長崎県の観光スポットであるハウステンボスは、特に有名なイルミネーションイベント「光の王国」をはじめとして1年中さまざまなイベントを実施しています。
ハウステンボスは訪日外国人観光客からも人気があり、特にアジア圏の訪日外国人観光客を誘致するべくさまざまな取り組みやインバウンド対策を行っています。
緊急事態宣言を受け、臨時休業していたハウステンボスですが、8月17日より一部施設を休館・制限付きで営業しています。
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ハウステンボスとは
ハウステンボスとは、長崎県の佐世保にあるテーマパークです。パーク内にはオランダの街並みが再現されていますが、ヨーロッパ全体をテーマとした施設です。
充実したイルミネーションやイベントと、花や風車によるヨーロッパの雰囲気を感じさせる空間演出が特徴です。
ハウステンボスの基本情報
オランダの風景を再現したハウステンボスの敷地内では、ヨーロッパ風の建物や雰囲気、アトラクションやグルメ、ホテルを楽しめます。
広さは東京ディズニーランドの3倍で、単独テーマパークとしては、日本最大といわれています。
敷地内には四季によって種類の異なる花々が咲いており、夜には季節ごとのイルミネーションが企画されています。
また、その異国情緒漂うパークは映画「ヒロイン失格」やドラマ「坂の上の雲」などのロケ地として、またCMなどでも使用されています。
年間を通じて楽しめるテーマ別イベントを「王国」になぞらえる
ハウステンボスでは6つのテーマでイベントが企画されています。それぞれ花の王国、光の王国、ゲームの王国、音楽とショーの王国、健康と美の王国、ロボットの王国と名付けられています。
「花の王国」は、1年に複数回開催される花のイベントです。開催期間中は、ハウステンボスの広大な敷地内が色とりどりの花で埋め尽くされます。パーク内では、フラワーアーティストの選手権である「フラワージャパンカップ」や「世界フラワーガーデンショー」も行われます。
「光の王国」は、ハウステンボス内で行われるイルミネーションイベントです。2020年5月7日から7月17日にかけては「初夏の光の王国」という名称で開催されています。ハウステンボスのイルミネーションは全国的にも有名で、夜景観光コンベンション・ビューローの日本三大イルミネーションの1つにも選ばれています。
「ゲームの王国」は、ハウステンボス内にあるアトラクションの総称です。敷地内には約50種類のゲームやアトラクションがあり、年間を通して利用できます。
「音楽とショーの王国」は、ハウステンボス内で行われる音楽コンサートやショーの総称です。パーク内では至る所でコンサートが開催されており、そのジャンルはオランダの音楽からクラシック・ポップスまでさまざまです。
「健康と美の王国」は、ハウステンボス内にある健康や美容をコンセプトとした施設の総称です。サプリメントや健康食品を販売する「健康ストア」やバランスの良い食事がとれる「健康レストラン」のほか、スパやサウンドによるヒーリング体験ができる施設などがあります。
「ロボットの王国」は、ハウステンボス内にある最先端のロボットとふれあえる施設の総称です。ロボットが接客することで話題の「変なホテル」のほか、子どもたちがロボットに乗って戦う「バトルキング」などの遊べるコーナーがあります。
このようにハウステンボスではさまざまなイベントや施設を用意することで、老若男女問わずさまざまな顧客が楽しめるようになっています。
チケット・入場料
ハウステンボスのチケットにはさまざまな種類がありますが、ここでは主なもの2つを紹介します。
まずハウステンボスのチケットで最もオーソドックスなのが「NEW1DAYパスポート」です。入場料が含まれ、かつ約50のアトラクション施設を1日中何度でも利用できます。料金は3,500円〜7,000円です。
「アフター3パスポート」は、午後15時から入場でき、約50のアトラクションが楽しめるパスポートです。料金は2,500円〜5,000円です。
ハウステンボスがアジア圏の訪日外国人観光客に人気の理由
ハウステンボスには、特にアジア圏から多くの訪日外国人が訪れています。ここでは、その理由を探っていきます。
近場で楽しめるヨーロッパ
まず、九州の長崎県という近場でヨーロッパのような雰囲気が楽しめるということが挙げられます。九州は特に東アジアからは非常に近く、気軽に訪れられます。実際にアジア圏からヨーロッパに行くには多くの時間と費用がかかりますが、ハウステンボスであれば数時間ほどで到着し、費用も格段に抑えられます。ヨーロッパの雰囲気だけでも楽しみたいという旅行者のニーズに合致しているといえるでしょう。
世界的人気キャラクターのイベント
ハウステンボスでは、世界的にも人気の漫画・アニメ「ワンピース」のキャラクターイベントが開催されています。パーク内では、作品中で主人公たちが乗る船「サウザンド・サニー号」クルーズに乗って、海を回遊できます。
パーク内にはキャラクターと写真撮影ができるメモリアルフォトブースがあり、またレストランではキャラクターをモチーフにした料理が楽しめます。また、パーク内ではグッズも購入できます。
「ワンピース」は中国をはじめとしたアジア圏でも人気があり、そのキャラクターとコラボレーションすることで、アニメ好きの訪日外国人観光客や家族連れのニーズを捉えています。
ハウステンボスのインバウンド対策
ハウステンボスではアジア圏からの訪日外国人観光客を呼び込むためにどのような施策を打ち出し、インバウンド対策を行っているのでしょうか。
中国の決済サービス「WeChat Pay」と「Alipay」を導入
ハウステンボスでは、2020年1月25日に中国のキャッシュレス決済サービス「Wechat Pay」と「Alipay」が導入されました。中華圏の旧正月「春節」の休暇時期に合わせて導入され、ハウステンボス内の150店舗で使用できます。
現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で中国から訪日することはできませんが、感染症収束後にはこのキャッシュレス決済サービスが多くの訪日中国人観光客に利用されるようになるでしょう。支払い方法の充実により、消費増大も期待されます。
Wechat pay インバウンド用語集
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SNS運用
ハウステンボスではSNSを運用し、日本人だけではなくアジア圏の外国人に向けてさまざまな情報を発信しています。
Facebook、Twitter、Instagramの公式アカウントを運用しており、それぞれのSNSからハウステンボス内の季節の花やその時期におすすめのものを紹介しています。更新の頻度は高く、常に最新の情報を提供しています。
また多言語対応も積極的に行っており、ハウステンボスの公式ホームページは日本語のほか韓国語、中国語繁体字、中国語簡体字、英語、タイ語の6言語に対応しています。
SNS・ソーシャル活用のインバウンド事例集
SNS・ソーシャルとは、オフライン、つまりリアルな社会・人間関係や日常生活と密接に結びつくものです。その特性もあり、SNSが企業のプロモーションに活用される事例は日本国内でも枚挙にいとまありません。インバウンドにおいても、手軽に取り組みやすく比較的低予算から始められる対策として、SNS・ソーシャルを活用したインバウンド集客や販促、ブランディングの事例が数多くあります。このページでは、各業種における、SNS・ソーシャルを活用したインバウンド対策に関する事例をまとめています。
中国企業からの出資受け入れを中止
ハウステンボスは2018年来、世界各地で観光関連の企業に投資している中国の企業「復星集団」からの出資受け入れを検討していましたが、2019年2月にこれを取りやめることが明らかになりました。
出資を受け入れる場合には、復星集団により年間20万人ほどの中国人観光客を送客することが計画されていましたが、これも中止となりました。
理由については明らかにされていませんが、中国政府の影響の可能性を指摘するジャーナリストもいます。
ターゲットに合わせ、効果を発揮するインバウンド対策を
ハウステンボスでは特にアジア圏からの訪日外国人を呼び込むため、キャッシュレス決済サービスの導入やSNS運用など、さまざまな施策を行っています。
また、そもそもアジア圏の訪日外国人をターゲットとしたのもマーケティング成功の理由でしょう。ハウステンボスがある九州は特に東アジアから非常に近い上、「ヨーロッパ」というハウステンボスのテーマはアジア圏の訪日外国人との親和性が非常に高いと考えられます。
現在までのところ、ハウステンボスを訪れる訪日外国人は東アジア出身の人が多いようですが、今後はアジア全域をターゲットとして誘致を進めていく方針です。
訪日外国人観光客を誘致するためには、まずその中でも特に誰をターゲットとするのかを決め、そしてそのターゲットが何に興味を持っているのかを把握することが先決です。
その上でキャッシュレス決済の導入やSNSの運用など、設定したターゲットを呼び込むために必要な施策を行っていくとよいでしょう。
現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響で訪日外国人が入国制限が敷かれていますが、感染症終息後を見据え、訪日需要を捉えられるよう今から積極的にマーケティング戦略を練っていく必要があります。
<参照>
DIAMOND online:ハウステンボスが中国企業と破談して佐世保市が胸をなで下ろす理由
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