なぜ?中国アプリ「小紅書」KOLを1万人削除:SNS×ECで独自地位を確立、旅行関連投稿で若者に人気

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経済成長に伴い、市場としての存在感を増していく中国では、インターネットユーザーの大半がスマホユーザーでもあり、人気アプリの動向は要注目となっています。

中国のECアプリ小紅書RED)は”中国版インスタ”とも呼ばれ、女性を中心にユーザーを拡大しています。この人気アプリは先週、アンドロイドのアプリストアでダウンロードが制限され、数日後にはアップルのアプリストアでも同様の事態となり、中国では比較的大きなニュースとなっています。

すでに6月からプラットフォームの整備を進めつつあった小紅書RED)の取り組みとその背景を紹介します。

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小紅書とは?

小紅書(RED)は20代の若い女性を中心に、近年人気を高めているスマホアプリです。ファッションやグルメ、雑貨や料理やメイクアップなどライフスタイル関連の投稿が多く見られます。最近では子育て関連や旅行に関する投稿も目立ちます。2億ユーザーが利用するアプリケーションです。

中国版のInstagram

ユーザーは動画や複数枚の写真をアップできます。今年「ストーリーズ」の機能もスタートし、画像をメインにコンテンツを魅せる形式はInstagramと類似しています。またユーザーも洗練された雰囲気を好む人が多くなっているようです。

位置情報も付加できるため、近辺の店舗等情報を検索し足を運ぶといったユーザーの動きも期待できます。

中国におけるインフルエンサー(KOL)の存在感

中国人消費者にとって、インフルエンサー(KOL=キーオピニオンリーダー)はある商品を買うか買わないかの決断を左右する重要な存在です。宣伝色の少ないコンテンツで、使用感や効果について正直な感想を伝えます。ファンから質問があれば回答し疑問の解消に努めます。商品の宣伝ではなく、ファンの悩みを一緒に解決するようなイメージです。

小紅書でKOLの資格削除が行われた理由とは

2019年6月に小紅書RED)は、MCNのプラットフォームへの加入資格をこれまでよりも厳格にすることを発表しました。これの影響で、これまで小紅書RED)でコンテンツを発表していたKOLのうち1万人以上が削除され、約5,000人まで減ったと言われています。今後、小紅書RED)で商品等の宣伝活動をするKOLもMCNへの加入が義務付けられ、なおかつ売り上げの一部をプラットフォーム側へ納める必要があります。

この改革により、小紅書RED)はMCNに対して20万元の保証金を支払うことを要求しています。日本円だと300万円以上にもなる補償金を支払うことができるのは、収益の大きなMCNに限られます。グレーゾーンの活動で利益を得る中小規模のMCNを排除し、運営の秩序を守ることを目的にしていると考えられます。

その他、違反行為が定められました。規則には「非公式なプロモーションの受注」や「データの不正」が含まれますが、その内容は公表されていません。違反すると罰金の支払いや活動停止といった措置を受けます。

小紅書には日本在住のKOLも

KOLの中には、日本在住の中国人も少なくありません。日本のライフスタイルにあこがれを抱く中国人もいるため、こうしたKOLの発信する情報には自然と注目が集まります。日本のファッション・レジャー・子育て・医療・市販薬・雑貨・食品の情報は、訪日したら購入する商品の参考とされてます。

まとめ:インバウンド業界も注目の小紅書

中国人は日常の買い物はもちろん、年に一度、あるいは数年に一度の海外旅行にあたっては、後悔しないように念入りに情報を集めたいと考えます。こうした情報収集の際、参考にされるのがKOLの発信する情報です。

KOLの発信する情報は、企業に都合の良いことではなく、商品の1ユーザーとして、観光地の1旅行者として正直な感想がつづられているとファンは考えます。「いいね」の数の水増しや、広告費を受け取ってコンテンツの詳細にコントロールを受けたメッセージは、こうしたファンからKOLへの、ひいてはプラットフォームである小紅書RED)への信頼を失いかねません。

小紅書RED)はこうした事態を防ぎ、信頼されるプラットフォームとしての地位を守り続けるため、MCNやKOLへの審査を厳しくしたとも考えられます。

小紅書RED)のコンテンツやUIはその他のプラットフォームにはないスタイリッシュな雰囲気があります。また、短時間で情報を受け取れるショートムービーの人気もうまく取り込みながら、ソーシャルコマースと呼ばれるSNSとECを組み合わせたサービスの展開にも成功しています。

ユニークな地位を確立しつつある小紅書RED)は、今回アプリストアでのダウンロードが停止措置を受けてしまいましたが、それに先駆けて対策を取り始めていた部分もあったということでしょう。日本のインバウンド業界も引き続き、本件の動向には目を向けておくべきでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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