「清明節」(せいめいせつ)は、お墓を清め、祖先を供養する日として定められた中国の祝日です。旧暦3月の春分の日から 15日目にあたる節句であり、中国ではその日を含む3日間を法定休日としています。
2021年は4月4日が清明節その日となり、4月3日(土)~4月5日(月)が法定休日です。
清明節には、先祖の墓に線香を上げて墓参りをする風習があり、日本のお盆に似ています。
この記事では、中国の伝統である清明節の由来や風習などを解説します。
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清明節とは?
清明節は中国語で「チンミンジエ」と発音します。先祖に見守ってもらい、平和を祈る日として定められた中国の祝日です。日本でいうお盆のようなもので、旧暦3月の春分の日から 15日目にあたる節句に、先祖の墓参りをするとされています。
お墓参りでは、鶏や豚肉、揚げ豆腐、米飯、酒、茶あるいは香燭(こうしょく)や紙銭などを供える風習があります。
清明節の日は、毎年4月5日前後となり、太陽暦を使って決められています。清明節は3連休とされることが多く、2020年の清明節は4月4日、4月4日~4月6日が3連休でした。
2021年の清明節は4月4日、4月3日~5日が3連休となります。
清明節の起源
清明節の起源は、中国古代の王朝である漢代(紀元前202年~220年)、周代(紀元前1046年頃 ~紀元前256年)と諸説がありますが、「寒食節」という風習によるものだといわれています。「寒食節」は、一切火を使わず冷たい飯を食べる風習です。この節句の由来は、春秋時代(紀元前770~紀元前403)の晋の文公である重耳(ちょうじ)によって命じられました。自分の命令が原因で焼死した忠臣を悼んで、「この日は火を使ってはならない」とされています。
「清明」という名の由来は、春の暖かい風が吹き、草木が芽生える、あらゆるものの生命力がみなぎる季節ということから名づけられています。これらのことから、ヨモギを使った緑色の餅「清明果」を食べるようになりました。
中国の言い伝えで、祖先の魂は土の下にいるというものがあります。そのため、天気も良く、暖かい季節のうちに、お墓をきれいにするようになったとされています。
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清明節の風習を紹介
清明節は、日本のお盆のように、先祖のお墓参りをするとされています。実際に、中国ではお墓参りのさいに、どのような風習があるのでしょうか。ここでは、清明節の風習について、紹介します。お墓参りでお金を燃やす
中国でお墓参りは「掃墓」(サオムー)と呼ばれます。掃墓では、お墓の雑草をとり、新しい土を盛るなどきれいにします。中国では基本的に、清明節または重陽節にしかお墓参りをしないため、ほとんどの人が清明節にお墓参りをして過ごします。
お供え物は、お酒や食べ物などご馳走をそえます。また、紙幣に似せて作った紙のお金「紙銭」(ジーチェン) を焼く風習があり、「亡くなった家族が死後の世界でも暮らしに困らないように」という願いがこめられています。
お墓参りにおいて、日本は合掌してお祈りすることが一般的ですが、中国では手を合わせるという動作はせず、おじぎや膝をつく礼の仕草を3回することが多いです。儀式とされる宴会
中国ではお墓参りが終わると、すぐに宴会が開かれ、その場でお供え物などのご馳走を食べるため、お墓の周りには宴会用のスペースが広く設けられているということも日本のお墓参りとは異なる特徴です。清明節の食事は、「寒色節」にならって冷たいものを準備することが多く、地域によって準備されるものはさまざまです。各地域で親しまれるお菓子やお惣菜などのご馳走を、家族で楽しみながらいただきます。
清明節の食事
清明節の食事は、「寒食節」にちなんで冷たいものを食べる風習があるといわれ、その食べ物は地域によって異なります。たとえば、卵は新しい生命の象徴であることから、ゆで卵などの卵料理を食べる地域もあれば、からし菜といった食べ物を食べる地域もあり、現地の方言で駕籠(かご)と同音であることから、先祖が駕籠に乗って還ってくるよう願いがあるともいわれています。
また、上海などの地域は、青団(チントゥアン)という、ラードでできた餡を包んだ草団子を食べたり、他の地域では、潤餅(ルンビン)という春巻きの生地のようなものに様々な種類の野菜を包んで食べる地域もあります。![▲[青団(チントゥアン)]:中国百度百科より引用 ▲[青団(チントゥアン)]:中国百度百科より引用](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/3201/main_80cb39dbb6fd5266553c4018a518972bd40736a2.jpg?auto=format)
![▲[潤餅(ルンビン)]:中国百度百科より引用 ▲[潤餅(ルンビン)]:中国百度百科より引用](https://static.honichi.com/uploads/editor_upload_image/image/3202/main_359b033b5bb5c9eaf3f2516ddf39b6003af3b33f.jpg?auto=format)
中国以外で行われる清明節、違いは?
清明節という節句は、中国大陸以外にも存在しています。ここでは、2つの地域にある由来や風習などを紹介します。日本沖縄ではシーミー
沖縄では「清明祭(シーミー)」と呼ばれ、伝統的な行事として知られています。中国から伝わったとされ、同じく「清明節」の期間に、先祖のお墓に親戚が集まり、お線香やお花、重箱につめた料理をお供えします。沖縄のお墓の前には、「清明祭」をするための広いスペースがあり、宴も催されます。その様は、中国の清明節と似て、とても賑やかに行われます。
台湾の清明節
台湾の清明節は、中国大陸と同様に農暦(旧暦)で数えられます。食事は、潤餅(台湾式春巻)と呼ばれる、春巻きのような生地に滷肉(ルーロウ)などのお肉やもやし、キャベツ、パクチーなどの様々な具材を巻いて食べます。また、台湾のお墓参りには、日本などと異なる風習があります。お墓は一人一基とされ、更に風水に基づいて場所も決められるため、家族ごとにお墓が集まっていません。そのため、親族のお墓を一つ一つ回って、雑草をとり、お墓まわりを掃除します。
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古くから伝わる伝統文化、清明節
今回は、中国の祝日である「清明節」についてお伝えしました。おさらいすると、「清明節」(せいめいせつ)は、お墓を清め、祖先を供養する日として定められた中国の祝日であり、春分の日から15日後で、2021年は4月4日にあたります。お墓参りや儀式など、先祖を大事にする節句であることがわかりました。このように、少しずつ異文化の伝統に理解を深めることで、インバウンド対策のヒントを見つけ出せるかもしれません。
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