京都ヨドバシ「転売目的の外国人には売りません!」中国人バイヤーらとトラブルに:エヴァ新作フィギュア巡り攻防

公開日:2019年06月26日

経済成長著しく、国内の経済格差も残る中国では、「欲しいに対してはいくらでも払う」という消費者も珍しくありません。そして、欲しいものは中国国外であっても手に入れたいと考える人も少なくありません。

そんな中国人が好きな日本製品と言えば、化粧品や医薬品・医療サービス、そしてアニメです。古くは「一休さん」「聖闘士星矢」、その後は「ドラゴンボール」そして「ワンピース」などなど、数え切れぬ日本のアニメ作品が中国人を熱狂させています。

コンテンツだけでなく、グッズやコンセプトカフェといった体験型の関連商品にも大きな需要があります。こうした「グッズ」を対象に、中国ではもはや日常的行為ともいえる「転売」を仕掛けようとした中国人がいました。この現場に居合わせたTwitterユーザーにより、販売店の秀逸な対応についてネットで称賛の声が集まっています。


国民的アニメ『エヴァンゲリオン』新作一部公開が決定、事件の発端はフィギュアの予約受付

日本でシリーズ開始からファンから絶大な人気を誇るアニメ作品「新世紀エヴァンゲリオン」は、日本のオリジナルテレビアニメです。「エヴァンゲリオン」「エヴァ」の名で知られ、1995年10月のテレビアニメ放映開始前から平行して漫画連載があり、2006年には新たな設定とストーリーで再構成された映画作品も上映されています。

この映画は4作構成で、2007年『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序』、2009年『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破』、2012年『ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q』と、現在までに3作品が公開されています。年単位の時間の経過にも関わらず、コアなファンがこうした上映を待ち望んでいるだけでなく、作品の公開に伴い新たにファンが生まれています。

そして一昨日の6月24日、2020年に公開が予定されている4作目の作品『シン・エヴァンゲリオン劇場版』の一部が、2019年7月6日にフランスのパリで行われるJAPAN EXPOにて上映されることが発表されました。Twitterには期待を寄せるファンの声が見られます。

人気フィギュアの予約開始

この発表と時をほぼ同じくして、本年11月から販売されるエヴァンゲリオンの新作フィギュアの店頭予約の受付が開始しました。

メーカー希望小売価格は税込み24,200円、受付場所は小売店の玩具売り場等です。

このフィギュアは商品名を「METAL BUILDエヴァンゲリオン2号機」といい、商品名に「メタル」の文字が入っていますが、モデルとなる作中のロボットをイメージし、金属の雰囲気を損なわないデザインに高い評価が集まっています。ガンダムの登場人物をモデルにした商品や、同じくエヴァンゲリオンの登場人物である「初号機」がこれまでに販売され、また販売開始から1年未満ですが再販も決定しています。

こうした人気作品めがけて、ファンだけでなく、転売を目的に購入をもくろむ人々が長打の列を作りました。

プレ値フィギュア目当ての「転売ヤー」で長蛇の列

こうした長蛇の列は、秋葉原、池袋、京都といった大都市で目撃されています。現場にいたTwitterユーザーによると、転売目的の予約者の中には、中国人も多く並んでいたようです。

こうした事態に対し、販売店はメーカーの販売目的を振り返り「商品がファンのもとに届くように」と配慮を働かせたようです。

販売店の一つである京都タワー横にある京都ヨドバシ(ヨドバシカメラ マルチメディア京都)では、「転売目的で来ている外国人の方には売れない」ことを、中国語も交えてアナウンスします。

争う声も「商品名・作品の好きなところを答えてください」一蹴

また、これだけでは国籍で販売相手を選別することになり、差別問題まで発展しかねません。そこで、京都ヨドバシでは「商品名が言えるか」「エヴァ(今回問題となったフィギュアの原作)の好きなところを言えればよい」という判別方法をとりました。

転売目的ではなく本当にそのフィギュアをほしい人は、当然商品名を言うことができるでしょう。また、作品の好きなところも簡単に答えられます。しかし、転売目的だけの購買者には難しいでしょう。これによって、販売店は真のファンだけを見抜こうと努めたのでしょう。

こうした姿勢と機転をきかせた対応に、ネットではファンはじめ称賛の声が多く上がっています。

予約を拒否された客の中には、わめいたり暴れたりする人もいたと言います。この人物は予約者本人がエヴァンゲリオン作品のファンではないと判断され、予約には申し込みができなかったとみられています。目撃者によれば、この人物は中華圏の出身であったようです。

中国での転売市場の大きさ

中国では転売は非常に日常的に行われており、専業に取り組む人もいれば、旅行のついでに購入する人もいます。今回、ファンではないのに予約を試みた人物の販売相手が日本人なのか、日本在住の中国人含む外国人なのか、あるいは中国国内の中国人なのかははっきりとはわかりません。

ソーシャルバイヤーと呼ばれる中国人たちは、大量に日本製品を購入し、中国国内の中国人に販売しています。商品情報の拡散にはWeiboWeChatのグループなどが利用されており、ソーシャルバイヤーを通じて正規には輸入されていない海外製品の購入を楽しみにする消費者もいます。

一方で、ソーシャルバイヤーを通じた商品の販売には、今回日本国内でも見られたような不当な価格のつり上げや、医薬品のような使用方法に注意の必要なものがその詳細を知らされないまま消費者の手に渡ってしまうというリスクがつきまといます。

まとめ

商品によっては、メーカーにとっても重要な販売経路となりうるソーシャルバイヤーですが、消費者の「利益」を考えた際、全ての製品においてソーシャルバイヤーによる転売を手放し肯定してよいのかというと、そうでもありません。

今回話題になったフィギュアは、中国でも広がる「オタク」にとっては喉から手が出るほど欲しいものであると考えられます。中華圏の予約希望者がおり、その購入意思を強く主張したことの裏側には、そうした中国の「オタク」の大きな消費意欲が隠れていると言えるのではないでしょうか。

日本だけでなく、世界中のファンに適正な価格で商品が販売されるような仕組みが今、必要なのかもしれません。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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