日本は海外に比べて現金の利用率が高い国です。その理由は、街のいたる所にATMが設置され、現金を引き出しやすいからだという説があります。
その一方で、国内ではさまざまなキャッシュレスの決済手段が普及しており、訪日外国人にも多く利用されています。本編では現在店頭で見られる決済手段と、訪日外国人にとって望ましい決済手段とその導入方法を紹介します。
訪日ラボのメールマガジン登録はこちら>(無料)日本の主な決済手段
現在、日本で利用可能な決済手段は以下の4つです。
1. 現金
高度な偽造防止技術があり、日本では偽札がほとんど出回らない環境にあります。
日本中どこでも使えて便利な反面、お金の所有者を証明する術がないため、盗難にあった際には補償がききません。現金を数える「レジ閉め」に費やす時間や人件費、そして売り上げを銀行に預けに行く時間も店舗にとってはコストとなっていますの浪費に気付いていないケースが多いようです。
2. クレジットカード
お店でプラスチックカードを提示することで、信販会社が一時的に支払いを肩代わりしてくれるのがクレジットカード決済です。
スキミング被害を防止するために改正割賦販売法が施行され、2018年10月以降、店舗ではICチップ対応のカードリーダーの設置が義務付けられています。
VISAやmasterといった国際ブランドは世界中で使えるようになっていて、国際ブランドが発行するデビットカードの発行も増加傾向にあります。店舗ではクレジットカードとデビットカードを同じ手順で処理できるため、レジスタッフも扱いやすい点も特徴です。訪日外国人観光客にストレスなく買い物をしてもらうなら、主要国際ブランドに対応できるクレジット決済サービスの導入を優先的に行うべきでしょう。
世界的にはカードリーダーにかざすだけでクレジットカード決済ができるコンタクトレスカードの発行も増えています。国内では大手コンビニチェーンでの導入が目立ちます。
3. 電子マネー
日本では電車やバスの乗車券として使える交通系電子マネーと、主に大手小売業が発行する商業系電子マネーの2種類が主流です。
多くの電子マネーカードはあらかじめ現金をチャージして使うプリペイド式を採用していますが、クレジットカードに紐づけられた後払い型(ポストペイ式)のカードもあります。
近年はクレジットカードの国際ブランドがプリペイドの電子マネーを発行していたり、スマホに搭載された非接触ICチップでカードの代用ができるApple Payのようなスマホ決済も登場しています。
経済産業省は湯河原温泉などの観光地で「おもてなしプラットフォーム」の実証実験を行った際に、訪日外国人の指紋情報に電子マネーを紐づけて使う指紋決済を採用しました。ハウステンボスでも指紋認証を活用した電子マネーサービスを導入し、手ぶらで観光が楽しめる環境を構築しています。
4. QRコード決済
2018年の夏ごろからにわかに注目を集めるようになったQRコード決済は、スマホアプリとQRコードを組み合わせて使う新しい決済手段です。中国で爆発的に普及したことから日本でもキャッシュレス化の足掛かりとして期待されています。
中国人観光客向けに中国のAlipay(アリペイ)やWeChat Pay(ウィーチャットペイ)を導入した店舗では、顧客単価が現金よりも増える傾向にあるため、中国人をターゲットにした店舗での導入が加速しています。
WeChatPayとは?導入方法と使い方・できること・事例5つ【インバウンド集客】
モバイル決済が主流となる中国で近年普及が進んでいるWeChatPay(微信支付:ウィーチャットペイ)。訪日中国人向けのインバウンド対策として、導入を検討している企業や店舗も多いのではないでしょうか?しかし、「WeChatPayの導入・運用費用がどれぐらいかかるのか分からない」「どれほどのインバウンド効果を得られるのか把握しておきたい」という方も多いはず。今回は、訪日中国人観光客からの需要が高い、WeChatPayの導入方法と成功事例について詳しくみていきます。関連記事Alipay(アリペイ...
2019年中国の国慶節|スケジュール・休日日数、やるべきインバウンド対策とは
訪日外国人を集客したい小売り企業や飲食店などにとって、中国の国慶節は大きなビジネスチャンスとなります。 この記事では、 2019年の国慶節の休暇について 休暇期間の中国人の旅行動 訪日中国人観光客の満足度をアップさせるため行うべきインバウンド対策 について詳しく解説します。 [com_category_dl_btn name="訪日中国人向けメディア" slug="media-china"] 目次 国慶節とは? 国慶節は中国の建国記念日 2019年の国慶節のス...
訪日外国人にとって使いやすい決済手段はどれ?
海外の通貨を日本円に両替する場合、為替市場の動向によってレートが変わります。訪日外国人にとって、日本の1万円が自国の通貨だとどの程度の価値になるのかを瞬時に判断したり、見慣れない紙幣や硬貨をその都度見分けてレジで差し出すのは困難です。クレジットカードの利用により、こうした煩雑さを回避することもできます。
店舗のターゲットを訪日外国人に広げるのなら、クレジットカード決済が利用できるようにするべきでしょう。Visaやmasterは日本人になじみがある国際ブランドであり、審査にも比較的通りやすいため、店舗に導入しやすいはずです。
クレジットカードの決済システムの導入には、初期費用や決済手数料といったコストが発生しますが、現金管理の手間や人件費を考えれば決して高いコストとはならないでしょう。
ただし訪日外国人の4分の1を占める中国人にとって、Visaやmasterなどのクレジットカードはなじみがありません。中国人をターゲットにするなら、アリペイやウィーチャットペイといったQRコード決済が利用できるよう環境を整えるべきでしょう。
QRコード決済はマルチ決済端末を利用すれば導入が可能です。キャンペーンで決済端末の代金がキャッシュバックされるケースもあり、こうした機会をうまく利用すればコストを抑えて導入できるはずです。
【10/17開催】「Google検索」で新規顧客を呼び込み、「アプリ」で既存顧客をファンに変える小売の成長戦略
小売業界では今、「新しい顧客をどう獲得し、どのように長く関係を築いていくか」が大きな課題となっています。
変化する購買行動や多様化するチャネルの中で、顧客との接点をどのように設計し、店舗とオンラインをつなげて持続的な成長を実現するか。本セミナーでは、その考え方と実践的なアプローチをお届けします。
マーケティング、販促、デジタル推進を担当される小売企業の皆さまに、明日から活かせるヒントと課題解決の糸口をお持ち帰りいただける内容です。ぜひご参加ください。
<セミナーのポイント>
- Google検索・マップを活用した新規顧客獲得の最新マーケティング手法が学べる!
- アプリを活用した会員化・リピート促進・ファン育成の方法が学べる!
- 店舗とオンラインをつなぐOMO戦略の全体像を理解できる!
詳しくはこちらをご覧ください
→【10/17開催】「Google検索」で新規顧客を呼び込み、「アプリ」で既存顧客をファンに変える小売の成長戦略
【10/24開催】インバウンド好調の流れはこのまま続くのか?今後の見通しと、今やるべきこと
かつてない好調ぶりを見せているインバウンド。2025年の訪日外国人客数は4,000万人超と予測されていますが、「今後もこの流れは続くのか」「今と同じ戦略でビジネスを伸ばせるのか」懸念を抱いている人は少なくないでしょう。
そこで本セミナーでは、これまでのデータからインバウンド市場の今後を予測し、いま取るべき行動や準備すべきことを解説します。
インバウンド事業に携わる皆さまにとって、ご自身のビジネスに役立つヒントが得られる内容です。ぜひご視聴ください!
<セミナーのポイント>
- 最新のインバウンド動向と今後の見通しがわかる
- 専門家3名による議論から、インバウンドの今後の動きに対してやるべきことがわかる
- 短期的に役立つ施策の話から、中長期的に考えていかなければならない戦略の議論まで、幅広く聴くことができる
詳しくはこちらをご覧ください。
→【10/24開催】インバウンド好調の流れはこのまま続くのか?今後の見通しと、今やるべきこと
訪日ラボ主催「THE INBOUND DAY 2025」アーカイブ配信中!
訪日ラボを運営する株式会社movが8月5日に開催した、日本最大級のインバウンドカンファレンス「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」のアーカイブ動画が公開中です。
アーカイブ配信では、元大阪府知事の橋下 徹氏と大阪観光局理事長の溝畑 宏氏による基調講演のほか、脳科学者の茂木 健一郎氏、日本文学研究者のロバート・キャンベル氏、アパグループ 社長兼CEOの元谷 一志氏などの貴重な講演の様子を一挙公開(一部を除く)。
参加できなかった方はもちろん、もう一度議論を見直したい方も、ぜひご覧ください。
【インバウンド情報まとめ 2025年10月前編】中国の大型連休「国慶節」8日に終了、2025年も日本人気が続く ほか
訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。
この記事では、主に10月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。
※口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。
詳しくはこちらをご覧ください。
→中国の大型連休「国慶節」8日に終了、2025年も日本人気が続く ほか:インバウンド情報まとめ【2025年10月前編】
今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。
「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!