職場の中国人とうまく付き合うための4つのポイントとは?中国人起用の際に気を付けたいことまとめ

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職場で中国人の採用を行っている企業にとって、中国人の考え方やお国柄などを理解しうまく付き合う方法を知ることは非常に重要です。

この記事では、職場にいる中国人とより良い人間関係を構築するために必要な4つのポイントについて解説します。


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日本で働く中国人の雇用の種類は?

中国人が日本で働くためには、就労可能な「在留資格」が必要です。留学生や、技能実習生は日本で働く外国人として近年多くの人に知られた存在ではないでしょうか。

彼らはコンビニや、比較的語学能力が高くなくても従事可能な業務に就労します。また「技術・人文知識・国際業務」「企業内転勤」「高度専門職」の資格で就労する人はいわゆるホワイトカラーの業務に従事しています。このほか、教授や経営者、医療、研究者など専門性の高い業務に従事する人のための資格があります。

これらの在留資格を得るためには、入国管理局に関連資料を提出する必要があります。入国管理局では、関連書類をもって雇用する妥当性があるのかを審査します。雇用者からすると、ある人物を雇いたい場合にこれらなんらかの在留資格を取得して雇用できるのではと考えるかもしれませんが、その事業所で働く妥当性が認められなければ許可はおりません。

また留学生の場合は就業時間に制限がありますので、留学生を雇用する場合は勤務時間に注意が必要となります。

インバウンドの中国人旅行客を対象とした業務においては、国籍にかかわらず中国文化のバックグラウンドを持った人材の起用というケースも考えられます。長期日本に在住している人の場合、就労に制限のない在留資格を保持している場合もあり、この場合は行政上の特別な手続きは不要になります。

いずれにせよ、外国人を就業させる場合、雇用主はその人の在留資格で就業が許可されているかどうかを確認する必要があります。中国人旅行客のインバウンド対策で人材を雇用する場合には留意しましょう。

求人でもWeChatが活用される

日本人、中国人という区分に関係なく、優秀な人材の確保は簡単な問題ではありません。インバウンド対策に従事できる人材に最低限必要な能力はまず、中国語と日本語の両方の言語を理解するという点でしょう。

こういった人材にアプローチするには、以下のようなルートが考えられます。

  1. 求人媒体への出向
  2. 中国人コミュニティへの口コミ拡散
  3. 紹介

特に注目すべきは口コミの拡散力です。中国国内ではLINEが利用できないため、日本に居住している中国人でもメッセージングアプリのWeChatを利用している割合は非常に高いと考えられます。WeChatでは数十人~数百人規模のグループが作られている場合も多く、同窓会やビジネスの情報交換の場など、一人で複数のグループに所属しています。

もしもすでに先に雇用している中国人スタッフがいるのなら、その人が所属するコミュニティ内で情報の拡散を依頼するのも一つの手です。

ただし、グループによってはそのような紹介を禁じている場合もありますので依頼しても対応不可の場合もあります。

WeChat(微信)とは?使い方と機能紹介|中国版LINEの活用術を解説

「WeChat(微信:ウィーチャット)」は中国人の生活に欠かせない存在となっており、日本でいうLINEのようなアプリです。 月間アクティブユーザーは10憶人を超え、中国国内で利用されていることはもちろん、訪日中国人に向けたインバウンド対策の有効な手段として利用されています。 この記事ではWeChatをインバウンド対策に活用するための使い方から便利な機能もご紹介します。 関連記事WeChatを機種変更後に引き継ぐにはWeChat PayとAlipay:中国のQR決済の双璧 ...

中国人とうまく付き合うための4つのポイント

さて、いざ人材と巡り合えたとして、その後のマネジメントや同僚としての付き合いでは、日本人とは違うという意識がよりスムーズな関係構築につながります。中国人従業員と付き合う際、いくつかポイントになる事項をご紹介します。

ポイント1. まずやってみる、トラブルは起きてから対処を考えるのが中国流

日本人の仕事の進め方として、まず、すべての起こりうる可能性を確認してから進めるというやり方があります。

しかし中国人の場合、最短距離で目的に到達することを重視し、まずは行動を起こしてみて、その結果直面する問題に対処するというやり方を採用する場合も多く見られます。「起こりうるトラブル」「想定されるトラブル」は、発生しない限り問題とはとらえられません。

そのため、従来の日本式の組織や企業と、中国文化を背景に持った従業員がコミュニケーションをとると、前者は「なぜ起こりそうな出来事の予測をして動かないのだろう」、後者は「なぜ起きていない事態をそんなに心配して予測して、対処法まで考えて見解を共有しなければならないのだろう」というストレスにさらされることになります。

ポイント2. 言葉ができるからといって、特定分野で生かせる能力があるとは限らない

「中国語ができるから」といって、たとえば中国のSNS運用担当にアサインしたり、中国現地の組織、企業とのコミュニケーション担当にアサインしたりする場合も多いのではないでしょうか。実は「中国語が流暢に話せる」ことと、「中国語を用いて、特定の分野で、組織の利益のために力量を発揮する」ことはまったく異なります。

立場を反対にして考えてみましょう。中国企業が、あるPR未経験の日本人を突然PR担当に就任させ、彼(彼女)に成果を上げることを期待したらどう感じますか? おそらく、そんな配置では何の成果も期待できないと感じるのではないでしょうか。

日本人ならばしないような期待を、自分の解さない言語を操るからと言って中国人従業員にだけ押し付けるのは間違いです。

またSNSしかり、業務の進行しかり、手続き一つとっても中国の形式は日本とは異なります。これら「文化の違い」を感覚的だけではなく両方の言語で明確に表現できることは、双方のギャップを埋めていくことにつながります。言語と文化の双方の理解がある人物こそが、インバウンド対策で活躍してくれる存在と言えるでしょう。

ポイント3. 自分の利益が最優先、性悪説で生きている

日本人従業員について、明確なルールで縛らなくても従業員は会社に不利益を与えないよう一生懸命仕事をするだろうと考えるケースは多いでしょう。たとえば、遅刻に対してペナルティを与えなくても、時間5分前には就業場所に到着する、これは日本人にとってはほとんど当たり前のことです。

しかし中国人にとっては、罰則がないのなら遅刻してはいけない理由は特にないのです。遅刻が組織に不利益を与えることになったとしても、自分にとっての不利益(たとえば1分遅刻につきいくらか罰金が発生するなど)がなければ、遅刻していけない理由は特にありません。

同時に、他人もそのように「自分の利益最優先」で生きているはずと考えるので、もし守ってほしいルールがあるのなら、それを破った時に当人にデメリットが発生するような仕組みを考えます。こういった思考回路が、現在中国社会に多く設置された監視カメラと、信用スコアのサービスにつながっていると言えるでしょう。

他人を疑うことを美徳としない日本人にとっては居心地の悪い人間関係と感じてしまうかもしれません。ですが、こういった文化の差を理解し実際の勤務に応用できると、中国人従業員との関係はかえって円滑になったりします。

中国人との付き合い方に関するTwitter投稿
▲Twitter投稿:編集部スクリーンショット

Twitter:中国人との付き合い方に関する投稿(https://twitter.com/KisaragiRuyue/status/1033926999172034560)

ポイント4. 絵文字の顔は目が笑っていないと怖い

以上は「日本人から見た中国人の違和感」の正体でしたが、中国人からすると建前を大事にする日本人のコミュニケーション方法には違和感があります。たとえばチャットの際に使われる絵文字の顔です。日本人と中国人では、相手に対し好感を抱いていることを伝える場面で、好んで選ぶ絵文字に違いがあります。

日本人は、目は開いており口を閉じて笑った顔文字を文末に置く場合があります。自分の意見を述べつつも相手に対して耳を傾けているという気持ちを表現する場面で活用する場合も多いのではないでしょうか。逆に、大きな口を開けて歯を見せて笑っている顔文字は、大げさに過ぎると感じて手を出しにくいこともあるかもしれません。

しかし、目を見開いて笑っているデザインは、中国人にとっては違和感があります。目が笑っていないため、実際には好意的に思っていないのではないかという印象を抱かせます。結果として、メッセージの送り主の本心がどこにあるのか理解できないまま終わってしまい、場合によっては部下や同僚との距離が縮まらないという結果につながりかねません。

中国人の強みを職場で活かすには

訪日中国人は今年も引き続き増加しています。今後もインバウンド業界では市場に対応するため中国の文化を背景に持つ人々を採用することも増えていくでしょう。

今回紹介したような日中間の思考の習慣に対し、どちらが良い、悪いと判断することはまったく必要ありません。雇用現場においては、特にその違いを理解し、社内、社外問わずコミュニケーションの円滑化に役立てることが重要です。また「中国人だから」といって画一的な人物像を当てはめることもまた正解ではないでしょう。

日本人と中国人では、思考のベースに異なる部分があるかもしれません。しかし、日本で働く中国人と日本人の間に存在するのは人対人の人間関係です。

職場においても、お互いに言葉を重ね、時間をかけて相手を理解していくことで中国人スタッフの良さを最大限引き出せるのではないでしょうか。それが、結果としてインバウンド市場をさらに盛り上げていくことにつながるでしょう。

<参照>

厚生労働省:日本で就労する外国人のカテゴリー(総数約127.9万人の内訳)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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