東京オリンピック・パラリンピックが近づくにあたり「ホストタウン」という単語が聞かれるようになりました。
ホストタウンは地方を活性化するために必要な取り組みでもあります。
地方活性化に向けて、山梨県では実際にオリンピックが始まる前からテレビ番組での特集やいくつかの地域では積極的にイベントを行い異文化交流を行っています。
この記事では、山梨県のホストタウンとその一覧、富士吉田市と富士河口湖の取り組みを紹介します。
※新型コロナウイルスの感染拡大を受け、東京オリンピック(五輪)・パラリンピックは1年程度の延期が決定しました。詳細な日程、選考基準などは、公式情報が発表され次第、順次更新します。
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山梨県のホストタウンを紹介
山梨県のホストタウンを紹介します。
ホストタウンとは、異文化理解や地方を活性化させるための取り組みです。山梨県はフランスを相手国にホストタウンに決定しています。
まずは、ホストタウンの意味と山梨県のホストタウン一覧を取り上げていきます。
ホストタウンとは?
ホストタウンとは、東京オリンピック・パラリンピックで事前合宿の誘致や海外の選手とスポーツ交流、お互いの文化紹介を通じた異文化理解など交流事業を担う自治体のことを指し、全国で400以上の地域が登録しています。ホストタウンとして登録した自治体には交流活動に必要な資金のうちの一部を特別交付税措置で賄うことが認められています。
オリンピック後も継続的な取り組みにすることで、地域のグローバル化や活性化、観光振興を目指す政府の取り組みでもあります。
ホストタウン インバウンド用語集
インバウンド用語 ホストタウン とは について解説します
山梨県のホストタウン一覧
2020年3月31日現在の山梨県内のホストタウン登録の状況は、12件13市町村となっています。 登録された山梨県の地域は一覧は以下の通りです。甲府市 | フランス共和国 |
富士吉田市 | フランス共和国 |
都留市 | フランス共和国 |
山梨市 | ドイツ連邦共和国・キルギス共和国 |
北杜市 | フランス共和国 |
笛吹市 | タイ王国 |
甲州市 | フランス共和国 |
西桂町 | フランス共和国 |
忍野村 | フランス共和国 |
山中湖村 | フランス共和国 |
富士河口湖町・鳴沢村 | フランス共和国 |
小菅村 | パレスチナ |
山梨県内のホストタウンとしての取り組み例
フランスがホストタウン相手国の山梨県では、テレビ番組でフランスに文化や言葉を発信しています。
それだけでなく、富士吉田市や富士河口湖ではフランスのスポーツや文化、芸術などを紹介するイベントの実施などをオリンピック開催前から積極的に行ってもいます。
NHKのローカル番組内で山梨県の相手国・フランスの紹介コーナーを特設
山梨県(甲斐)で放送されるNHKのローカルニュース情報番組「かいどき」には、『カウントダウン2020「ホストタウン山梨」』という特設コーナーがあります。
このコーナーは、フランス出身の元競輪選手で現在は山中湖村の国際交流員であるボシス・トムさんが主にフランスの簡単な会話や食生活、音楽やイベントなどの文化や芸術を紹介しています。
2019年10月に放送が始まってから2020年4月時点までに50回以上行われました。
オリンピック・パラリンピックが始まる前からフランスを知るための取り組みを山梨県全体で取り組んでいます。
富士吉田市の例
2016年6月に富士吉田市がフランスのホストタウンとして登録が決定しました。登録される前からも、富士吉田市は1977年からフランスのシャモニー・モンブラン市との姉妹都市交流を続けていました。
ホストタウンとして登録した後は、パリ・オペラ座バレエ団と連携した富士吉田繊維製品の販路開拓(プロモーション)を通して繊維産業の認知を国内外で高める活動を行いました。
他にも、フランスとの交流を深める活動として「フランスホストタウンフェス in 富士北麓」というフランスの料理や音楽、スポーツなどを紹介する野外イベントも行い、3000人以上が参加しました。
富士河口湖の例
河口市は、鳴沢村と共同でフランスを相手国としてホストタウンに登録しています。 フランスをホストタウンとしたことでアジア圏だけでなく、欧米からの来訪者を増やしていくことで将来的に安定した観光振興に繋げることを目指しています。また、事前合宿ではトライアスロン・パラトライアスロンの選手の受け入れを行ったり、「富士河口湖町フェス~フランスフェア~」の開催や子ども達へのトライアスロン教室などを行い、競技への理解を深めようと取り組んでいます。
ホストタウン事業を地域活性化のチャンスにするカギ
ホストタウン事業は、オリンピックが終わった後も中長期に継続していくことで地域づくり・まちづくりを活性化できます。
ホストタウン事業を盛り上げていくためには、地方自治体だけでなく民間や地域住民との協力体制を作ることも必要です。
一時的な取り組みではなく継続的な地域づくりにつなげる
地域を活性化させるためのホストタウン事業は単発で終わらせるのではなく、継続的に取り組むことが必要です。
また、スポーツだけでなく、文化や経済、教育など幅広い分野での交流を行うことで大会終了後も交流が増えるようになります。
さらには、普段外国人観光客が少ない地域にもオリンピックが近づいていることからますます訪日外国人旅行者が増えるようになり、地域の良さをアピールするチャンスにもなっています。
自治体における推進体制の構築
ホストタウンを推進するにあたって地方自治体だけでなく、政府や国全体との協力体制が必要です。
たとえば、パラリンピック選手との交流や障がい者スポーツの体験では、専門知識やノウハウを持つ障がい者スポーツ協会などの団体と一緒に進めていくことが望ましいとも言われています。
地域の特産品の売込みに関しても民間企業は販路開拓、自治体は国際交流推進などといった形で役割分担をしていくことで地域をさらに活性化できるのです。
参加型交流イベントで地域住民を巻き込む
イベントを行うにあたっても地域住民だけでなく、民間や自治体などとも一緒に行うことで地域の魅力を発信できます。
オリンピックが始まる前から参加型交流イベントや体験型イベント、事前合宿中の交流イベントなどを通してスポーツや文化、芸術など様々な分野での交流を増やしていくことで住民の関心も高めていくことも大切です。
そして、ホストタウンを継続させていくためには地域に住んでいる住民の協力と理解が最も必要です。
ホストタウン事業を地域活性化のチャンスに
山梨県では、オリンピック開催前から県としてテレビ放送を通してフランスの情報を発信したり、地域住民と文化や芸術スポーツなどの交流を行うイベントを実施しています。
地域を活性化するためには、自治体だけでなく、国や民間、そして地域住民が一体となって協力して盛り上げていくことが必要です。
また、オリンピックをきっかけに訪日外国人がますます増えることが予測されていることから、地方にとっては魅力を世界に向けて届けていくことができる機会にもなります。
オリンピックが終ったあとも、ホストタウン事業を継続することは、地方をより活性化できる機会になることでしょう。
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