このほど、旅行業界向け多言語AIサービスとホテル予約システムを展開するtriplaは、自社サイトの宿泊予約データを用いた「新型コロナウイルス影響調査」を実施しました。
調査では、「triplaホテルブッキング」を利用している国内約300軒の宿泊施設から集めたデータを使用しています。2020年1月26日から5月24日にかけての空室検索数・宿泊予約件数・実際の宿泊件数の割合をデータ化し、新型コロナウイルスによる宿泊予約への影響を明らかにしました。
本記事ではこの調査結果を参考に、新型コロナウイルスの感染状況とデータ数値の関連性や、今後の国内旅行の展望について解説します。
《注目ポイント》
- 空室検索数は回復傾向
- 実際の宿泊数回復には時間がかかる見通し
- 6月19日の全国移動解禁で旅行・宿泊需要のさらなる回復が予想される
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空室検索数は緊急事態宣言の週に8割減、その後回復傾向
空室検索数は2月2日に最大値を記録して以降、新型コロナウイルスの影響を受けて減少傾向となりました。週の後半に3連休を控えた3月15日から3月22日にかけて一度は増加したものの、国内での感染拡大による外出自粛の呼びかけによって再び減少しました。
緊急事態宣言が4月7日に発令された影響で、4月12日の週には最大値から80%減の最小値を記録しました。その後は回復傾向をたどり、5月24日には最小値の約3倍にあたる60%となりました。
予約件数は一時6割減、その後回復傾向/実際の宿泊件数回復には時間かかるか
空室検索回数と同じく、宿泊予約件数ならびに実際の宿泊件数も4月12日の週に最小値を記録しました。それぞれの最大値と比較しても、宿泊予約件数が60%減、実際の宿泊件数は70%減と大幅に落ち込みました。
その後宿泊予約件数は回復傾向をたどり、5月24日には最小値の約1.8倍にあたる70%となりました。施設当たりの予約金額も緊急事態宣言発令の影響を受けて数値が落ち込んだものの、5月以降徐々に回復しています。
一方で、都道府県をまたいでの移動が完全には解禁されていないことや、移動解禁を見越してかなり先の宿泊をすでに予約している人がいると考えられることから、実際の宿泊件数の回復にはまだ時間がかかるといえるでしょう。
今後の見通し:6月19日に全国移動解禁で旅行需要さらに回復するか
triplaの調査結果から、緊急事態宣言解除を機に宿泊施設への需要が回復しつつあるとうかがえます。都道府県をまたいでの移動が6月19日に全国で解禁されることを踏まえると、今後さらなる宿泊需要・旅行需要の回復が期待できます。
回復後しばらくは、感染のリスクや第2波への懸念から近場での移動が主流となることが予想されますが、感染が収束に向かい安全が確認できれば徐々に遠距離の移動も活発になるでしょう。
政府は、今後の観光回復を後押しすべく対策に乗り出しており、代表的なものとして「Go To キャンペーン」が挙げられます。
Go To キャンペーンは、新型コロナウイルスの感染拡大によって特に大きな被害を受けた観光業や運輸業、飲食業、イベント・エンターテインメントなどの業界を支援し、官民一体で需要を喚起するための観光振興事業としてスタートしました。
しかし、総額の事業予算に対して事務委託費の予算が高額であるとの批判などから、6月5日に委託事業者の公募が取りやめとなりました。その結果、キャンペーンの開始が本来の実施予定である7月より遅れるのではないかと懸念されています。キャンペーン開始日が延長されれば、宿泊需要・旅行需要の回復に影響を与える可能性も考えられます。
ウィズコロナ・アフターコロナにおいては、宿泊施設選びの際に新型コロナウイルスの感染対策実施の有無やその内容、衛生管理の徹底などが重要な判断条件となります。宿泊施設側が国内の宿泊需要・旅行需要の回復を取り込むためには、感染対策や衛生管理を徹底した上で施設の安心・安全をアピールすることが必要といえるでしょう。
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新型コロナウイルスの感染拡大で深刻なダメージを受けた観光市場の回復を目指したGo To トラベルキャンペーンが7月22日に開始しました。除外されていた東京発着の旅行商品についても、10月1日から対象となります。 Go To トラベルキャンペーンは「Go To キャンペーン事業」の一つです。「Go To キャンペーン事業」は4つの事業と広報事業からなる経済復興政策です。 観光庁は4月7日、緊急事態宣言の発令にあわせ、「新型コロナウイルス感染症緊急経済対策」の施策に対する補正予算の概要を発...
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<参照>
tripla株式会社 : 【新型コロナウイルス影響調査】
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