オリンピック直前、都内ホテルはパンク寸前!?救世主は「北関東の魅力」:訪日ラボ著『インバウンド調査報告書』で読み解く2020年のインバウンドもよう

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さまざまな人やモノが集まる東京は、日本のインバウンド業界を牽引する一大都市でもあります。

2018年のデータでは、年間の訪日外国人観光客訪問者数は約1,423万人宿泊数(のべ)は約2,319万人泊と、どちらも全国第1位の座に君臨しています。

日本で一番訪日外国人が訪れる都道府県でありながら、東京の宿泊施設は年々増加する観光客への対応が遅れ気味ともいわれています。

すでに多くの宿泊施設が受け入れ能力の限界に直面しており、関東圏の各地域が東京へやってくる観光客を協力して受け入れる必要に迫られています。

例えば、訪日外国人栃木県群馬県などの関東エリアへと足を運んでもらうには、どのような対策が有効なのでしょうか。

今回は訪日ラボ著『インバウンド調査報告書2020』のデータから分かることを基に、関東エリアが持っている可能性を探ります。

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ご来場が難しい方や当日ご都合が合わない方も、この機会にぜひご参加ください。

オリンピック開催は目前、なのに、東京のキャパシティは限界寸前?

東京都は日本の首都であり、空の玄関口である羽田空港を擁しています。また、日本最大の空港である成田空港からも、成田エクスプレスやスカイライナーに乗れば1時間ほどで到着できます。

浅草秋葉原新宿渋谷、原宿など、人気観光地も数え切れません。さらにはビジネスの中心地でもあるため、観光目的の訪日外国人だけでなくビジネス目的の訪日外国人も多数東京を訪れています。

まずは、このように日本でも随一の賑わいを見せている東京都インバウンド事情について整理します。

東京都のインバウンドデータを解説

▲[東京都 訪問者数・宿泊者数 2018年上期〜2019年上期比較]:インバウンド調査報告書2020
▲[東京都 訪問者数・宿泊者数 2018年上期〜2019年上期比較]:インバウンド調査報告書2020

2018年上半期、東京都を訪問した外国人は延べ750万7,745人にのぼり、前年同期と比べて6.1%増加しました。この数字は47都道府県中、最も高い数字です。

宿泊者数は前年同期と比べて12.4%増加延べ宿泊者数は前年同期と比べて14.9%増加と、訪問者数だけでなく宿泊する訪日外国人も増えています。

東京都訪日外国人を国別に見てみると、最も多いのは全体の31.8%を占める中国です。続いて韓国人、台湾人、アメリカが上位に入っています。

上位4か国では中国アメリカからの訪日外国人増加していること、そして韓国台湾からの訪日外国人減少していることがデータからわかります。

東京都のインバウンド需要

訪日外国人の訪問率、訪問数、宿泊数のどれもが全国TOPとなっています。


宿泊施設の稼働率、もはや限界間近

▲[東京の宿泊者数/宿泊施設タイプ]:インバウンド調査報告書2020
▲[東京の宿泊者数/宿泊施設タイプ]:インバウンド調査報告書2020

▲[東京のエリア別述べ宿泊者数/エリア別宿泊施設稼働数]:インバウンド調査報告書2020
▲[東京のエリア別述べ宿泊者数/エリア別宿泊施設稼働数]:インバウンド調査報告書2020

23区内の宿泊施設稼働率を見てみると、常に全国平均の約61%を大幅に超過しており、基本的に70%を下回ることはありません

2018年上半期の後半には90%に近い稼働率を記録しました。東京都宿泊施設が持っている受け入れ能力の限界に近付いていると分かります。

オリンピックによる宿泊需要の大幅な増加は避けられないと考えられますが、オリンピックまでの期間で、東京における宿泊可能な部屋数を大きく更新するようなホテルの開業は予定されていません。

現実的に考えて、東京近郊の各県に宿泊需要を分散させる必要があるといえるでしょう。

「東京のとなり」の悩み…山梨県のインバウンド滞在日数・消費単価が低い!打開策は?

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地方へのインバウンドが拡大傾向、でも減っている関東圏も

このように、東京の宿泊施設は常に多くの観光客に利用されており、オリンピックの観戦に訪れる外国人を全て受け入れる余地は少ないと言えます。

こうした外国人が宿泊を検討すると考えられる、東京近郊の各県の宿泊施設稼働率には、どのような特徴があるのでしょうか。

栃木県、群馬県は宿泊施設の稼働率が減少

▲[栃木県 エリア別述べ宿泊者数/エリア別宿泊施設稼働数]:インバウンド調査報告書2020
▲[栃木県 エリア別述べ宿泊者数/エリア別宿泊施設稼働率]:インバウンド調査報告書2020
▲[群馬県 エリア別述べ宿泊者数/エリア別宿泊施設稼働率]:インバウンド調査報告書2020
▲[群馬県 エリア別述べ宿泊者数/エリア別宿泊施設稼働率]:インバウンド調査報告書2020

栃木県群馬県宿泊施設稼働率を見てみると、ところどころで全国平均の約61%を下回る数値が見受けられます。

群馬県利根郡みなかみ町や栃木県那須郡那須町は、2018年上半期を通して稼働率平均値未満となっています。まだまだ宿泊客を受け入れる余地があるといえるでしょう。

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北関東エリアに、インバウンド需要を取り込むチャンス:東京からあふれた外国人

東京が常に全国平均より高い宿泊施設稼働率を記録している現状に相反し、栃木県群馬県など、都心からのアクセスも悪くない北関東エリアには、宿泊施設に余裕があります。

例えば、栃木県宇都宮市群馬県高崎市などは、東京駅から新幹線に乗れば1時間程度で到着します。こうした移動は、訪日外国人にとっても特段負担になるものとは限りません。特に、都内の狭いビジネスホテルに宿泊することと比較した場合、移動してでも快適な環境を選ぶという人もいると考えられます。

こうしたニーズをふまえ、宿泊施設の情報を魅力的にうつるよう展開すれば、オリンピックによる宿泊需要を取り込める可能性も小さくはないでしょう。

交通機関の便利さや北関東ならではの魅力を発信していくことで、オリンピック観戦目的の訪日外国人の宿泊先として、上述のような北関東の各エリアが検討されるのではないでしょうか。

▲[全国籍 人気訪問地トップ20]:インバウンド調査報告書2020
▲[全国籍 人気訪問地トップ20]:インバウンド調査報告書2020

2019年のデータを見てみると、北関東エリアは訪日外国人の人気訪問地トップ20にはランクインしていません。訪日外国人の選択肢となる観光コンテンツに乏しいか、観光コンテンツの存在を適切に発信できていない可能性があります。

オリンピック訪日外国人が増加するタイミングは、北関東エリアのブランディングにもってこいの時期です。北関東はこれからオリンピック観戦と合わせて無理なく楽しめる、観光コンテンツの訴求に取り組むべきでしょう。

『おらが群馬でおもてなし英語』グローバル人材を地域で育てる!群馬県の観光おもてなし英語教材

目次『おらが群馬でおもてなし英語』群馬県の魅力を認識して、外国人に伝える教材開かれた観光地を目指す群馬県『おらが群馬でおもてなし英語』高崎商科大学では、群馬県の観光・サービス業に特化した語学教材『おらが群馬でおもてなし英語』を発行。インバウンドに対応できるグローバル人材を地域で育成する取り組みについて、11月8日に発表しています。『おらが群馬でおもてなし英語』群馬県の魅力を認識して、外国人に伝える教材これは、群馬県の観光・サービス業に従事する地域の人々が、英語での接客・接遇に挑戦できるよう...


北関東エリアの魅力を再発信!旅マエの情報発信はコンテンツの形式

訪日中国人、またその他の国や地域からやってくる訪日外国人にとって、都市を拠点とした観光だけでなく、田舎を楽しむ観光の魅力が知られてきています。

日本のインバウンド市場でも、引き続き地方の人気は上昇することが期待できます。関東エリアの観光ルートの整備により、予想以上の訪日外国人の来訪も実現するかもしれません。

訪日外国人の集客には、旅マエと呼ばれる旅行前の情報収集段階において、情報を届けることが大切になってきます。

例えば、オリンピック観戦と北関東観光をどのように組み合わせることができるのかを、ターゲット市場の人々が多く接触する媒体で情報発信することで、具体的に観光スケジュールを立てる第一歩を後押しできます。また、各国、地域のインターネットユーザーごとに好むコンテンツにも特徴があります。こうした点を踏まえた情報発信が、今後の集客を左右していくでしょう。

訪日外国人へのプロモーション戦略の際は、訪日ラボによる解説と共に最新のデータが分かるインバウンド調査報告書2020をご活用ください。

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本調査報告書について

本調査報告書は「訪日ラボ」が、2018年上期から2019年上期にかけてのインバウンド市場を徹底的に分析することで、2020年上期のインバウンド市場を展望する内容となっております。

本報告書の制作にあたり、観光庁JNTOなどが提供する公的なデータ、株式会社ナビタイムジャパンからのデータ協力、そして自社メディアにて集積した膨大なデータを基に分析しており、変化の激しいインバウンド業界の方にとって価値のある情報を提供することを目的としています。

構成・各章の概要は以下の通り。

  • 第1章「市場全体データから分析するインバウンドの現在」
    • 訪日者数や消費金額総額等のマクロデータに加え、業界を支える事業者へのアンケートも交え、インバウンドの現在の趨勢についてまとめています。
  • 第2章「都道府県別インバウンドデータに見る トレンドと課題」
    • 全国47都道府県を9エリアに分け、県別に各種の公的データを集計。また、NAVITIME提供のインバウンドGPSデータによる宿泊者数や移動データも収録し、外国人訪問者の動向と消費の詳細が分かるデータとしてまとめています。
  • 第3章「国・地域別インバウンドデータに見る トレンドと課題」
    • 政府の指定する重点市場20か国について各種データを集計し、各国の訪問動向と消費内訳をまとめています。どの月にどの県へ訪問、宿泊がなされ、なにを期待して訪日したのか。またどの品目により多くの消費がなされたのか。次にインバウンド対策として打つべき手についてデータを分析しています。
  • 第4章「業界別インバウンド市場ニュースと事例」
    • 2019年1月-6月期において訪日ラボの人気記事を業界ごとにリストアップし、それらをPVの大きかった順に並べ、キーワードを抽出しています。メーカー、交通、宿泊、小売、そして地方自治体のニュースの記事が注目を集め、話題となったのか。業界ごとに分析・解説しています。
  • 第5章「インバウンド対策ソリューション企業一覧」
    • インバウンド向けに受け入れ対応したい・プロモーションしたい事業者をサポートする、インバウンド対策サービスをまとめ、リストアップしています。

書籍情報

書名:インバウンド調査報告書2020[2019年上期のデータから2020年上期を展望する]

著者:訪日ラボ

発行所:株式会社インプレス

発売日:2019年12月24日(火)

価格:CD(PDF)版、ダウンロード版90,000円(税別)CD(PDF)+冊子版100,000円(税別)

【7/3開催】宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」

インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。

本イベントでは「顧客への情報アピール」「顧客体験(ゲストエクスペリエンス)」「運営のデジタル化」など、施設運営に必要なをテーマを、市場の最前線を走るエキスパートたちが集結。お客様が施設を見つける「旅マエ」から、実際に滞在する「旅ナカ」まで、あらゆるフェーズにおける最新戦略と成功事例を徹底解説します。

<本セミナーのポイント>

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宿泊のイマを考える「ホスピタリティサミット」【7/3開催】

【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」

2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。

「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

参加者一人ひとりが、「自分にとって、企業にとって、地域にとってのインバウンドとは何か」「いま、どう向き合うべきか」「どうすれば日本の可能性を最大化できるのか」という問いを持ち帰り、主体的なアクションへとつなげていただきたいと考えています。

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  • インバウンド関連サービス事業者、およびインバウンド業界に興味がある学生
特設ページを見てみる

【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月2回発行しています。

この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

※本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

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「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか:インバウンド情報まとめ 【2025年6月後編】

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

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