三重県のインバウンド対策事例/再生回数680万超えの動画・志摩MaaS・忍者や海女が人気コンテンツ

公開日:2020年06月12日

三重県では、Instagramのキャンペーンやドローン撮影したPR動画を用いてインバウンド市場への訴求に努めています。また、ITとさまざまな輸送手段を連携するMaaSによって、観光時の課題解決に取り組んでいます。

三重県は伊勢神宮や志摩半島といった観光地が多くあるだけでなく、忍者や海女といった外国人にも人気の高い日本独自の文化が根付く場所としても注目されています。

本記事では、三重県のインバウンド事情について触れながら、三重県で人気の出ているスポットの成功事例や、三重県で実施されているインバウンド市場成長への取り組みを紹介します。

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三重県のインバウンド事情

最初に三重県のインバウンドの現状について、どの国からの来訪者が多いのか、また三重県のインバウンドの課題について解説します。

三重県を取り巻くインバウンドの現状を知ることで、アプローチすべき対象や、対策に乗り出すべきポイントが明確になります。

アジアから来る外国人が多い

三重県を訪れる訪日外国人観光客は、アジアから来訪する割合が多いです。中でも中国(23.75%)、台湾(21.84%)、香港(15.45%)、韓国(10.04%)、タイ(6.87%)からの観光客の合計だけで、全体の約78%を占めています。

観光客向けの案内施設免税といった施設の整備にも積極的に取り組んでいるのが特徴です。消費金額では、韓国人の平均が60,000円を超えほかを圧倒しており、続いて中国人の40,000円超、香港人の35,000円超と続きます。

三重県ならではの魅力の発信をより強化することで、ほかの地域からの観光客増加が期待できるでしょう。

アクセスの悪さが課題に

一方で、三重県へのアクセスの悪さが課題となっています。

トリップアドバイザーの「旅好きが選ぶ 神社仏閣 ランキング 2018」と「外国人に人気の日本の観光スポット 2018」から「神社・仏閣」のみを抽出したものを比較したところ、日本人の回答では伊勢神宮が最も人気であるのに対して、外国人からの人気は低いという結果になりました。

この差を生む要因として考えられるのが、立地による知名度の問題です。三重県は、大阪や京都といった訪日外国人から人気のある観光地が集まるゴールデンルートからは外れています。

たとえゴールデンルートから離れていても、知名度が高いスポットは訪日外国人客が訪れる可能性は高いですが、知名度が低いと誘致が難しいのも現実です。アンケート調査に日本人と外国人で差が出たのも、それぞれにおける知名度の差があることが影響しているといえます。

三重県で外国人に人気のスポット・体験

訪日外国人観光客の中でもアジア人が多く訪れる三重県で、実際に外国人に人気のあるスポットやアクティビティについて紹介します。

紹介するスポットやアクティビティの人気の理由や成功事例を知ることは、訪日外国人観光客への効果的なアプローチの実施に役立つでしょう。

忍者が人気の伊賀流忍者博物館

海外での忍者人気を味方につけたのが「伊賀流忍者博物館」です。三重県の伊賀は伊賀流忍者の発祥の地とされており、その観光の中心である伊賀流忍者博物館は、10年前と比べ訪日外国人客の数が3.5倍にまで増加しました。

中でも伊賀流忍者博物館で行われている忍者ショーは日本一とも言われ、忍者屋敷のからくり見学等のアクティビティとあわせて訪日外国人観光客からの人気が非常に高いです。

伊賀流忍者博物館を運営する伊賀上野観光協会の発表では、2018年の来館者18万人のうち、訪日外国人観光客は全体の16%の2万9,000人を占めています。その内訳にはアジア人だけでなく、欧米やオーストラリア、アフリカからの観光客も多く含まれています。

また、伊賀流忍者博物館は6年前に観光協会や津市のホテル、伊賀鉄道と連携し「忍者パック」と呼ばれる訪日外国人観光客向けのツアーを発表しました。あわせて伊賀流忍者博物館の玄関口である伊賀鉄道上野市駅の駅舎には「忍者市駅」の看板が設置され、訪日外国人観光客の誘致に一役買っています。

ナガシマリゾート

三重県のレジャーランドである「ナガシマリゾート」も、訪日外国人観光客から人気のスポットの一つです。

ナガシマリゾートはアトラクションや商業施設、温泉といったさまざまなレジャー施設が一体となった施設です。訪日外国人観光客からは買い物やアトラクション、温泉まで幅広く楽しめると高い評価を得ています。

敷地内にある「なばなの里」も人気施設の一つで、3月から5月にはチューリップ、9月から11月にはダリアやコスモスというように、季節によって違った種類の花が楽しめます。さらに冬になると点灯するイルミネーションも人気です。

海女体験ツアー

三重県には、日本特有の海女の文化を体験できるツアーもあります。三重県の志摩半島には約650人の海女がおり、これは全国で最も多い数とされています。

志摩市にある「さとうみ庵(あん)」は伝統的な海女小屋をモデルにつくられた食事処で、海女のトレードマークでもある白い磯着を着た海女が実際に目の前で海鮮を焼いてくれます。

海女文化は海外でも「Ama」の名で知られており、その効果も手伝って2018年にさとうみ庵を訪れた9,000人のうち、訪日外国人観光客は全体の24%を超えました。

さとうみ庵を訪れる訪日外国人観光客もアジアからのツアー客が多くを占めていますが、近年欧米からの個人旅行で訪れる観光客も増加傾向にあります。訪れた人は「ゴールデンルートのみを訪れる王道の観光は面白くない」「日本文化を体験したい」という理由から「さとうみ庵」を訪れているようです。

三重県のインバウンド対策3事例

三重県を訪れる訪日外国人観光客が増えた要因の一つに、積極的なインバウンド対策が挙げられます。自治体や観光連盟だけでなく、民間企業も積極的にプロモーションに取り組んでいるのが特徴です。

本記事では自治体や民間企業が取り組んだ3つのキャンペーンを取り上げます。

1. SNSによる『#VISITMIEキャンペーン』

三重県観光連盟が三重県からの受託事業として、2018年9月26日から2019年3月3日まで実施していたキャンペーンが「#VISITMIEキャンペーン」です。このキャンペーンは、海外でも広く利用されているInstagramを活用して実施されました。

MIE, Once in Your Lifetime」(一生に一度は訪れたい三重県)というテーマのもと、三重県での旅の思い出を「#VISITMIE」のハッシュタグとともに投稿してもらう取り組みです。

キャンペーンの特設ページは日本語だけでなく、英語と中国語(繁体字)、タイ語の3言語に対応しています。多言語対応の効果もあり、Instagramの投稿には日本人だけでなく訪日外国人観光客による投稿も多く見かけられました。

2. ドローンを使ったPR動画を作成

三重県の魅力をより効果的に伝える方法として、動画でのプロモーションも行実施されました。この動画は三重県観光連盟が公開した動画で、ドローンで撮影された壮大かつ映像美にこだわったプロモーション映像となっています。

この動画は三重県の自然や観光スポットはもちろん、三重県の人々にも焦点を当てています。実際に動画内では三重名物の赤福を作る人や、伊勢エビを焼く海女の姿、伊賀流忍者といった三重県の観光を支える人々の様子が多く紹介されています。

人との出会いは景色や食べ物と並ぶ旅の醍醐味の一つであり、このプロモーション動画はその部分にフォーカスしたアピールをしています。

こちらの動画は2020年6月12日時点で680万再生を突破しており、コメント欄には海外の視聴者と思われるコメントが多く寄せられています。


3. アクセスの向上へ「志摩MaaS」

三重県の観光客誘致の課題の一つとされている利便性を向上するために、近鉄グループホールディングスは志摩地域で「志摩MaaS」の構築を目指しています。加えて、デマンドバス相乗りタクシー、「デマンド英虞湾マリンタクシー」といった新しい輸送サービスの展開も進められています。

「MaaS(Mobility as a service)」とは、公共交通機関やタクシー、シェアライドシステムといったさまざまな交通機関を、ITを活用してシームレスにつなげるシステムを指します。志摩MaaSは、近鉄グループをはじめとした志摩周辺の交通サービスを提供している企業が協力しています。

2019年10月と2020年1月には実証実験も実施され、交通手段の料金体系の実証や着地型旅行商品の造成を対象としたMaaS環境の整備やアプリの構築が進められています。

三重県はロケーションの課題を乗り越え外国人誘致

忍者や海女といった日本独自の文化が根付いている三重県には、アジア人を中心に訪日外国人観光客が訪れているものの、立地やアクセスといった課題も抱えています。

そのような課題もある中、伊賀流忍者博物館やナガシマリゾート、さとうみ庵といった、プロモーションが成功して訪日外国人観光客の誘致に成功しているスポットも多くあります。

加えて、三重県や観光協会を中心に、観光客誘致のためのプロモーション活動アクセスの不便さを打開する取り組みが実施されています。

2025年には大阪万博、2027年にはリニア中央新幹線の開通が予定されており、三重県への訪日外国人観光客誘致に向けた積極的なアプローチが求められています。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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