イタリア人も評価する「サイゼリヤ」が“1円“値上げ&キャッシュレス導入したワケ:取扱い硬貨80%削減が目標

イタリアンを中心とした料理を低価格で提供する人気のファミリーレストランチェーンのサイゼリヤが、グランドメニューを改訂し、価格の末尾を00円または50円とすることを発表しました。また、8月から順次キャッシュレス決済を導入していくとのことです。

サイゼリヤでの決済方法はこれまで現金のみでしたが、新型コロナウイルス感染拡大に伴う「新しい生活様式」に合わせて、なるべく接触を減らす考えです。

日本発祥のサイゼリヤですが、海外でも店舗を展開しており、中国や台湾ではイタリア発祥のレストランだと認識されていることもあるようです。


サイゼリヤ、「新しい生活様式」を見すえグランドメニュー価格を改定

サイゼリヤは6月23日、2020年7月1日から、グランドメニューの価格を改定することを発表しました。

今回の改定で、商品の税込価格の末尾が00円や50円などに変更となります。例えば、これまで税込399円だった商品が税込400円になったり、税込169円だった商品が税込み150円となる予定です。

また、これまで一部の店舗でしか取り扱いのなかったキャッシュレス決済を8月以降順次導入していきます。

サイゼリヤは、これらの改定を新型コロナウイルスの感染拡大防止のための「新しい生活様式」を視野にいれたものだとしています。

価格の端数をなくすことは、1円、5円、10円硬貨の使用機会を減らし、お金のやり取りを媒介した感染リスクを低下させることにつながります。

サイゼリヤはこれにより、最終的に取り扱い硬貨80%削減とすることを目指しています。

遅れていたキャッシュレスにも対応

サイゼリヤは幅広い年代層に人気でしたが、全店舗で、支払いには現金のみ使用可能という独自の路線をとっていました。

今回の価格改定のプレスリリースでは、「導入が遅れていたキャッシュレス決済を、8 月より順次展開してまいります。 」とキャッシュレス決済の開始にも明確に触れています。

キャッシュレスの普及を日本政府も促進している中で、大手チェーン店としては異例ともいえる現金のみを貫いてきた同店ですが、感染リスクを下げることを意識しての施策のようです。

実は海外でも人気?本場イタリア人やお隣の中国人の反応

日本で知名度の高く人気のファミリーレストランのひとつであるサイゼリヤですが、海外でも中国を中心に出店しており、現在国内に展開している1,093店舗の約4割となる411店舗を展開しています。

中華圏を中心に海外展開、低価格で質の高いサービスが人気に

上海・広州・北京などで331店舗を展開する中国では、その安さと味が評価され人気となっています。イタリアをイメージにおいた内装や外観のデザインに好感を抱くだけでなく、実際にイタリアの企業が経営していると認識している人もいるそうです。

同じく中華圏の台湾でも、サイゼリヤは低価格でおいしいレストランとして認識されています。台湾の中~高級レストランには、10%のサービス料や時間制限が設けられていることがあります。しかしサイゼリヤはそのような制限がないうえ、サービスもよくコスパも高いレストランとして知られています。

本場イタリア人も高評価「懐かしい味」、「ミラノにドリアはない」という意見も

過去に日本のテレビ番組で放送された「イタリア人が選ぶ最も本場の味に近いサイゼリヤメニューとは」という特集では、プロシュートやフォッカチオに対して「イタリアの味に近い」という高評価がみられました。

一方でピザやパスタなどのイタリア人のこだわりが強くみられる料理や、定番商品の「ミラノ風ドリア」に対しては、「本場の味ではない」「そもそもミラノにドリアはない」厳しいコメントも出ていました。

それでも、頻繁にサイゼリヤに足を運ぶ日本在住のイタリア人もいます。あるイタリア出身のイタリアンレストラン経営者は、 商品によっては「日本の高級レストランよりも味が良く、昔の家庭料理の味を思い出すことができ、どこかホッとするような安心感を感じられる」と評価していたそうです。

そのコスパの高さや料理としての美味しさは海外の人にも受け入れられているようです。

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政府観光局による2014年から2018年の調査によると、2014年時点で80,531人だったイタリア人訪日客の数は、2018年には150,060人と大幅に増加しました。2018年のイタリア人訪日客のうち65%以上が初訪日であり、今後の日本の課題はリピーターを増やすことと言えるでしょう。イタリア人は日常生活だけではなく、旅先での食事もとても大切にしていると考えられます。日本での旅行支出の割合を見ても、2番目に比率が高いのは飲食費です。そんなイタリア人は、日本で振る舞われている「イタ飯(イタリ...

国内外で人気のサイゼリヤ、キャッシュレス決済導入でインバウンド効果も期待?

新型コロナウイルスの感染が拡大する中で、飲食店は感染拡大防止のためにさまざまな対策を講じています。サイゼリヤの価格改定とキャッシュレス決済の導入は、ウィズコロナ・アフターコロナ時代での「新しい生活様式」に適合したケースといえるでしょう。

今回の価格改訂やキャッシュレス導入は、徹底して感染リスクの低減を図ったとして、海外からもその安全に向けた意識の高さは評価されるはずです。

サイゼリヤは中華圏を中心に海外展開をすすめており、安くておいしいレストランとしてその人気と認知度は高まってきています。インバウンド観光市場回復の折には、訪日旅行中に、食べなれた味を求めて、あるいは日本式イタリアンの味を求めてサイゼリヤを選ぶ客層も存在すると考えられます。

飲食店の店舗におけるインバウンド向け施策には、多言語対応と決済システムの整備が挙げられます。キャッシュレス決済はこれまでも、両替の手間や硬貨や紙幣の省略ができることから歓迎されてきました。サイゼリアのキャッシュレス導入は、インバウンド市場に向けて訴求できるポイントともなるでしょう。

<参照>

https://www.saizeriya.co.jp/PDF/irpdf000788.pdf

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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