ただのガイドじゃ意味がない!定員2.5倍の参加希望者がつめかける地域通訳ガイド育成講座、人気の理由は「広く深い学習」「実務研修」

2018年1月より、自治体が行う研修と試験に合格すれば、誰でも有償で訪日外国人観光客のガイドができるようになった今、より質の高い通訳ガイドを育成するための、実効性のある研修が求められています。

今回は、インバウンドの受け入れ態勢強化に向けた取り組みの1つとして、通訳ガイドの人材育成に力を入れている、JTB広島支店と広島県の取り組みを見ていきましょう。


広島の訪日客数は8年間で約5倍に

広島県の訪日外国人観光客数は、2011年から2018年までの8年間で、62万人から311万人と約5倍に増加しました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの開催を契機に、今後はさらなる訪日客の増加が見込まれます。

訪日旅行の満足度向上を目指す上で、広島県内の通訳案内士の人数を増やすと同時に、広島に関する深い知識を持つ質の高いガイドの育成が必要不可欠です。

2018年1月に通訳案内士法が改正され、新たに「地域通訳案内士」制度が創設されました。広島県では、自治体が実施する研修の受講で登録できるようになったことを受け、2018年4月より「広島県地域通訳案内士」を導入しています。

JTB広島支店は、2018年度・2019年度の広島県地域通訳育成研修業務を広島県より受託しました。

JTBでは佐渡市や飛騨地域の地域通訳案内士育成研修を受託した実績があるほか、JTB広島支店は宮島口TIC(ツーリストインフォメーションセンター)の運営に携わっており、年間で約10の招請ツアーの企画実施、インバウンド向けの着地型商品の造成を行っています。

これまでの実績やノウハウを活かし、広島県などと連携を取りながら、有償で質の高い通訳ガイドの人材を育成することが目的です。

広島の通訳ガイド育成講座、定員の約2.5倍の応募

昨年度にJTB広島支店が実施した広島県の地域通訳ガイド育成講座では、定員80名の約2.5倍となる207名が申し込みました。大幅な定員超えを受け、定員数を増やし広島県での抽選を実施した結果、最終的に108名が受講しています。

研修終了後には、受講者を対象に研修内容に関するアンケートを実施しました。自由記述欄にて、受託事業者であるJTB広島支店の運営や講師を含めた手配や研修内容に関し、「研修内容に隔たりがなく、広く深く学習を進めることができた」「広島市内や宮島での実際の通訳案内士や添乗員業務を体験し学んだ実務研修が大変刺激になりました」といったコメントが多く寄せられたことから、通訳ガイド育成講座について一定の評価を得たことがわかります。

2019年度の通訳ガイド育成に向けた取り組み


2019年度の広島県地域通訳案内士育成研修では、2018年度の研修内容で評価を得られた点は引き続き継続し、研修内容や実施期間などに関する受講者や講師の意見を取り入れ、PDCAを意識した研修運営に取り組みます。

JTB広島支店では、ファムツアーの実施で中国・四国エリアの情報を海外へ発信するとともに、広島県ならではの歴史や地理、文化などの知識に長けた、地域通訳案内士の育成を目指します。

通訳案内の実務やコミュニケーションスキルを習得できる研修環境を提供し、訪日外国人観光客の受け入れ態勢強化に向けた、広島の周遊観光促進と満足度の向上が目的です。

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通訳ガイドの質を高め訪日客の満足度向上へ

広島県とJTB広島支店による、広島県地域通訳案内士育成研修では、定員の2.5倍もの応募があったことから、インバウンド向けの通訳ガイドとして活躍したいというニーズの高まりが明らかになりました。

2018年1月の改正通訳案内士法の施行を受け、誰でも有償で訪日外国人観光客のガイドができるようになった一方で、質の高いガイドばかりが増えるわけではないといった懸念が生じています。通訳案内士の絶対数の不足といった問題もありますが、都市部に集中する傾向や語学力の偏りなどといった現状をふまえ、今後は有資格者が活躍できる場をいかに創造していくかが課題と言えるでしょう。


<参考>

・JTB INBOUND SOLUTION:【人材育成】通訳ガイド育成事業 広島県の取組み

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客のインバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!