日本のアニメや漫画に舞台、あるいは映画やドラマで撮影地を観光する聖地巡礼は「ロケツーリズム」として、インバウンド誘客の効果を高く期待できるものです。
アニメ「君の名は。」が描く世界に登場する飛騨市は、作品の舞台を目にしたいと訪れる人も多く見られます。観光客数は前年対比で28倍に増加し、この「聖地巡礼」ブームの代表的な事例として知られています。
聖地巡礼は各国の旅行者によりその市場規模を拡大しています。こうした中で、今週、インバウンドでも最大の市場を形成している中国人観光客の今後の旅行先を大きく左右するとみられる一大ニュースが伝えられました。
台湾出身の人気歌手ジェイ・チョウ(周杰倫)はアジアを舞台に人気を博しています。今月16日にリリースした新曲「説好不哭 / 泣かないと約束したから」も大きな注目を集め、配信から二日間で様々な新記録を打ち立てています。
ミュージックビデオは日本人を起用し、日本で撮影されており、中国のネット上では登場したロケ地が聖地巡礼の人気スポットになると話題になっています。
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人気歌手ジェイ・チョウ(周杰倫)とは?
台湾出身歌手のジェイ・チョウ(周杰倫)は、中華圏の若者に大人気のミュージシャンです。
台湾で2000年にリリースしたアルバム「Jay」でデビューして以来、現在は中国はじめ、香港、マカオ、日本、韓国、東南アジアなどアジア全域で活動しており、楽曲提供やプロデュースも手掛けています。
また音楽活動の他にも、「グリーン・ホーネット」「グランド・イリュージョン 見破られたトリック」などに俳優として出演するだけでなく、「言えない秘密」(2007年)では映画初監督も務めるなど活動の幅を広げています。
今回の新曲リリースの配信から約1時間程度で、ジェイ・チョウのInstagramのフォロワーは急増しています。500万人超のフォロワー数は、台湾の男性芸能人でもトップクラスです。
MVのダウンロード数は2時間で1,000万回&1億6,000万円を売り上げる
9月16日の夜、今回の新曲「説好不哭(Won’t Cry)」(日本語タイトル:泣かないと約束したから)はオンラインリリースされましたが、わずか2時間でYouTubeの再生回数が1,000万回以上を突破しました。中国の大手3大音楽配信サイト「QQ音楽」「酷狗音楽」「酷我音楽」でも、約2時間ほどで楽曲ダウンロード数が1,000万回を上回り、売り上げは約1億6,000万円(4,600万台湾ドル)を記録しました。また配信後の一晩では約2億5,000万円(7,000万台湾ドル)を売り上げており、爆発的ヒットとなっています。
QQ音楽ではサーバーがダウンするほどのアクセス数で、ネットユーザーからも滅多にないこととして驚きのコメントが寄せられています。
新曲MVには東京タワーや皇居、高円寺、谷中銀座、パレスサイドビル屋上やスカイツリーが登場!
新曲「説好不哭(Won’t Cry)」のミュージックビデオ(MV)は、東京を舞台にした男女の恋物語です。日本の俳優・渡邊圭祐がカメラマン役の男性、三吉彩花がドリンクショップ店員を演じており、二人がカップルとして出演しています。
MV撮影は東京で行われ、東京タワーや皇居、高円寺、谷中銀座、パレスサイドビル屋上、スカイツリーの見える通り(タワービュー通り)などが映し出されています。MVの撮影シーンとなった場所については多くの口コミが発生しており、今後人気スポットになることが予想されます。
また、この新曲ではロックバンドの五月天(Mayday)のメインボーカルであるアシン(阿信)とコラボレーションするパートもあり、両者のファンを喜ばせています。
この二人は、過去のライブでの共演経験をきっかけに縁が生まれ、SNS上でも交流するほどの関係で、今回のサプライズとして曲コラボをアシン(阿信)にオファーしたということです。ジェイはこれについて「音楽業界に入って20年になる中で歴史的なコラボ」とコメントしています。
Ctrip、Mafengwoでも聖地をオススメ&解説
この新曲は中華圏で一気にトレンドワードとなり、特にMVのロケ地である東京に関してはオンライントラベルエージェンシーのCtripでも検索が爆発的に伸びていると言います。

ネットユーザーからは「さっそく聖地巡礼をしたい」「MVを見てまた日本に行きたくなった」「このシーンはどこ?」などのコメントが寄せられており、今後それぞれのロケスポットに中国人観光客が押し寄せる可能性も見えてきます。
また、「旅行記」と呼ばれるブログ形式のコンテンツが集まる「Mafengwo」にも、各ロケスポットをわかりやすく解説するコンテンツが登場しています。

まとめ
中国では10月に国慶節を迎え、連休中の旅行を計画している人も少なくありません。旅行中の行動は直前に決める人も多い中で、今回のジェイ・チョウのMVは人々の行先に大きく影響を与えそうです。
この機会を最大限に活かしインバウンド集客を加速させることも不可能ではないでしょう。MVに登場するスポットや印象的なシーンを踏まえて、SNSに拡散されるような仕掛けを用意するのも一つの手です。
また、今回のMVにより、今後中国人に東京観光がますます人気となることも考えられます、基本的なインバウンド対策、例えば多言語対応やキャッシュレス対応などを行なっていないのであれば、今からでも導入していくことが大切です。
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<参照>
http://www.mafengwo.cn/gonglve/ziyouxing/299364.html
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