グローバル企業 6割は「EC予算増に期待」、日用品・飲食料品・自動車への投資意欲高【電通イージス・ネットワーク】

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

電通イージス・ネットワークが、新型コロナウイルスの影響下におけるグローバル企業のマーケティング予算の変化について調査しました。調査の結果、多くの企業でマーケティング予算が縮小された一方、ECへの傾倒の動きが見られました。

本記事ではこの調査の結果と、今後のECの展望について紹介します。

《注目ポイント》

  1. グローバル企業の8割がマーケティング予算を縮小
  2. 6割のマーケターがECへの投資を重視、日用品・飲食料品・自動車への投資意欲が高い
  3. コロナ禍で越境ECが盛り上がり見せる/今後もその傾向が続くと予想

関連記事
コロナショック、観光業へのダメージは世界で「290兆円」

インバウンドの最新情報をお届け!訪日ラボのメールマガジンに登録する(無料)

グローバル企業の78%がマーケティング予算縮小

新型コロナウイルスの影響下で、グローバル企業のマーケティング予算に変化が出てきています。

電通イージス・ネットワークによる調査の結果、「わずかに縮小(1~5%)」「かなり縮小(6~15%)」「大幅に縮小(それ以上)」を合わせて78%ものグローバル企業がマーケティング予算を縮小したと回答しました。マーケティング予算が増加したと答えた企業は約1割にとどまりました。

多くの企業で予算が縮小された背景には、新型コロナウイルスによる大規模イベントの延期・中止があります。

日本でも東京オリンピックの延期がありましたが、ヨーロッパではUEFA欧州選手権が延期となりました。他にも展示会や音楽フェスなど国内外でさまざまなイベントが延期または中止となっており、企業のマーケティング予算に影響を及ぼしています。

グローバル企業の6割がECへの投資を重視

同調査から、6割のマーケターが長期的なECへの予算拡大を期待しており、特に日用消費財(FMCG)、飲食料品(F&B)、自動車(Automotive)の3つの業界に対する投資意欲が高いことがわかりました。

この背景として、外出制限やロックダウンなどによりECの需要が高まっていることが挙げられます。

ECには大きく国内と海外の2市場がありますが、ここでは海外を市場としている越境ECに着目します。

越境ECが盛り上がりを見せている

新型コロナウイルスの影響で巣ごもり消費が活発化する中、越境ECの需要が伸びています。国内ECの海外対応サービスなどを展開するジグザグの調査によると、自社が支援するECの売り上げが2019年7~9月から2020年1~3月にかけて143%増加したということです。

越境EC出荷国ランキング

順位 出荷国

1位

アメリカ

2位

香港

3位

中国

4位

台湾

5位

韓国

6位

オーストラリア

7位

シンガポール

8位

カナダ

9位

イギリス

10位

ドイツ

出荷国ランキングでは、上位5か国にアメリカ、香港、中国、台湾、韓国が入りました。JNTOによると2019年の国籍・地域別訪日外国人観光客数では中国、韓国、台湾、香港、アメリカが上位に入っていることから、日本の越境EC利用と実際の訪日動向にはある程度関連性があるといえます。

ジグザグの調査によると、越境ECでは防じんマスクやかぜ薬、紙ナプキンといった生活用品、そのほかアニメ関連グッズやタレント関連グッズが人気だということです。

一方で海外からの入国制限が今後もしばらく続くことを考えると、訪日外国人観光客にお土産として人気のある商品ジャンルが越境ECで今後注目されうるでしょう。

たとえば、お菓子は訪日外国人観光客から人気がある商品ジャンルの一つです。

観光庁の調査によると、訪日外国人観光客の商品ジャンル別購入率ではお菓子がもっとも高く、およそ7割の人が購入しているということです。さらに、越境EC出荷国ランキング上位5か国のうち韓国と台湾では、訪日時のお菓子購入率はそれぞれ8割近いといいます。

そのほか、化粧品や衣類なども訪日外国人観光客の購入率が高いようです。海外から旅行に来られない現在、こういったお土産としてよく選ばれている商品ジャンルが今後越境ECで伸びていく可能性があります。

越境ECで日本商品の注文が増加!出荷先トップ3はアメリカ、香港、中国:衛生用品とアニメ・タレント関連グッズが売れ筋

目次オンラインで日本商品の注文が増加注文トップ3はアメリカ、香港、中国「ウェブインバウンド」の需要オンラインで日本商品の注文が増加株式会社ジグザグは、越境EC支援サービスを導入しているECサイトの2020年1~3月の売上高が、2019年7~9月に比べて143%上昇していることが分かったと4月23日に発表しています。WorldShopping BIZチェックアウト注文トップ3はアメリカ、香港、中国同社は、越境EC支援の『WorldShopping BIZチェックアウト』を運営。売上高推移を調...

入国制限続く中、今後もEC市場の拡大が予想される

調査により、グローバル企業の約8割がマーケティング予算を縮小している中でも、多くのマーケターはECへの投資を重視していることがわかりました。今後しばらくは国内外EC市場の拡大が続くと予想されるため、このECマーケティング予算重視の傾向は継続するでしょう。

日本では6月現在111か国を入国制限の対象にしており、訪日外国人観光客数は統計史上過去最低を記録するなど、インバウンド業界は厳しい状況に置かれています。その中で、入国制限解除、そして訪日外国人の客足回復まで持ちこたえるため、越境ECに着手することは効果的でしょう。

世界の「巣ごもり消費」ニーズを越境ECで応えるには?導入のメリットと注意事項を解説

新型コロナウイルスによる外出自粛要請によって、さまざまな業界で大きな影響を受けています。その中でも外国人が日本にほとんど訪れなくなったことにより、訪日外国人を相手にビジネスをしていた事業者にとっては、これまでのような収入が見込めない状況になっています。その一方で、自宅で商品を購入したり、動画配信サービスを利用する「巣ごもり消費」のニーズが世界中で増加傾向にあります。このような状況下で注目されるのが越境ECです。越境ECの導入により、これまで訪日外国人が日本で購入していたものを、ECサイトを...

世界で「巣ごもり消費」拡大中!ECで日本商品が人気に・ネット上でできるインバウンド対策は?

新型コロナウイルスの感染拡大により、自宅の外へ買い物に出かける機会が減少しています。一方で、世界規模で増加しているのが自宅で商品やサービスを購入する「巣ごもり消費」です。また、自宅で過ごす時間が増えたことで、今までとは違う消費の形態が数多く見られるようになりました。人の動きが大きく制限されている今、インターネットを活用することで、国内のみならず国外の消費者をもターゲットに、訴求力を向上していこうとする動きが広がっています。目次新型コロナウイルスにより注目される巣ごもり消費巣ごもり消費による...

<参照>

アイプロスペクト・ジャパン:プレスリリース

観光庁:訪日外国人消費動向調査「2019年年間値の推計」※確報値

ジグザグ:プレスリリース

訪日ラボ 最新版インバウンド情報まとめ

訪日ラボおすすめの記事をご紹介します。

永山卓也氏・mov共著『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』8月5日発売


訪日ラボを運営する株式会社movは、株式会社ユニットティ 代表取締役で、日本初のGoogle ビジネスプロフィール ダイアモンドプロダクトエキスパートとしても活躍する永山 卓也氏とともに、Googleビジネスプロフィール専門の解説書『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』を青春出版社より8月5日から発売いたします。

本書は、小売・飲食・宿泊業、観光業のマーケティング、マネジメント支援を中心に豊富な支援実績を持つ永山氏、そして口コミ対策・ローカルSEO(MEO)、インバウンド領域に知見を持つmovがタッグを組み、Googleビジネスプロフィールに関わる店舗集客施策を解説したものです。

全国の書店及びAmazonなどのオンライン書店、電子書籍での販売を予定しております。事前予約については以下のページをご確認ください。
https://amzn.asia/d/06xjqsYU

詳しくはこちらをご覧ください。
永山卓也氏・mov共著『Googleビジネスプロフィールですごい集客力を手に入れる』8月5日発売


【インバウンド情報まとめ 2024年7月前編】「もう一度行きたい国」日本が1位に、その背景は? 他


訪日ラボを運営する株式会社movでは、観光業界やインバウンドの動向をまとめたレポート【インバウンド情報まとめ】を毎月発行しています。

この記事では、主に7月前半のインバウンド最新ニュースを厳選してお届けします。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください!

本レポートの内容は、原則当時の情報です。最新情報とは異なる場合もございますので、ご了承ください。

最新情報の把握やマーケティングのヒントに、本レポートをぜひご活用ください。

口コミアカデミーにご登録いただくと、レポートの全容を無料にてご覧いただけます。

詳しくはこちらをご覧ください。

「もう一度行きたい国」日本が1位に、その背景は? / 4月の国別宿泊者数 中国が再び1位に【インバウンドまとめ 2024年7月前編】

今こそインバウンドを基礎から学び直す!ここでしか読めない「インバウンドの教科書」

スマホ最適化で、通勤途中や仕込みの合間など、いつでもどこでも完全無料で学べるオンラインスクール「口コミアカデミー」では、訪日ラボがまとめた「インバウンドの教科書」を公開しています。

「インバウンドの教科書」では、国別・都道府県別のデータや、インバウンドの基礎を学びなおせる充実のカリキュラムを用意しています!その他、インバウンド対策で欠かせない中国最大の口コミサイト「大衆点評」の徹底解説や、近年注目をあつめる「Google Map」を活用した集客方法など専門家の監修つきの信頼性の高い役立つコンテンツが盛りだくさん!

→ 【無料】「インバウンドの教科書」を見てみる

完全無料 口コミアカデミー 「インバウンドの教科書」出ました! 国別・都道府県別データ・トレンドをカバー 見てみる

関連インバウンド記事

 

役にたったら
いいね!してください

この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

訪日外国人観光客インバウンド需要情報を配信するインバウンド総合ニュースサイト「訪日ラボ」。インバウンド担当者・訪日マーケティング担当者向けに政府や観光庁が発表する統計のわかりやすいまとめやインバウンド事業に取り組む企業の事例、外国人旅行客がよく行く観光地などを配信しています!

プロモーションのご相談や店舗の集客力アップに