新宿の225メートルビルがナイトタイムエコノミーに見出す勝算:2022年、新宿ミラノ座跡地に新ランドマークが誕生

公開日:2019年11月20日

2022年、歌舞伎町の「新宿TOKYU MILANO」の跡地に、225mの高層複合ビルが新たに誕生します。

歌舞伎町は、現在「世界のエンターテイメントシティ歌舞伎町のまちづくりの推進」を掲げてビルの再開発を進めており、新たに生まれ変わる複合商業施設に大きな期待をかけています。

ビル内に映画・劇場・ライブホールといったエンターテイメント施設やホテルを完備することで、訪日外国人観光客からの要望が大きいナイトタイムエコノミーの活性化を狙いっています。

また、東京では「新宿TOKYU MILANO」の跡地以外にも、各地でビルの再開発が相次いでおり、訪日外国人観光客の取り込みを意識した構成・内容になっているスポットが多くあります。

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インバウンド客で賑わう歌舞伎町

歌舞伎町エリアは近年訪日外国人観光客で大変な賑わいを見せています。一体はナイトライフを楽しめるスポットが充実しており、観光や飲食だけでなく宿泊地としても好まれている傾向があります。

観光地化しすぎていない独特の雑多な雰囲気や、日本有数の飲み屋街「新宿ゴールデン街」など、外国人にとって魅力的な要素が溢れています。そしてその歌舞伎町に新たに加わるランドマークも、インバウンド集客を狙った内容となっています。

新宿TOKYU MILANO跡地に建つ再開発ビルが目指すインバウンド誘致

東急電鉄・東急レクリエーションの発表によると、2019年8月から本格着工し、2022年8月31日の完成を目指しています。

地上48階、地下5階、塔屋1階からなる高さ225mの高層ビルに、店舗・エンターテインメント施設・ホテルなどが入る予定です。大型複合施設となるため、施設内で買い物・食事・娯楽・宿泊とすべてを完結できるのが大きな魅力です。

また、隣接するシネシティ広場周辺と連動性をもたせて整備させるため、エリア一帯のさらなる賑わいの創出が期待できるでしょう。

ナイトライフを充実させるエンターテイメント施設

再開発ビルには、映画館・劇場・ライブホールなどが併設され、エンターテイメント性が重視された構造になっています。

日本を訪れた外国人からは、ミュージカルや伝統的なショーなどを見たいという声が挙がっていることから、一定の需要が見込めます。

海外では、ニューヨークのブロードウェイ、ロンドンのライブパフォーマンスなど、施設数やコンテンツが充実しており、世界中の観光客からも高い人気を得ています。

日本では、まだまだエンターテイメントの面でインバウンド集客の余地があるため、インバウンド集客にも効果的な魅力あるコンテンツを提供することが重要になってきます。

急増する訪日外国人観光客への宿泊施設提供

再開発ビルの上層階に整備されるホテル部分は、東急ホテルズが運営を行います。アートや音楽などをテーマにした客室も備わり、宿泊施設自体へのこだわりも見られます。

また、劇場やライブホールなどのエンターテインメント機能とホテルを連動させることによって、外国人観光客が求めている充実したナイトライフと宿泊場所の提供が可能になります。

再開発ビルはエンターテイメント要素強化でインバウンド集客狙い

「新宿TOKYU MILANO」跡地をはじめ、現在東京各地でビルの再開発や建て替えが相次いでおり、魅力的な新スポットが続々と誕生しています。

いずれもオシャレなアパレル店、人気レストランなど多様な店舗が入り、デザイン性の高いオシャレな施設へと変貌を遂げています。

中でも注目したいのは、「新宿TOKYU MILANO」跡地に建つビルと同様に、劇場やライブホールなどのエンターテイメント施設を併せ持つスポットが多いことです。

娯楽面を充実させることで、新たな客層やインバウンド客の獲得へと繋がることが期待できます。

1.渋谷パルコ

「渋谷パルコ」は、建て替え期間を経て2019年11月下旬の開業を予定しています。

東京独自のファッションやカルチャーを世界へ発信すること、そして日本人のあらゆる世代はもちろん、訪日外国人観光客を取り込むことを意識しています。

建て替え工事前は、ファッションや日本のアニメを取り扱うフロアが外国人に人気が高く、全体の客数の2割を占めていました。

リニューアルに伴い、ゲームやアニメ、モード系のファッションブランドなどの拡大・強化により、インバウンド客の比率を3割まで伸ばすことを目標としています。

さらに、「渋谷パルコ」の8階には新しくなった「パルコ劇場」も入り、演劇専用劇場として整備される予定です。

2.ハレザ池袋

2020年7月オープン予定の「ハレザ池袋」は、3つの建物で構成され、8つの劇場を備えるエンターテイメント性が高いビルであることが特徴です。

ミュージカルをはじめ、伝統芸能を公演するホールや、日本のアニメ・サブカルチャーを楽しめる空間など、それぞれ個性的な劇場が揃います。

例えば「ニコファーレ池袋」では、最新技術とインターネットを駆使したバーチャルキャラクターによるライブが見られるほか、アニメやゲーム関連のイベントを開催するなど、日本のカルチャーに触れられるスポットとして、外国人の利用も見込んでいます。

3.ウォーターズ竹芝

「アトレ竹芝」は、2020年に「ウォーターズ竹芝」となって開業する予定です。タワー棟とシアター棟に分かれ、タワー棟の上層部にはホテルが整備されます。

東京湾や浜離宮を見渡す絶景が見られるラグジュアリーホテルで、世界中から訪れるゲストにハイレベルのおもてなしを提供します。

そしてシアター棟には、国内最大級の劇団四季の専用劇場「春」「秋」がオープンします。劇団四季は多くのディズニーミュージカルも上演しているため、外国人にも受け入れられやすいと言えます。

また、劇団四季の演目には「スマートグラス」が利用できるものが登場しつつあります。「スマートグラス」はメガネのようにハンズフリーで装着でき、グラス越しに字幕を読みながら鑑賞することが可能です。

こういった外国人客の利用を意識した対策を実施することで、より気軽に足を運んでもらいやすくなるでしょう。

商業施設がナイトタイムエコノミー活性化に貢献

東京にも多様なナイトスポットはありますが、ロンドンやニューヨークといった海外の大都市に比べると市場は小さく、まだまだ伸びしろがあると考えられています。

東京都の発表によると、平成30年に東京都を訪れた外国人旅行客は約1,424万人(前年比3.4%増)となっており、 約3,119万人の全体数の半数近くが訪れている計算になります。

これだけ多くの人が訪れている東京ですが、2020年の東京オリンピックを踏まえてさらなる集客を見込み、加えてナイトライフを活性化させることよって、インバウンド消費の増加を期待しています。

ここでは、ナイトライフの活性化の後押しとなる有効な対策を見ていきます。

観劇・ライブホールなど娯楽施設の充実

インバウンド観光が活発になればなるほど、夜の時間を持て余す外国人観光客が増え、ますますナイトライフへの要望が大きくなってきます。

世界的に見ると、ロンドンやニューヨークなどの大都市では、バー・クラブ・劇場・ライブハウスなど、夜になっても遊べるスポットが非常に充実しています。

東京でナイトライフを楽しむなら、飲食店・夜景スポット・夜でも鑑賞できる美術館や水族館など様々な場所があります。

そして、今後さらなる需要を見込んでいるのが劇場やライブホールです。

日本のカルチャーに触れられるスポット・機会が増えることで、新たな東京の魅力として受け入れられることが期待できます。

夜間イベントの開催

東京のナイトライフを満喫する一つの方法として、ユニークな夜のイベントの開催も挙げられます。

日本にはハロウィン・クリスマス・バレンタインといった四季折々のイベントが充実しています。中でも創意工夫のこらされたコスチュームが見られる日本式のハロウィンは、多くの訪日外国人観光客にとっても魅力的に映っているようです

池袋では「池袋ハロウィンコスプレフェス」が開催され、世界中からコスプレイヤーが集い、大変な盛り上がりを見せています。また神奈川県川崎市で毎年実施される国内最大級の規模を誇るハロウィンイベント「カワサキハロウィン」も高い人気があります。

このように日中はだけでなく夜にインパクトのあるイベントを実施することで、参加者の口コミや写真がSNSなどを通じて広まり、新たな参加者を呼び込む好循環を生み出しています。

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宿泊施設の併設

再開発ビルの強みの一つは宿泊施設も完備しているところです。ナイトタイムエコノミーを活性化しようと街をあげて整備するのであれば、必然的に近くに宿泊場所を確保することが求められます。

街の中心地や同じ建物内など、近場にホテルを完備されていれば観光客が観光や飲食など時間を気にせずゆっくりと楽しみ、心ゆくまで夜の時間を過ごすことが可能になります。

インバウンド客のニーズに沿ってナイトライフの充実を図る

「新宿TOKYU MILANO」跡地の再開発ビルは、エンターテイメント性の高いスポットと宿泊施設の両方を揃えることにより、時間を気にせずナイトライフを満喫できるのが魅力です。

増加の一途をたどる訪日外国人観光客のニーズに答え、より多くのインバウンド集客を成功させるためには、ナイトライフスポットの創出や、気軽に足を運んでもらえるように積極的な情報発信が必要となります。

外国人も楽しめる夜のスポットの選択肢を増やすことで、今後より多くのインバウンド集客を見込めるでしょう。


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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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