丸亀製麺は日本を代表するうどんレストランです。外国人にも人気があり海外でも多くの店舗を展開しています。
この記事では、丸亀製麺の概要や外国人に向けた日本国内での取り組み、海外への事業展開について紹介します。
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丸亀製麺とは
丸亀製麺は兵庫県加古川市発祥のうどんレストランです。 2000年に兵庫に一号店を開店させた後、2020年現在では日本でも世界でも大人気の一大うどんチェーン店となりました。
2000年に創業後、2020年5月現在では世界で1,090店舗(日本国内:845店舗、海外:245店舗)を展開する日本を代表する外食チェーンの一つです。
丸亀製麺の全国展開を機にそれまで香川県でしか一般的でなかった「セルフうどん」が日本中に浸透しました。
丸亀製麺の海外進出
丸亀製麺は海外展開でも成功をしています。2011年に初の海外第一号店である「MARUKAME UDON Waikiki Shop」をハワイに出店しました。
その後、シンガポール、アメリカ(本土)、フィリピン、カンボジア、ベトナム、オーストラリア、台湾、インドネシア、ロシア、韓国、中国、香港、タイにも進出しました。
丸亀製麺の世界進出に伴い、日本の文化である「うどん」は世界にも受け入れられ、現在では245店舗を海外に構えています。
訪日外国人向けのイベントも開催
丸亀製麺は外国人に「うどん」文化に親しんでもらうべく、日本国内では訪日外国人に向けたうどん作りイベントも開催しています。
丸亀製麺を運営するトリドールホールディングスによる、訪日外国人に「うどん」の製麺体験ができる「インバウンドうどん教室」です。
通算26回を数えるこのイベントは体験者自らが生地を踏んでこね、伸ばし、製麺する体験ができます。
小麦粉、水、塩というシンプルな材料からおいしいうどんができあがることに驚く外国人もいます。
付け合わせとして、好きな具材でおにぎりを握り、うどんのトッピングとなる天ぷらの下ごしらえもします。
日本の食を代表する「うどん」「おにぎり」「天ぷら」を自分で作り、できたてを味わうことができるこのイベントは訪日外国人にとても好評のようです。
丸亀製麺の海外店舗
日本国外に245店舗も展開する丸亀製麺の海外店舗の中では、売上が日本の店舗より高い店舗もあります。
現地ではどのように丸亀製麺が受け入れられているかについて、海外展開第一号店となったハワイのワイキキ店を例に紹介します。
ワイキキ店(アメリカ・ハワイ)が店舗売上1位に
全世界で合計1,090店舗を展開する丸亀製麺の店舗の中で、売上1位はアメリカ・ハワイにあるワイキキ店です。また、ワイキキ店は2011年のオープン以来常に1位をキープするという驚異的な盛況ぶりです。
ワイキキ店は、アメリカで浸透しているイェルプ(Yelp)という、日本でいう「食べログ」の様なサイトで、多くの人から満点(5つ星)の評価を得ています。
飲食店激戦区にあるにもかかわらず、店の前には頻繁に長蛇の列ができます。その客層の多くは日本人ではなく欧米人です。
ワイキキ店も、日本と同じ様にセルフサービス形式です。
天ぷらが人気で、塩、チリペッパー、七味とうがらしに天ダレ、トンカツソース、ケチャップなど豊富な調味料から味付けを選ぶことができます。
美味しいかつ安いが好評
ワイキキ店が人気な理由の一つに、その価格のリーズナブルな点があげられます。ワイキキでのランチは18ドル(1,920円)前後が相場ですが、丸亀製麺のワイキキ店では、かけうどんの並サイズが3.75ドル(約400円)で食べることができ、現地では破格の価格設定といえます。
もちろん安いだけではなく、味も現地で「おいしい」と評判です。
また、うどんを作っている様子をレストランで見られるエンターテインメント性と、店員が日本の丸亀製麺と同様に制服を着用しているという清潔感も人気の理由です。
ランチもディナーも価格設定は一緒のため、夜も値段を気にせず、うどんを楽しむことができます。
サイドメニューも人気
ワイキキ店ではサイドメニューの天ぷらも人気です。
現地では高級日本食に位置付けられている天ぷらが、丸亀製麺ワイキキ店では、1.5ドル(160円)前後で食べられるため、天ぷらだけ注文する客がいるほどです。
うどんに天ぷらを複数のせても合計9ドル(960円)程度にしかならず、18ドル(1,920円)前後の現地ランチ相場価格と比較しても圧倒的にリーズナブルといえるでしょう。
海外ならではのメニューも用意されている
丸亀製麺が海外で成功をしている理由の一つに、現地のニーズに沿ったメニュー展開が挙げられます。
日本式のうどんから、何を残して、何を捨て、何を新たに加えるのかを考慮し、現地の好みに合わせたメニューを考案したことで、丸亀製麺は現地の顧客にも受け入れられました。
インドネシア、中国、タイを例に挙げ、丸亀製麺の海外別メニューを紹介します。
インドネシア
インドネシアでは国民の約90%がイスラム教を信仰しています。
イスラム教徒は豚肉を食べることができないため、丸亀製麺は鶏から出汁をとった「鶏白湯うどん」を開発しました。現地の方は、辛い味を好む傾向にあるため、無料トッピングには、ねぎや天かすだけでなく、生唐辛子も提供しています。
インドネシアの丸亀製麺は、全てのイスラム教徒に安心してうどんを味わってもらうべく、ハラル認証を取得しています。
ハラル認証を得るには、豚だけでなくアルコールも使用できません。消毒用アルコールや臭み消し目的の酒も使用できないという厳しい条件のもと、店舗を運営しています。
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中国
中国では魚から出汁をとるという習慣がないため、魚から取ったうどん出汁を「魚臭い」という人もいます。そこで丸亀製麺は、辛さやコクの強さを引き立たせることで、魚臭さを抑えた「麻婆うどん」を開発しました。
こういった丸亀製麺の創意工夫により、中国人の中には、好きな日本食として寿司や刺身に並び、うどんを挙げる人も多くいます。
タイ
タイ人が好む味は、「甘味」「酸味」「辛味」の三拍子が揃った味です。
現地の店員が考案した「スパイシーポークうどん」は、白だしをベースとしたスープに、砂糖、ライム、唐辛子といったまさに「甘味」「酸味」「辛味」を加えたうどんです。うどんの上には、大きな豚肉の塊がのります。
また、「スパイシートムヤムうどん」も人気があります。このスープは本物のトムヤムクンの味ではなく、現地で親しまれている「ママー」というインスタントヌードルのトムヤム味をベースに開発されました。
外国人にも人気の理由は国に合わせたメニューや手ごろな価格
この記事では、丸亀製麺の海外展開に焦点を当てて紹介をしました。
丸亀製麺は、日本文化のうどんを海外に広めながら積極的に各国の出店数を増やしています。
日本食は比較的世界でも人気の食文化といえますが、それに奢ることなく、各国の文化や味の好みに合わせたメニュー展開ができていることが丸亀製麺の強みです。
また、ワイキキ店の様にもともと高級料理と考えられていた天ぷらを手の届きやすい価格設定にすることで、多くの現地の方に日本食に親しむ機会を提供しています。
海外に受け入れられるための丸亀製麺の創意工夫は、他の日本レストランチェーン店が海外進出する際の重要なモデルケースとなるでしょう。
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インバウンド需要の高まりに加えて2025年は大阪・関西万博の開催など、国内旅行者に限らず訪日観光客の増加も加速する日本。今、国内観光の需要は増加する傾向であり、ホテル・宿泊業界は大きなビジネスチャンスの時代を迎えています。このような状況において、宿泊施設としての取り組みやサービスの品質改善は、お客様に選ばれ続けるための最重要課題となっています。
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【8/5開催】「THE INBOUND DAY 2025 -まだ見ぬポテンシャルへ-」
2025年、日本のインバウンド市場は訪日外客数が過去最高の4,020万人に達するとの予測や大阪・関西万博、IR誘致などによる世界からの注目度の高まりから、新たな変革期を迎えています。一方で、コロナ禍を経た現在、市場環境や事業者ごとの課題感、戦略の立て方は大きく様変わりしました。
「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。
初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。
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<こんな方におすすめ>
- インバウンド戦略の策定・実行に課題を感じている経営者・担当者
- 最新の市場動向や成功事例を把握し、事業成長に繋げたい方
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【インバウンド情報まとめ 2025年6月後編】「2030年6,000万人・15兆円」の目標達成に向けた議論 ほか
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この記事では、主に6月後半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。
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