「令和」に中国ネット民の反応は「元をたどれば中国」「平成のホームズ目指す工藤新一(名探偵コナン)に残された時間はわずか」

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平成最後の1週間が始まります。ゴールデンウィーク期間はお隣の中国でも連休が予定されており、日本旅行を予定している中国人も多いようです。ゴールデンウィーク中に「令和」への改元を迎える日本ですが、中国人はどのように見ているのでしょうか。

中国の主要SNSであるWeChatWeiboから、中国人ネットユーザーの感想を拾ってみました。

WeChat (微信:ウィーチャット) とは?ユーザー10億超え人気中国SNSの概要・インバウンド対策事例

「WeChat(微信:ウィーチャット)」は、中国の大手IT企業「テンセント社が提供するSNSアプリ」です。2018年10月時点の月間アクティブユーザー数は10億を超え、世界でもトップクラスにユーザーが多いアプリです。この記事では、WeChatの機能や使い方、中国人のユーザーが多いWeChatを活用したインバウンド対策を実施している企業の活用事例を解説します。関連記事WeChatとは? 基本機能と使い方WeChat(微信)のアカウントID登録方法目次WeChat(微信、ウィーチャット)とは?...


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万葉集が出典といえども「日本文化はさかのぼれば中国に端を発したものばかり」

まずはWeChat内でメルマガやクーポンを配信するWeChatパブリックアカウント」(微信公衆号)の一つで、日本動向を発信しているものをチェックしてみます。

日本史上初めて漢籍出典でない元号に

新元号「令和」の名づけの由来は『万葉集』の梅花(うめのはな)の序文だと言われています。万葉集は日本最古の和歌集で、奈良時代末期に成立しています。

『万葉集』の梅花の歌には、「初春の令月にして、気淑(うるわ)く風和(やわらぎ)ぎ」という部分があります。意味は、初春の縁起の良い月に、空気もうららかで風も穏やかだ、となります。

令和がこれまでの元号と異なるのは、日本史上初めて漢籍(中国の書物)から名付けたものではなく、日本の古典から名付けたものである点です。首相官邸のホームページにおいても「万葉集の文言から引用」としています。

中国人「もとをたどれば中国」も冷静に自分を振り返る姿も

これについてWeChatパブリックアカウントのあるメルマガでは「万葉集の中の『令月』の表現は中国の古典にもっと古くから見られていた言葉で、梅花の歌はこの語を使って作られたにすぎない」とする日本人の発言を紹介し、やはり漢籍からの名付けであるようだと伝えます。

その根拠として、作者とされる大伴旅人(おおとものたびと)は中国の古典にもあかるかったことが挙げられています。また実際に、中国の古典には梅花に似た歌が残っています。

メルマガでは「中国古典から逃れて独自の元号を名付けることはできないのだ」と筆者の感想が漏らされています。

※『万葉集』の梅花の序文の作者は大伴旅人(おおとものたびと)ともいわれていますが諸説あり、作者不明とされているそうです。

この記事のコメント欄には「元号という制度そもそもが中国のものですよね」「日本は伝統を大事にしている。中国はすごいスピードで発展しているけど同時に伝統を失っていっている」「中国人だけど、こういう漢籍のことはわからない(苦笑)」と、中国文化の日本への影響力の大きさだけでなく、いろいろな方面に思いをはせたり、自分自身を冷静に評価するユーザーの姿が見えてきます。

さらには「日本と古来の中国の文化は切り離せないです、日本が丁寧に保存してくれている唐代の資料が、中国での研究にも役立っています」と、日本の国民性をほめるかのようなコメントも見られました。

「元号という制度がそもそも中国由来のものでしょう」「中国人だけど漢籍についての知識なかったよ」
▲「元号という制度が中国由来のものでしょう」「中国人だけど漢籍についての知識なかったよ」

また「中国語にも日本から輸入した言葉がある。中国の古典について学者でも中国人より日本人の方がが詳しい場合もある」として、日本人の古来からの世界的な活躍を説く持論も展開しています。

中国語にも日本から輸入した言葉がある、と主張するコメント
▲中国語にも日本から輸入した言葉がある、と主張するコメント

Weiboでは「平成のホームズはどうなるの」の声

続いてWeiboを確認してみましょう。Weiboは中国版Twitterであり、不特定多数に向けて主に数百文字程度の短文と画像を発信するSNSです。

Weiboとは?基本情報はこの2本を読めばわかる!

【中国版Twitter】Weibo(微博/ウェイボー)最新情報まとめ!SNSとしてのWeChatとの最大の違いはコンテンツのリーチの大きさ、

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【中国版Twitter】Weibo(微博/ウェイボー)活用のための基礎知識 ~利用シーンと公式アカウントの分類、広告のタイプをおさえる~

こんにちは、クロスシー編集部です。前回は現在7億ユーザーを有するWeiboについて、基本構造・SNSとしてのWeChatとの違い・2017年のユーザー構成の変化を紹介しました。WeChatと異なりリーチが広いことや、ユーザー構成においては性別・年齢・地域ともに偏りのない状態を実現しつつあり、引き続きインバウンド需要取り込みにおいて重要な地位を占めるSNSとなることが確認できました。続く本編では、ユーザーがWeiboを利用する目的と、Weibo上で可能な具体的な露出の施策をご紹介します。関連...

Weiboでの「令和」関連の口コミには「令和最初のウルトラマン」「菅官房長官と同じスタイルで『令和』の文字をかかげるポプテピピックのキャラクター」などが見られ、日本のアニメや映像作品への関心の高さと元号への関心がリンクしている様子がうかがえます。

また、中国人に人気の漫画・アニメ作品である「名探偵コナン」の有名なセリフと彼の立場を心配する声が多く見られました。

主人公で江戸川コナンの正体である高校生工藤新一は「平成のホームズ」になることを夢見ていますが、平成が終わる今、今後はこのシーンは「令和のホームズ」と描き換えられてしまうのか、という予測がされています。

さらに平成が終わることを受けて「(平成のホームズを目指す)工藤新一に残された時間はわずか」のハッシュタグには5.9万もの投稿が集まり、3.2億PVをたたき出しています。(2019年4月23日現在)

「工藤新一に残された時間はわずか」に関連した投稿の一つ。いいねは4万件、リツイートは約9,400件、コメントは約3,450件
▲「工藤新一に残された時間は少ない」に関連した投稿の一つ。いいねは4万件、リツイートは約9,400件、コメントは約3,450件


まとめ:時事ニュースは中国人的感性を理解する絶好の機会、インバウンド集客への応用も

日本の元号「令和」への改正について中国での反応を見てみると、中国人の着眼点や感性が浮かびあがってきます。今回紹介したWeChatで配信されらコンテンツからは、自国の文化に誇りを持ちながらも他国の文化を高く評価し、同時に変化する中国社会を冷静に見つめる中国人の姿が見えてきました。

またWeiboの口コミからは「アニメ」「漫画」への強い関心が見られました。

インバウンド市場における訪日中国人観光客の需要取り込みにおいては、こうした中国的感性を踏まえたプロモーションの展開やメッセージの発信が、実際の集客はじめ大きな成果につながるはずです。


〈参照〉

Weiboには日本人芸能人や実業家も多数進出中。「キムタク」「前澤社長」の事例を解説しました。

キムタクWeibo開始で中国ネットが騒然、わずか2日で36万フォローの大反響/日本人芸能人・有名人が次々と中国SNSに進出する理由

12月22日、中国SNSのWeiboに日本のトップアイドル「キムタク」こと木村拓哉氏がアカウントを開設し、中国スターのShowLo(羅志祥)の熱烈歓迎と合わせて中国のインターネット上で大きな話題となりました。(本文中の数字はすべて24日16時時点です)関連記事Weiboの人気日本人アカウントWeibo日本人ランキング2019ZOZO前澤氏がWeiboで発信する理由Weiboにキムタク登場、2日で36万フォロー目次キムタク登場の衝撃、大ファンShow Loの熱烈な歓迎ユーザーを拡大する「中国...

ZOZO前澤氏

今最も日本で「アツイ」実業家の一人といえば、株式会社ZOZOの前澤友作氏ではないでしょうか。ファッション通販サイトのZOZOTOWNのサービスだけでなく、自身の美術品のコレクションや資産の多さなど、話題に事欠きません。Twitterのフォロワー数は45万人を超えていますが、実は先日中国のSNS、Weiboもスタートしました。Weiboは開設から約1か月の2018年10月現在、フォロワーは4.9万人まで増えています。中国での前澤社長の評判、そして短時間にファンを獲得した理由について探りました...

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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