『千と千尋』のあれが食べられる台湾で「スタジオジブリ・レイアウト展」が終幕:人気1位は『ハウル』

2019年1月19日から4月18日まで、台北・中正紀念堂にて、ジブリ作品の原画などが多数展示される「スタジオジブリ・レイアウト展(吉卜力動畫手稿展)」が開催されました。

この「スタジオジブリ・レイアウト展」は2008年の東京興行を皮切りに世界各地を巡行して開催されていたもので、2019年の台北興行を以て11年間に及ぶ世界興行が終了となります。海を越えた台湾で、ジブリ作品はどのように愛されているのでしょうか。

今回は台湾とジブリの関係について、インバウンド目線から紹介します。

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「千と千尋の神隠し」の雰囲気を持つ街「九份」

2001年に公開された「千と千尋の神隠し」は、台湾でも同年に「神隱少女」という名前で公開されています。

現在でもDVDやブルーレイディスクで発売されるなど人気を博しており、特に「千と千尋の神隠し」の作品に出てきた異世界に似た雰囲気を持つ台北郊外の街「九份」は、休日になると観光客で大賑わいの様子を見せています。

九份老街(九份旧市街)の様子
九份老街(九份旧市街)の様子

19世紀の雰囲気を今に伝える歴史のある街

台北駅から電車とバスを乗り継いで東へ向かい、1時間半程で到着する九份は、19世紀末に付近の「金瓜石」にて金鉱の採掘が始まったことがきっかけで、鉱山街として栄華を極めました。

多くの建物が建てられ、鉱夫や関連企業の社員とその家族などで街は活気に溢れていましたが、金の採掘量は次第に低下し、1971年には遂に閉鉱となったため街は衰えてしまいました。

その後、1989年に映画「悲情城市」の舞台となったことで観光客が増加し、その後は街全体で観光産業に力を入れたことで、現在では多くの観光客で賑わう明るい街になっています。

「千と千尋」登場するあの食べ物は実在した

映画「千と千尋の神隠し」の序盤では、主人公・荻野千尋の父と母が異世界の食べ物を食べて豚になるシーンがありますが、そこに登場した食べ物に酷似した「肉圓(バーワン)」という食べ物が、九份にはあります。

元々この「肉圓」は、台湾中部・彰化県の郷土料理で、豚肉、キノコ、フカヒレ等がゼラチン状の皮に包まれたものです。店によって具は様々で、香菜(パクチー)をつけて食べることもあります。九份にも肉圓の専門店がいくつか存在するため、映画の雰囲気そのままの街で作中の料理に舌鼓を打つ観光客が多く見られます。

2019年1月「スタジオジブリ・レイアウト展」台湾で開催

このように、九份の存在などがあり台湾では多くの人にジブリ作品が愛されています。そのことを踏まえて、世界興行をしていた「スタジオジブリ・レイアウト展」は、最後の興行先として台湾を選びました。

2019年1月19日から4月18日までの3か月に渡る展示には多くの人が足を運び、無事に有終の美を迎えられました。

ジブリ会長「これが最後だ」台北興行に込められた思い

日本では2018年6月〜9月に宮崎県にて行われた興行が最後となっています。台湾の開催は11年に渡る世界興行の最後を飾るものであり、スタジオジブリ代表取締役会長・星野康二氏は「『これが最後だ』という思いで臨んだ、作品から創作者の思いを汲み取って欲しい」とメディアの取材に答えています。

会場では『となりのトトロ』『千と千尋の神隠し』『風の谷のナウシカ』等、数あるジブリ作品のレイアウト約1,400点が展示され、前年4月に逝去した高畑勲監督の『平成狸合戦ぽんぽこ』『かぐや姫の物語』等のレイアウトも併せて展示されました。

台湾でもジブリは人気『風立ちぬ』興行収入2億1,697万円記録

台湾では、ほぼ全てのジブリ作品が中国語に翻訳されて上映されています。

『風の谷のナウシカ』は『風之谷』、『となりのトトロ』は『龍貓』、『千と千尋の神隠し』は『神隱少女』等、それぞれオリジナルの名称がつけられています。

2013年に公開された映画『風立ちぬ』も同年中に『風起』という名称で上映され、『千と千尋の神隠し』の7,454万元(2億4,729万円)には及ばないものの6,450万元(約2億1,697万円)の興行成績となりました。

ちなみに、ジブリ作品の中で台湾で最も大きな興行収入を上げたのは2005年の『ハウルの動く城』で歴代興業成績トップの9,545万元(3億1,666万円)となっています。現在制作中の新作映画『君たちはどう生きるか』にも注目が集まっています。

2016年~2017年にも「ジブリ展」

実は2016年6月18日から同年9月18日までの3か月にも、台北・華山1914文化創意產業園區にて「ジブリ・アニメの世界展(吉卜力的動畫世界)」が開催されています。

ジブリ作品9本の名シーン23箇所をピックアップし、ジオラマなどを用いて再現したこの展示は前売り券が発売開始から3日で10万枚以上を売り上げ、開幕1か月で20万人以上が訪れるなどの人気を博しています。ジブリ関係の展示会としてはアジア最大規模となりました。

翌年には台湾の台中、高雄でも同イベントが開催されています。

訪日台湾人の旅行動機であるアニメや漫画作品

日本では多くのアニメや漫画が日々生まれており、アニメ大国・漫画大国と言っても過言ではないほどにその文化は成長しています。

これら多くの作品は海外でも親しまれており、ファンの中には舞台となった場所を見るために日本を訪れる人も多く存在します。アニメや漫画とインバウンドは切っても切れない関係性を持っていると言えるでしょう。

最近はアニメや漫画を利用して地方創生に取り組んでいる自治体も増えてきました。アニメや漫画から始まるインバウンドに注目することで、より多くの訪日外国人に日本を楽しんでもらえる可能性が広がるはずです。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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