インフルエンサーを活用「ファムトリップ」とは?旅行事業者やメディアも招待・観光地の誘致促進・その集客効果と3つの優位性、事例を紹介

日本でも海外でも、日常的にSNSが利用されています。自分で情報をSNSにアップするのはちょっと気が引ける…というような人でも、情報収集にTwitterやInstagramを触ったことがあるのではないでしょうか。また家族が使っているのは目にしている、という人もいるでしょう。

海外でも、こうしたSNSやブログは重要な情報収集のツールとなっています。SNSでフォロワーの多い人をインフルエンサーと呼びますが、彼らの発信する情報は、大手メディアと異なり自分の感覚に合った情報が得られるとしてフォロワーに重宝されています。つまり、インフルエンサーは、マスメディアとは別の情報チャネルとして参考にされています。

こうした事情を背景に、昨今不当にフォロワー数を増やす方法などが報道でも明るみに出てきました。本当に影響力のあるインフルエンサーは、フォロワー数だけでなく、フォロワーからのリアクションが多いのが特徴です。

今回は、訪日外国人を集客する方法の一つである「ファムトリップ」を紹介します。

ファムトリップとは、海外インフルエンサーやブロガー、また旅行事業者やメディアを旅行に招待し、その内容を自国で発信してもらうことでプロモーションにつなげる手法です。ファムトリップの事例やメリットを紹介しながら解説していきます。


ファムトリップとは?

ファムトリップとは、ブロガーやメディア、旅行会社向けに現地を視察してもらうツアーを企画し、外国人向けに発信してもらうプロモーションのことです。

FAMトリップ」ともいいます。ファムトリップとはFamiliarization Tripの略で、Familiarizationには、慣れ親しませること、習熟させること、という意味があります。

ファムトリップは、それぞれの国の視点から情報発信してもらうことで、より大きな集客に繋がると期待されています。

なぜファムトリップが効果的なのか?

「出発前に得た旅行情報源で役に立ったもの(複数回答)」(2018年観光庁消費動向調査より引用)

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1位 個人のブログ

30.6%

2位

SNS(Facebook/Twitter/微信等)

23.7%

3位

自国の親族・知人

17.6%

4位

口コミサイト(トリップアドバイザー等)

15.3%

5位

旅行会社ホームページ

14.1%

上記のデータから読み取れるように、外国人旅行客の半数以上は、ブログやSNSを主な情報源としています。そのため、ブロガーやインフルエンサーなどを起用してプロモーションを行うファムトリップは、インバウンド集客効果が期待できます。

また、ファムトリップでは、旅行代理店などの関係者などを招待し、観光してもらい、さらに現地向けに情報発信してもらうという場合も含まれています。これにより、旅行代理店を通して訪日旅行をする外国人観光客にプロモーションすることができます。

ファムトリップは、この表の中では「個人のブログ」「SNS」「旅行会社のホームページ」という3つの項目に関連することになります。訪日外国人が特に参考にしている情報源に実際に露出できるという点で、ファムトリップインバウンド集客に効果的です。

ファムトリップを行う3つのメリットを解説

ここでは、ファムトリップを行うメリットについてさらに具体的に深堀りしていきます。

1. プロモーションに継続性がある

テレビや雑誌でのプロモーションは一時的なものに過ぎません。一方で、SNSやブログの投稿は、投稿が削除されない限り、Web上に残り続けます

プロモーションとして継続性があるブロガーやインフルエンサーによる情報発信がきっかけで観光地を知り、訪れた観光客がSNSやブログで発信することで、さらに多くの観光客を取り込むことができます。

2. 消費者目線で魅力を発信できる

大手企業などによる一般的な広告は、押し付けがましいと感じる人もいます。一方でブロガーやインフルエンサーは、企業や自治体目線ではなく「同じ旅行客」の目線で魅力を発信します。

そのため、押し付け感が少なく、よりユーザーに届くプロモーションができます。

3. 消費者目線でアピールポイントを分析できる

ブロガーやインフルエンサーの投稿内容から、消費者に刺さるポイントを分析することで、消費者のニーズを知ることができます。

特に地方の場合だと、「自分たちの地域のアピールポイントがわからない」という場合もあります。ファムトリップの実施により、各国へのアピールポイントを知ることができます。

ファムトリップで重要なのは「相手のニーズに応えること」

ファムトリップでは、ただ地域資源を売り込むだけでは成功しません。それぞれの国によって異なるニーズを把握し、適切な観光資源を提供する必要があります。

中でも重要なのは、「体験」を盛り込むことです。インバウンドのトレンドは、「モノ消費」から「コト消費」に変化しているといわれています。見たり歩いたりするだけではなく「体験」を通じて日本の文化や歴史を知ることが人気になってきています。

しかしながら、食費や交通費などは負担するのが一般的となっているため、計画的に予算を組まなければなりません。予算を考慮した上でニーズに応えることが大切です。

ファムトリップの事例を紹介

日本国内にも、すでにファムトリップを行っている自治体があります。ここではそのような事例を紹介していきます。

ニセコ:世界中からメディアや旅行会社を招待

北海道のニセコでは、オフシーズンにおけるスノーリゾートをプロモーションすべく、アジア、豪州、北米、欧州の16市場からメディア8社9名、旅行会社等42社42名をニセコ町と倶知安町に招致ファムトリップを実施しました。

結果として、商談数は506マッチング、各国3メディアで取り上げられました。また、波及効果としてウィンターシーズンにおける約3,000名もの見込み客の獲得、約5億円の経済効果があるとしています。

石川県加賀地域:広域連携して台湾人モニターを招聘

石川県加賀地域では、台湾からのモニターを招き、1泊2日のファムトリップを実施しました。加賀地域の観光資源、橋本港の開戦をはじめ、山代温泉や白山比咩神社、松井秀喜ミュージアムなどを堪能しました。

ファムトリップによって、運営側は、言語サポートの不十分さを理解したり、モニターらからは現地の人との交流が好評だったりと、これまで気づかなかった点が明らかになりました

また、単独ではなく広域連携での受け入れを実施したことにより、他自治体と課題を共有できるというメリットがあることがわかりました。

相手のニーズをとらえて効果的なプロモーションを

ファムトリップは、海外のインフルエンサーや旅行会社の人々が体験を通して、観光地を味わい、各国向けに情報発信をしてもらう旅行形態です。

消費者に親しみのあるインフルエンサーらが各国の目線で観光地の良さを発信することで、より大きなプロモーション効果を期待できるでしょう。また、ファムトリップ後のインフルエンサーの投稿内容を分析することで、各国のニーズを把握することができます。

ファムトリップの実用性を理解し、インバウンド集客に活かしていくことが重要です。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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