訪日中国人が「日本のお弁当」に抵抗感を抱くワケ:お寿司、コンビニはどう攻めるのが正解?

公開日:2020年01月27日

中国人が日本を訪れる理由の一つに「日本食」があります。ラーメンや焼き肉、寿司は定番ですが、最近ではコンビニのホットスナックや牛乳といったチルド飲料にも注目が集まっているようです。

中国現地のコンビニでも、サンドイッチやおにぎり、お弁当が売られています。中国全土で、基本的には「冷めたご飯」はあまり口にしない習慣があります。そのため、弁当はその場で詰めるものが提供されていますし、おにぎりはレンジでチンするといった行動も見られます。

日本式の「お弁当」について、訪日旅行での食体験に期待する人も少なくない中国人は、どのようにとらえているのでしょうか。

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中国人は「冷や飯」お断り!その食習慣の理由は?

「日本の弁当」の中国でのイメージはというと、近年では「キャラ弁」のすごさに注目が集まる一方で、「冷めた主食と料理が詰められている」点に違和感を抱く人もいるようです。

中国人は、冷たい料理に対し抵抗感を抱きがちです。例えばビジネスの場で、日本であれば昼に豪勢なお弁当が提供されることもありますが、中国人の中には食べなれず箸が進まないという人も散見されます。

なぜなのでしょうか。

1. 体に悪いというイメージ

もともと中国では、冷たいものを飲食すると身体が冷えて健康に悪いと言われています。漢方の考え方から、体内温度を上げることが健康的とされているためです。

子どもの頃から、冷めた食べ物は再度加熱食べることが当然で、ご飯も温めて食べます。ご飯だけでなくお茶も温かいものを好み、飲食店のビールも通常、常温で提供されます。

また、中華は油を使う料理が多く、冷えた油は胃に重たく感じられることから、お腹壊すイメージを持っているとも考えられます。

2. 基本的に冷めたままの食事は食べない

中国では、職場から自宅が近い場合、一度帰宅し昼食を作って食べる人もいます。朝から昼食を準備する手間を省けるという点からこのような生活習慣となっていることも考えられますが、朝準備した食事は当然ですが「昼は冷めている」というのも理由の一つでしょう。

職場にお弁当を持参する場合も、各職場に完備された電子レンジで温めてから食べるのが基本です。

日本人にとっては、「冷めていてもおいしさに何も問題のない弁当」は、わざわざそのように表現するのが不思議なほど普通のものです。しかし、上記のような日常生活を送る中国人の目には、常温のお弁当をおいしそうに食べる光景はいささか不思議に映るようです。

中国人にも人気な日本の食事

日本の弁当に違和感を抱く中国人も、日本の食事全般への評価は高い傾向にあります。中国人に人気の日本の温かい料理や、訪日中国人向けに効果的な食のPRのポイントを紹介します。

温かい料理のラーメン「一蘭」はやっぱり人気

訪日中国人の中では、ラーメンの「一蘭」が長らく人気飲食店となっています。

中国で最大規模の口コミサイト「大衆点評」で、最も多く口コミを獲得している日本の飲食店の一つが一蘭でした。実際に東京や大阪などの主要観光地では、一蘭に並ぶ大勢の訪日中国人が見受けられます。

一蘭の提供する料理はラーメンなので当然温かいものが提供されます。「温かい」という点はやはり、中国人の飲食にマストな条件なのかもしれません。

麺類は東西南北に国土を持ち様々な文化を有する中国において、広く食べられている主食でもあり、こうした点からも「訪日中国人」全体に受け入れられていると考えられます。また「スープ」も中国のレストランでは欠かせないメニューの一つです。こうした要素から、「一蘭」の訪日中国人人気は広がっていったのかもしれません。

「お寿司」は実際、人気?

冷たいご飯を食べる習慣がない中国人ですが、「日本に来たら食べたい食べ物」として寿司が中国メディアで紹介されるほど、日本の寿司へ注目が集まっています。

世界的に有名な日本食であり、中国国内でも寿司店が増え続けているため、認知度も高いといえるでしょう。

訪日中国人の富裕層には、立ち食い寿司が人気のようです。インバウンドに人気の観光スポットである東京・築地において、訪日中国人の富裕層は地元民が行くような穴場の立ち食い寿司店を目当てに訪れています。

新鮮かつ本物の、「庶民の味」としての寿司を堪能することに特別感を見出しているようです。立って日本の伝統食を食べる面白さも人気の理由となっています。

ただし、最近では現地でも日本とそん色ない寿司を食べられる店もある一方で、生魚を食べることに抵抗がある中国人も依然として存在します。こうした人々であっても、訪日旅行の際には、せっかく日本を訪れたからには少しは食べてみたいといった需要もあるはずです。少量から試すことができるお店は、今後需要が高まるかもしれません。

苦手かもしれない「温かくないもの」ですが、旅先でしかできない「体験」とあれば、訪日中国人の来店も十分にありうるでしょう。

次に中国人が食べたい「日本食」は、これだ!?

温かい食べ物を好む中国人は、コンビニのホットスナック他気軽に食べられるアイテムにも注目しているようです。昨年、ローソンが発表したデータによれば、春節期間を挟んだ12日間でよく売れた商品に「肉まん」「チキンのから揚げ」「おでん」がランクインしています。

日本滞在中の行動に、コンビニの普段使いが浸透していると分析しています。おでんは台湾や中国のコンビニも取り扱っているため、現地の食生活の1つとして、訪日中国人にも馴染み深い食べ物と言えます。訪日中国人の消費意欲には、日本のコンビニの思いがけない売り上げ拡大の可能性が眠っているかもしれません。

まとめ:中国の食文化を理解+「コト消費欲」でインバウンド集客

訪日中国人はもともとの食習慣から、日本のお弁当をはじめとする冷たいご飯を敬遠し、ラーメンやホットスナックなどの温かい食事を好む傾向にあります。インバウンドリピーターの中でも、特に高い割合を占める訪日中国人の満足度を向上させる上で、中国の食文化について理解し、インバウンド対策に活かすことは重要でしょう。

近年では中国では、富裕層を中心に様々なタイプの食文化に触れる人も増えています。こうした中で、冷たい食べ物も口にするようになりつつありますが、全体でいえば慣れていない人もまだまだ多数派です。温かくない料理を提供する場合には、一言説明を添えるなどの工夫が必要でしょう。

訪日中国人にはリピーターもおり、また再度来訪したいと考える中国人も少なくないようです。リピーターは、「コト消費」と呼ばれる体験に対する消費意欲が旺盛なのが特徴です。

日本食の魅力を中国人に訴求する際には、訪日中国人のリピーター層を意識し、日本文化のとしての側面や、食事の際の空間の特別さなどが集客につながる重要なポイントとなってくるでしょう。


<参照>

SankeiBiz:幕の内弁当に閉口...熱々にこだわる中国人 アジアの食文化

マイナビニュース:「絶対お嫁に行ける」と中国人も絶賛する日本のお弁当に意外な指摘が...

OZMA PR:中国人が戸惑う日本のアレコレーお食事編ー

exciteニュース:日本人が冷たいものを食べる理由、それを知ると「中国は頑張らなければ」と思ってしまう=中国メディア

訪日ラボ:【事例アリ】大衆点評とは|中国口コミサイト・6億人のユーザー・サービスの登録方法・事例を紹介

livedoor NEWS:中国人が訪日したら必ず食べたい日本料理5つ「行った意味がない」

withnews:ミシュランより立ち食い寿司 中国の富裕層がはまる「ディープ日本」

ITmediaビジネス:中国人観光客は日本のコンビニで何を買う? 上位は意外なあの商品

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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