インドは少し前の日本人にとって「自分探し」のための旅行先として有名でしょう。現在も、治安がそこそこよく、交通インフラも発達していることから人気の旅行先です。
旅行や出張で外国を訪れる際にはコミュニケーションをとるための言語も気になるところです。また、インドからの訪日客も年々増えており、2018年度には15万4,000人をきろくしています。
この記事では、インド人の英語の特徴やインド旅行で注意すべきポイントについて解説します。
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インド人の英語力ってどれくらい?
インド人の言語力や計算力については、非常に高いという評判があります。では、英語力はどれほどなのでしょうか。インドではヒンディー語が公用語です。
以下では、インドで使用されている言語、インド人の英語力について解説します。
多様な言語を持つ
才知なイメージで知られるインド人の内には3つ以上の言語を習得している人も少なくありません。日常生活では連邦公用語のヒンディー語が使用されるケースが多いものの、英語も政府の公用語として公式に使用されており、その他に憲法で公認されている州の21言語があります。
人口の約4割にあたる4億ほどの人々はヒンディー語を話しますが、それ以外の人々はそれぞれの地方で話されている現地語などを話しています。
インドには一説では約600の現地語が存在すると言われており、日本とは大きく異なる言語事情となっています。
英語能力ランキングでは34位
世界的な英語能力についての指標であるEF英語能力指数において、インドは88の国や地域の内34位で「標準的」に分類されています。
世界全体で見ると上位寄りの標準的な英語力であり、アジアの国や地域と比較するとシンガポール、フィリピン、マレーシア、香港特別行政区に次いで5位という結果です。
なお、先進国の中では英語力が劣っていると言われることも多い日本は53位で「低い」に分類されます。インド人の場合、日本よりも英語が得意ということができるかもしれません。
世界で二番目に多い英語話者人口
インドでは、人口の約1割にあたる1億人ほどの人々が英語を話しており、人数という観点から見るとアメリカの次に英語を話す人が多い国です。特にビジネスシーンにおいては英語が堪能なインド人が多いと感じるでしょう。
しかし、一方で旅行に行った際に市街地で出会うインド人の多くは、日常的な英会話はできるものの、使う英単語は平易なものばかりであったり、発音に強い癖がありほとんど聞き取れなかったりすることもあります。
インド英語の特徴とは
先述の通り、インド人の英語には独特の発音やイントネーションがあって、インド英語に慣れていない日本人には聞き取りにくいことも多々あります。
しかし、インド英語の傾向をつかむことである程度意味を汲み取るやすくなるでしょう。
以下では、インド英語の特徴について解説します。
発音の特徴
英語を話す国は世界中に多くありますが、発音やイントネーションにそれぞれ特徴がある場合も少なくありません。
こうした特徴は、母語の発音と関係していると言われています。ヒンディー語やそれに類する言語を母語として使っているインド人には、ある程度共通したなまりが現れる可能性が高いと言えるでしょう。
インド英語の発音では、“z”が“j”に、“v"が“w”になる傾向があります。日本人が聞き取った場合、“because”は「ビコージュー」、“level”は「レウェル」と聞こえるようです。
昨日と明日が一緒?
ヒンディー語では、昨日、一昨日、明日、明後日を1つの単語で表します。
ヒンディー語は基本的に会話の文脈や動詞の活用から時制を理解する言語です。こうした母語の特徴も、英語での会話や表現に影響を与えています。
高等教育を受けていないインド人との会話では、文法の細部から意味を読み取るよりも、文章全体から大まかな意味を汲み取るよう心がけるとスムーズかもしれません。
イギリス英語と似ている?
国や地域に特有な英語の発音の傾向や語彙を分類して、イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語などという分類もあります。この中で、インド英語はイギリス英語に近い部分が多くあると言われています。
しかし、アクセントや語彙について詳しく見るとインド英語とイギリス英語の間にもいくつかの違いがあります。まず、発音についてイギリス英語では母音に力を入れて抑揚をつけますが、インド英語ではアメリカ英語と同様にあまりアクセントをつけない発音が多く見られるそうです。
単語についてもアメリカ英語との共通点があり、例えばイギリス英語における「履歴書」は“resume”、アメリカ英語およびインド英語では“bio-data”です。同様に、「トイレ」もイギリス英語では“restroom”であるのにに対してアメリカ、インドでは“lavatory”です。
一概に、インド英語はイギリス英語と近いとは言えないようです。
インド人と接するときに気を付けたい3つのこと
インド英語については、上記に挙げたポイントをおさえておけば日常のコミュニケーションにおいて困ることは少ないでしょう。しかし、海外を訪れる際には文化やマナーについての注意点も理解しておく必要があります。
日本では何気ない言動であっても、現地の人々にとっては怒りを買うようなタブーであったということも珍しくありません。こうした意識は、訪日旅行中のインド人を接客するような場合にも持っておいても良いかもしれません。
インド人とのコミュニケーションの際に注意すべき点について解説します。
1. 服装は場所を考える
インドでは、肌を出す習慣があまり定着しておらず、旅行者であっても露出の多い服装は避けるべきであると言えます。
寺院巡りはインド旅行の醍醐味の1つですが、特に寺院やモスク、宗教関連施設においては肩や脚が出るような服装は厳禁です。
また、寺院などの内部に入る際には入り口で靴を脱ぐのがマナーとされています。
インド人は信心深く、自らの信教に対して特別な思いを抱いている人々が多くいます。
露出の多い服装で寺院やモスクを訪れることや靴を脱がずに寺院へ入館することは、信教に対しての侮辱であると捉えられてしまうこともあるため、特に注意する必要があります。
2. 右手は「浄」
同じく宗教的事情を背景として、インドでは体の右半身が「浄」、左半身が「不浄」であるという考え方が根付いています。そのため、利き手に関わらず食事の際には必ず右手を使い、トイレでは左手を使います。
また、日本でも握手は右手で行うのが一般的ですが、インドでは握手の際に「不浄」の左手を差し出すことは大変な失礼にあたります。荷物を持っている時には特に、うっかり左手を出してしまわぬよう、注意しておく必要があります。
3. 写真撮影
インドでは、写真に対する警戒心が強く、駅や地下鉄構内、空港などでは写真撮影が禁止されています。インド国内には撮影禁止の場所もあり、そうした場所で撮影を行おうとすればカメラの没収や通報をされてしまう可能性も十分にあります。
インド旅行中は、寺院の内部なども撮影禁止の場所が多いため、必ず確認してから撮影しましょう。観光地である以前に、信者たちが祈りを捧げるための神聖な場所であるという意識を持つことが大切です。
なお、インドでは人や物を撮影することについてチップを要求されるケースもあります。
インド英語とインドの常識を踏まえ、効果的なインバウンド対策を
インド英語には発音やアクセント、語彙などの面で特徴的な部分はありますが、日常的な会話であれば多くの人とスムーズに英語でコミュニケーションがとれると考えられます。インド全体では英語を話せない人々もまだいるわけですが、都市部や観光地では英語を話せることを期待しても良いでしょう。日本人にとっても、旅行しやすい国であると言えるでしょう。
今後増えていくインバウンドインド市場の需要とりこみを企画する場合には、こうしたインド現地の常識を踏まえることで、より快適な日本滞在を提供できるはずです。
<参照>
https://www.efjapan.co.jp/epi/
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