「中国で」京都の街並み再現プロジェクト進行中!1億5,000万円の別荘200棟が即完売

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経済成長著しい中国の東北部の都市、大連では『京都風情街プロジェクト』が進行しています。これは、中国に日本の京都の街並みを再現しようという総額960億円をかけたビッグプロジェクトです。

中国からの訪日客はすべての訪日外国人の約3割を占め、日本のインバウンド市場においては非常に重要なターゲットです。

今回は、訪日中国人観光客が好んで訪れる京都を中国に作るこのプロジェクトの背景を踏まえて、中国の富裕層に向けた日本文化の発信のポイントを見ていきましょう。


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中国の大連で進行中の「京都再現プロジェクト」とは?

中国東北部・大連東京ドーム13個分の面積を超える広大な土地では、「京都風情街プロジェクト」と呼ばれる大型の開発計画が進んでおり、総投資額は60億元(約960億円)にものぼるといいます。「京都の街並み」の再現を目指し、日本から設計士を招聘、建材も極力日本産のものにこだわるという徹底ぶりです。

中国には政府による観光地のランク付けがされていますが、このプロジェクトが進められているのはその中でも最高ランクに指定されている金石灘(ゴールデンぺブルビーチ)地区です。

64万平方メートルの土地を利用し、別荘や商店など1,600の建物を設ける予定で、パートナーシップ調印式には大連市の市長も出席するなど、政府の注目度の高さも伺えます。

中国ではすでに失われてしまった唐代の文化や建物京都にはまだ残っているとは中国ではよく知られたところです。時代の移り変わりとともに先代の文化が失われがちな中国だからこそ、訪日旅行でも文化財に対する関心が高くなる部分もあります。訪日旅行に際し、日本国内の中国人ゆかりの地を訪れることも珍しくありません。

販売される別荘の値段は?

京都の街並みを再現した別荘エリアには、200棟もの別荘が立ち並び、地下から温泉も組み上げています。もちろん販売価格も並ではなく、2017年に完成した別荘地は1平方メートルあたり3万元(約50万円)、最も大きな320平方メートルの別荘は1億5,000万円を下らないとされます。

このような高額にも関わらず、中国国内の富裕層を中心に200棟はあっという間に完売したそうです。別荘は、天然温泉や日本の住宅で高齢者向けに取り付けられる手すりも備え、材料から日本製にこだわった雨どいなど、徹底した「日本式」が図られました。

「本格日式」を売りに富裕層の需要を取り込む

別荘地からほど近い場所には、別荘地と同時期に完成した「湯景沢日式温泉ホテル」もあります。本物の日本が体験できることを売りに、中国人富裕層の需要を取り込んでいます。

中国の観光地で散見される「エセ日本」との徹底的な差別化を図る狙いから、日本から招聘した職人による8ヶ月間にわたる従業員の訓練も実施し、本物の日本食を提供しています。

「湯景沢日式温泉ホテル」の部屋数は28部屋と小規模です。2人部屋でも1泊最低1,688元(約27,000円)という中国でも高額な価格設定となっています。それにもかかわらず、すでに需要に供給が追いついていないという情報もあります。

こうした京都風のリゾートの建設計画予定地は、先に述べたように最高ランクとされる観光地です。毎年600万〜800万人の中国人旅行客の来訪が見込まれています。大連は港湾都市であり、海外との繋がりも深く開放的な空気が漂っています。今後中国が世界における観光立国としての路線をとることになれば、世界中から観光客が訪れる可能性もあります。中国人のみならず世界中の富裕層を取り込み、本物の日本を体験してもらうことも期待できます。

なぜそんなに日本を求める?

日本は古来から中国と交流しており、中国から受けた文化的影響は小さくありません。中でも中国の唐代の文化を残している京都の建物は、中国人に感銘となつかしさを与えると考えられます。プロジェクトを推進する地方政府もこうした点を大切に考えているようで、実際に設計を手掛けるグループ企業は、日本のものを非常に忠実に再現できる点を評価されて選任されたといいます。

中国人にとって思い入れのある京都の建物を再現した別荘地は、今後日本文化の発信拠点としての機能も担っていくと考えられます。訪日旅行への憧れを増幅させたり、訪日旅行や日本へ興味をもつきっかけづくりの役割を果たしたりするはずです。

まとめ:日本を伝え、両国の良好な関係を支える役割も担っていく

「京都風情街プロジェクト」の計画予定地がある大連には、元々多くの日系企業が進出していました。大連における対日感情は良好で、抗日ムードが高まった際も激しい状況にはならなかったそうです。万が一抗日デモが発生しても本施設が対象となるリスクは低いと見られています。

日本と中国の文化の違いを街全体で表現し、通常中国では見られない日本の新商品から伝統的な物まで、幅広く取り揃える意向です。プロジェクトは、現在は完成後に街で営業する店舗を選定している段階だといいいます。土地も広く、関税や進出に必要な手続きも政府によるサポートが受けられ、さらには現地政府や企業との関係構築も期待できます。今後の展開に注目しない理由はないでしょう。


<参考>

・Yahoo! JAPANニュース:「国家最大級」の京都再現プロジェクト、中国で進行中。度肝を抜かれる全貌とは?

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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