【なぜ】栃木・佐野市にムスリム外国人客が殺到しているワケ:佐野ラーメンとインバウンドの不思議な関係

栃木県佐野市を中心として食べられているご当地ラーメン「佐野ラーメン」が、近年訪日外国人からの注目を集めています。特にムスリム訪日客、つまりイスラム教徒の訪日外国人からの人気が高まっているといいます。その理由は、佐野ラーメンが「ハラル(イスラム戒律的に合法)」なフードだったからです。

この記事では佐野ラーメンから見る、インバウンド向け観光資源の発掘について解説していきます。

「佐野ラーメン」とは

佐野ラーメンとは、透明感のあるスープでさっぱりとした味付けが特徴の、栃木県佐野市を中心として食べられているラーメンです。

夏は蒸し暑く、冬は乾燥している佐野の気候によりできた良質な水と、青竹打ちという製麺技法を用いたコシの強い麺を使って作られています。

佐野ラーメンがムスリム訪日客に人気!その理由は

佐野ラーメンの店舗にイスラム教徒であるムスリムのツアー客が押し寄せています。佐野ラーメンの店舗では、ムスリム向けのメニューを出す店が増えており、ムスリム訪日客から人気を集めています。

この背景になるのが「ハラル」です。ムスリムの人々は豚を食べることやアルコールを飲むことが禁じられています。ムスリム向けに開発された特別な佐野ラーメンではチャーシューの代わりに鶏肉を使い、アルコールの入っていない醤油を使用しています。

この対応を「ハラル対応」といいます。宗教的に対応しているだけでなく、味も美味しいとムスリムの方から定評があります。

ムスリム訪日客を呼び込むう上で理解すべき「ハラル対応」とは

先ほど述べたように、ムスリムとはイスラム教徒のことです。ムスリムは唯一神アッラーを信仰し、コーランと呼ばれる経典に基づき日々の生活を送っています。

既に2010年の時点で16億人以上がイスラム教を信奉していると言われており、その数は増え続けています。東南アジアのマレーシア人やインドネシア人の多くもムスリムです。

ムスリムはイスラム教の定める戒律に従って(=ハラル)行動するため、この戒律に配慮されていない(=ハラムな)食事や体験型の消費には手を出せないという場合があります。

世界人口の「4人に1人がイスラム教徒」となった今、訪日ムスリム旅行者を無視するわけにはいかない…そのための具体的なインバウンド対策とは?

近年、日本を訪れるムスリムの訪日外国人が増えていますが、観光庁をはじめとする各省庁では訪日ムスリム旅行者向けの具体的な施策を取りまとめ、「訪日ムスリム旅行者対応のためのアクション・プラン」を策定しています。これは今後日本におけるムスリム対応を推進するための具体策を取りまとめたもので、今後政府はこのプランに基づいた取り組みを進めていくとしています。インバウンド受け入れ環境整備を資料で詳しくみてみる「翻訳・多言語化」を資料で詳しくみてみる「多言語サイト制作」を資料で詳しくみてみる「多言語化表示...

ムスリムとは

ムスリムとはイスラム教徒を意味します。世界中に10億を超える人々がイスラム教を信奉しており、東南アジアのマレーシアやインドネシアにも多く存在し、近年日本を訪れるムスリムも増えています。ムスリムはイスラム教の定める戒律に従って行動するため、この戒律に配慮されていない食事や体験型の消費には手を出せないという場合があります。首都圏では近年、こうしたムスリムにとっての不便を解消するサービスが徐々に始まっており、例えば今年には埼玉の美容室がムスリム向けのサービスを始めています。この店舗ではムスリムの...

栃木県佐野市は町全体が「ムスリム歓迎」

栃木県佐野市は町全体としてムスリムを歓迎しており、観光客や定住者を支援するための取り組みを実施しています。

2016年にインドネシアの旅行会社と提携しツアーを開催したり、礼拝するためのモスクや、紙の地図がほしいという意見を受け観光マップ、指さし会話を設置するなどの体制を整えたりと、ムスリムの過ごしやすい環境づくりが進められています。

また、それらの効果もありムスリム向け飲食店や食料品店も増加傾向にあります。

他にもムスリム向けのPR動画を作成し、佐野市の魅力を発信しています。


▲[ムスリム佐野観光PR動画(PR video of Sano City for Muslim):YouTubeより引用]

ムスリム向けインバウンド対策

日本人が普段何気なく行っていることでも、ムスリムにとっては戒律に反しているということが多くあります。ムスリム向けのインバウンド対策をするのであれば、ムスリムについての知識を深める必要があります。ムスリムの習慣やムスリム向けのインバウンド対策について見ていきましょう。

1. ムスリムの習慣を知る

ムスリムは、イスラム教の聖地であるメッカの方角へ向かって1日5回礼拝をします。ムスリムの礼拝は、地面にひざまずいて行うため、礼拝のための部屋を用意する必要があります。

また、イスラム暦9月のラマダーン(断食月)には日没まで断食します。希望があれば朝食を夜明け前に取れるようにするなどの配慮をするとよいでしょう。

さらに、女性は家族以外の男性に肌や髪の毛を見せることはよくないとされ、異性との接触は望ましくないという教えがあります。大浴場なども避けたいと考える傾向にあり、貸切風呂などプライバシーのしっかり確保できる環境を案内できると喜ばれます。

2. ムスリムが食べられる料理「ハラルフード」

ハラルフードとはイスラム教の信者ムスリムが宗教上、食べることを許された食材・食事のことです。ハラールフードともいいます。「ハラル」はアラビア語で「許された」を意味します。

禁止されている食材の例としてよく挙げられるのが豚肉とお酒です。

また、豚肉以外の牛や鶏などの肉であっても、イスラムの法律に基づいて処理されたものでなければ食べられないので注意が必要です。

ムスリムの人たちが安心して食事ができるように整備された制度のことを「ハラル認証」と言います。

飲食店のための宗教別インバウンド対策・おもてなしポイント:イスラム教編

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ハラール対応でムスリムに優しい店を実現

日本はムスリム向けのインバウンド対策が未だ進んでいないと言えます。その中でひと足先にムスリム対応に取り組むことで、栃木県・佐野市のようにムスリム客が多く集まることが期待できます。

ムスリムの満足度が向上することに加え、店側も新たな客層の開拓につながるでしょう。

一歩先のムスリム対応「ハラル化粧品」洗顔・歯磨きも安心できてこその"おもてなし"

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<参考>

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訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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