韓国の「光復節」815独立記念日が不買運動をたきつける:外務省も注意喚起

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8月15日は日本にとっては終戦記念日ですが、戦前に日本統治を受けていた国や地域にとっては独立記念日です。隣国の韓国では光復節という祝日になっており、36年間の植民地支配から主権を取り戻した記念日として、記念式典も執り行われています。

こうした理由から、8月15日は他の日と比べても反日感情が高まりやすくデモなども起きやすい時期です。輸出規制の措置を発端に起きた韓国での不買運動「ボイコットジャパン」も、光復節をきっかけにさらに激しくなることも予想されます。


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光復節とは?

8月15日の「光復節」とは、韓国が36年間の日本による統治から解放され、主権を取り戻したことを祝う日です。光復節という名称には、韓国が「奪われた主権を取り戻す」「光を取り戻した」という意味が込められています。単に祝日としてお祝いするというよりも、今の韓国を考える日、同じ歴史を繰り返さないことを誓う日として迎えられているようです。

2019年、韓国の反日感情に関係するとみられる5つの出来事

今後、日韓関係を左右するであろうイベントが約3ヶ月の間に5つ控えています。これら5つのイベントが、これからの日韓関係悪化にどのような影響を与えるのか注目が集まります。

1. 8月15日:文在寅大統領による光復節記念演説

今回、日韓関係悪化を招いた輸出規制ですが、今後の進展について、光復節記念祝辞における現大統領の発言に注目が集まります。

文大統領は、日本が韓国のホワイト国除外を決定して以来批判的な発言をしており、同日の発言もこうした内容になると予想されています。

2. 8月後半:日韓GSOMIAの延期期間

2016年に日韓両政府が署名した「日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」は、相互に秘密軍事情報を共有・保護することを定めています。

この協定は8月24日までにどちらかの国が破棄申し出なければ、1年間自動延長されますが、輸出規制によりこの自動延長が行われない可能性が指摘されています。

日本政府は今月28日、韓国をホワイト国から除外することになっており、韓国側はこれを受けてGSOMIAを再検討すると見られています。

3. 9月17日:国連総会(米国ニューヨーク開幕)

7月23日に米戦略国際問題研究所(CSIS)が公表した報告書では、国連総会を日韓関係の回復に向けた転換点とするべく、米国が日韓に対して両首脳会談を強く勧めることを助言しています。

4. 10月22日:新天皇即位式

徳仁天皇の皇位継承式に向けて、日本政府は韓国など195カ国の首脳などの海外要人2,500人以上に招請状を送っています。

即位式後の23日には安倍首相夫婦主催の晩餐会も開催される予定です。文大統領がこれらに参加することで、対話のきっかけになることも予想されます。

5. 10月〜11月:多国間首脳会議

日韓の首脳が毎年参加している、ASEAN+3による首脳会議「東南アジア諸国連合(ASEAN)を構成する10カ国に日中韓の3カ国を加えた会議」が10月末に予定されています。

続く11月にはアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議が開かれます。この中で、日韓の軋轢解決を意図した会談が行われることも考えられます。

韓国アパレル「TOPTEN10」UNIQLOモデルを起用、光復節記念グッズも

韓国内で激化する反日不買運動ですが、この事態を逆手に取った韓国のSPA(製造小売)ブランド「TOPTEN10」のマーケティング戦略が話題になっています。

同ブランドの秋・冬モデルに、かつて日本ブランド「ユニクロ」のメインモデルとして活動していた女優イ・ナヨンが新たに抜擢されました。TOPTEN10が、女性をメインモデルに抜擢したのは、2012年のブランドローンチ以降初めてです。

TOPTEN10によれば、「彼女特有の洗練された美しさ」と「幅広い世代に支持されている魅力」がブランドの求める方向とマッチしていることが、今回の起用の理由として説明されています。

その一方で、日本を代表するブランドであるユニクロのイメージを持つ女優を、同じく韓国を代表するアパレルブランドの中心に据えることで、日本製品の不買運動の機運をさらに推し進める意図があるのではとの見方もあります。

TOPTEN10では、8月15日の光復節に向けて「1945年」とプリントされた光復節記念グッズも展開しています。これらの製品は追加生産をするほどの人気ぶりとなっているとのことです。

▲[光復節記念グッツ一部]:TOPTEN10サイト内より引用
▲[光復節を記念した商品]:TOPTEN10サイト内より引用


UNIQLO不買運動、主要店舗閉店と営業中止

韓国で拡大する日本製品の不買運動「ボイコットジャパン」の影響で、日本を代表するアパレルブランドであるユニクロにとっても厳しい状況が続いいると言います。ユニクロは韓国の主要店舗の閉店や営業の中止を決定しています。

閉店を予定しているのは、10年間ソウル鐘路で営業してきたユニクロ鍾路3街店です。不買運動が始まってから初の閉店事例になります。ユニクロは、閉店理由について「契約満了」と説明していますが、一連の不買運動の影響も否定できません。その他の店舗でも、リニューアル工事を理由に営業の一時停止を決定しています。

ユニクロの姉妹ブランドGUは、2018年9月に蚕室ロッテワールド店を韓国初出店させてから店舗拡大を宣言していましたが、こちらの動きも当分ストップする見通しです。ユニクロの韓国市場の売り上げは減少すると見られています。

韓国メディアの「ビジネスコリア」は、日本製品不買運動が日本ブランドの売上げへ与えた影響について報じています。ユニクロは前年同時期対比50%減、対前月比46%減という結果となりました。そのほかの日本製品ブランドでも前年同時期と比べ、無印用品は37%減、スポーツウェアメーカーのデサントは30%減、ABCマートは16%減と伝えています。

まとめ:不買運動は長期化する見通し

見てきたように、今後3ヶ月日韓関係を左右するようなイベントが続きます。TOPTEN10のように、韓国内で激しさを増す「ボイコットジャパン」をマーケティングに利用する企業も出てくるなど、日本経済に影響を与えている不買運動は長期化する可能性も見えてきました。

積極的に日本製品の不買運動に参加している人がいる一方で、こうした流れを気にせず日本製品を買いたい消費者もいます。SNS上では、こうした人を売国奴呼ばわりするような現在の韓国社会の雰囲気も伝えられています。

ソウル地下鉄の車両内には、「ボイコットジャパン」の不買運動を呼びかける反日メッセージが貼られ、公共の場でのメッセージがこうした排外的な機運を高めている面もあるでしょう。2019年は日韓友好の底力が試される試練の時期と言えるかもしれません。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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