には元号の制度がありません。そのため日本に元号が存在することを今回の報道で初めて知ったという人が、全体の3分の2を占めていました。

また「太平洋戦争で使用していた戦闘機『零戦』をイメージさせる」など好意的ではない印象を抱いていることもわかります。

しかし多くの人は日韓関係が良くなることを願うなど、基本的には良いイメージを抱いています。

関連記事
韓国ネット「令和の『令』は『零戦』を想起」と批判の声 新時代の日韓関係に期待との反応も

【台湾】

台湾では、ニュース番組で日本の新元号に関する特番が組まれるほど新元号に対する高い注目が集まりました。

また台湾では、日本の新元号の予想ランキングも作成されていました。ランクインした予想には、新平成、平成第二章、大福など、冗談を含んだものも発表されています。

このように、台湾では日本の新元号について、おおむね肯定的に捉えられていることがわかります。

関連記事
新元号「令和」外国人の興味は?台湾報道は「新平成・平成第二章」と大胆予想 | インバウンドへの影響は

【中国】
中国では新元号に対して、参考元が中国の古典でなかったこと、そして万葉集の序文が中国の古典に似ているとして注目が集まりました。

中国共産党系メディアでは「万葉集と中国の古典には切っても切れない関係がある」と報じています。

しかし、中国SNS微博(ウェイボー)ではおおむね好意的な反応でした。

関連記事
番外編:令和への反応は?
「令和」に中国ネット民の反応は「元をたどれば中国」「平成のホームズ目指す工藤新一(名探偵コナン)に残された時間はわずか」


このように新元号をきっかけに日本に興味を持つ外国人は、今後も増える可能性があります。

訪日外国人が増えるきっかけになる可能性もあるため、今後も報道の動向に注目が集まりそうです。

海外にはさまざまな意見あり、訪日外国人受け入れの際も意識を

改元の直前にはゴールデンウィークが始まるということもあり、現在日本国内は祝賀ムードに包まれています。

しかし海外に目を向けてみると、今回の改元に関してはさまざまな意見があることがわかります。

訪日外国人を受け入れる際もこのように、海外には日本にある考え方とは異なる考え方をする人がいるということを意識できるとよいでしょう。

<参照>
AP通信:New Japan era to be called ‘Reiwa,’ or pursuing harmony
BBC:Japan reveals name of new imperial era will be 'Reiwa'
NHK:新元号原案「英弘」「久化」「広至」「万和」「万保」
NHK:新元号は「令和」 出典は「万葉集」
国文学研究資料館:『万葉集』巻五「梅花歌三十二首并序」
ニューヨークタイムズ:Japan’s New Era Gets a Name, but No One Can Agree What It Means
ロイター通信:Explainer: Japan new imperial era name, Reiwa - Origins, Selection, Meaning

中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】

短時間でインバウンドが学べる「訪日ラボ トレンドLIVE!」シリーズの第6弾を今月も開催します!訪日ラボとして取材や情報収集を行う中で、「これだけは把握しておきたい」という情報をまとめてお伝えするセミナーとなっています。

今年も残りわずかとなりましたが、インバウンド需要はまだまだ好調をキープしている状況です。来年の春節や桜シーズンなど、訪日客が集まる時期に向けて対策を練っていきたいという方も多いでしょう。

今回もインバウンド業界最大級メディア「訪日ラボ」副編集長が、10〜11月のインバウンドトレンド情報についてお話ししていきますので、ご興味のある方はぜひご覧ください。

詳しくはこちらをご覧ください。

中国SNS「RED(小紅書)」最新情報セミナー:訪日ラボ社内勉強会の内容を特別に公開します【訪日ラボ トレンドLIVE! Vol.6】

【インバウンド情報まとめ 2024年11月前編】UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に11月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

UberEats ロボット配達開始、万博需要見すえ大阪で:インバウンド情報まとめ【2024年11月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに