2018年の訪日外国人客数は史上初めて3,000万人を超え、国別では838万人訪れたトップの中国に続き、韓国が754万人で2位という結果になりました。この数字は全訪日客数のおよそ4分の1にあたり、いかに日本を訪れる韓国人観光客が多いかがうかがえます。
そんな訪日韓国人の誘致に欠かせないツールが韓国語翻訳ツールです。韓国語ができなくても、翻訳ツールはさまざまな場面で強力なインバウンド対応の助っ人になるでしょう。
先日、Googleからカメラをかざすだけでテキストを翻訳・音声読み上げしてくれる機能が「Googleレンズ」に追加されたことが発表され、にわかに多言語対応・翻訳・言葉の壁に関する話題が盛り上がりをみせている今、サービス業界での実際の訪日韓国人対応の事例と、精度の高いおすすめの翻訳サイトを紹介します。
【訪日ラボは、8月5日にインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025」を開催します】
会場での開催に加え、一部講演ではオンライン配信(参加費無料)も実施!さらに、チケットを購入した方限定でアーカイブ配信も予定しています。
ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。
中国人観光客数に迫る勢いで急増する訪日韓国人観光客
訪日韓国人観光客は、年々増加し中国人観光客数に迫る勢いです。日本を訪れる韓国人観光客数の推移と特徴について見て見ましょう。
訪日韓国人観光客数は5年で3倍近く増加/背景に円安?
2014年の訪日韓国人数は275万人で、5年間で3倍近く増加しました。2018年まで右肩上がりの伸びを続けています。
訪日韓国人が増えているのにはさまざまな理由が考えられますが、特に近年は円安ウォン高が続いているのもその一つでしょう。
また日本は、2020年の東京オリンピックまでに4,000万人の外国人観光客を誘致するという目標を掲げ、現在国全体で取り組みを進めています。交通機関や宿泊施設の案内看板などの多言語化など、外国人向けの観光インフラ整備が徐々に整いつつあることも、理由として挙げられます。
短期間で日本旅行を楽しむリピーターが多い傾向
訪日韓国人観光客の特徴は、滞在日数が少ないことと、リピーター率が高いことです。
観光庁の調査によると、2018年に日本を訪れた韓国人観光客のうち、92.6%が6日間以内で滞在を終えたと回答しています。また、訪日韓国人のうち71.2%がすでに訪日経験があり、10回以上訪れたことがあるというヘビーリピーターも14.7%いることがわかりました。
地理的に近い日本には週末に遊びに来ることもでき、訪日韓国人のなかにはLCCを利用して短期間で何度も日本を訪れている人もいると考えられます。
サービス業界で求められる韓国語対応
訪日韓国人観光客が急増している昨今、彼らと接する機会の多いサービス業では韓国語での対応が求められる場面が多くあります。言語面での対応を実施している企業の事例を紹介します。
日本最大級のグルメサイト「食べログ」は韓国語や英語・中国語に対応し集客アップ
株式会社カカクコムが運営するグルメサイト「食べログ」は「食べログ JAPAN RESTAURANT AWARD 2016(食べログ ジャパン レストラン アワード)」の外国語版サイトを制作しました。
これは、ユーザーの投票により日本で最もおいしいレストラン50店舗をランキング形式で紹介するという試みです。外国人観光客や在住外国人向けに英語・中国語・韓国語の3か国語でランキングを紹介しました。
「食べログ」では、ユーザーの口コミや評価を反映したレストランランキングの外国語対応もしています。日本全国にある約83万店のレストランの膨大なデータベースから、外国語でもエリア・料理ジャンル・一人あたりの予算や用途など、項目を絞って希望に合ったお店を簡単に探せることと、インバウンド需要の高まりから多くのユーザーに利用されています。
ホテル宿泊予約サイトのアプリ「Relux」でも韓国語に対応
ホテルの宿泊予約サイト「Relux(リラックス)」を運営する株式会社Loco Partnersは、同サイトのiOS、Androidアプリの外国語対応を開始しました。Reluxは、全国の宿泊施設に精通した審査委員会のメンバーが厳選した一流旅館とホテルのみを紹介する会員制の宿泊予約サービスです。
Reluxでは、訪日旅行事業を開始して以来、会員数を順調に伸ばし2016年には会員数が5万人を突破しました。近年スマホのアプリを利用した予約が急速に増加しており、アジア圏を中心とした訪日旅行事業に注力するために多言語に対応しました。対応言語は中国語(繁体字・簡体字)・韓国語・英語です。
韓国語の翻訳に便利なおすすめサイトを紹介
インバウンド対応の一環として需要のますます高まる韓国語ですが、日本語をハングルに翻訳できるおすすめのサイトをご紹介します。
1. Google翻訳:写真を撮影するだけで翻訳できるカメラ翻訳機能が便利
ハングルで書かれているウェブサイトを翻訳するには、ウェブブラウザを「Googole Chrome(グーグルクローム)」にすることよってページを丸ごと翻訳することができます。また、単語や短い文章を翻訳したい時には「Google翻訳」がおすすめです。Googleで「韓国語 翻訳」と検索すると、コピーアンドペーストで翻訳できる検索窓が表示されます。
スマホで調べたい場合は、Google翻訳アプリがおすすめです。Google翻訳アプリには「カメラ翻訳」という機能があり、看板やメニューなど、翻訳したい文字をカメラで撮るだけで自動的に翻訳してくれます。
2. マイクロソフト翻訳:文字・音声・写真をマルチに翻訳
「マイクロソフト翻訳」は、60以上の対応言語で文字・音声・会話・写真・スクリーンショットなどを翻訳できる無料の翻訳アプリです。言語をダウンロードすればオフラインでも翻訳をおこなうことができます。
テキストや写真、スクリーンショットの翻訳をするだけでなく、翻訳されたフレーズを音声で再生する機能もあるので発音の練習も可能です。他のアプリと翻訳をシェアすることもできます。
翻訳したハングルに読み方のルビを付けられる翻訳ツールは、韓国情報を発信しているサイト「ほっとコリア」の翻訳機能です。日本語と韓国語を相互に翻訳する無料のサービスです。
まとめ:言葉の壁を解消し訪日韓国人観光客の満足度をアップ
翻訳サイトには無料のものと有料のものがありますが、この記事では無料で使えるサイトをご紹介しました。ここでご紹介した以外にもエキサイト翻訳やWeblio韓国語翻訳などさまざまな翻訳ツールがありますが、用途に合わせて使い分ける必要があるでしょう。
訪日韓国人観光客の数は近年急激に増加しています。特にSNSを利用する若い世代のリピーターが多いので、翻訳ツールを利用してコミュニケーションが取れれば口コミなどで拡散されて、韓国人観光客の誘致につながるでしょう。
<参照>
【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」
インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。
<本セミナーのポイント>
- 変わりゆく市場の状況と、今後注目のトレンドを把握できる
- 旅マエの顧客行動を理解し、集客・予約率アップのヒントが得られる
- 旅ナカの接客品質を高め、顧客満足度向上に繋がる実践的な対応を学べる
- 各分野の専門家から、ビジネスを加速させる具体的な戦略や成功事例が聞ける
詳しくはこちらをご覧ください。
→宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】
【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。
<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
- 業界のキーパーソンと繋がり、新たなビジネスチャンスを模索したい方
- 小売・飲食・宿泊・メーカー・地方自治体・DMO・観光/アクティビティ事業者
- インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】
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