6月の日本人宿泊者数、5月比8割増で好転:7月はGo To開始でさらなる回復期待【宿泊旅行統計】

公開日:2020年08月04日

観光庁は7月31日、宿泊旅行統計調査の2020年6月第1次速報と5月第2次速報を発表しました。

宿泊旅行統計調査とは、日本人・外国人の宿泊状況を明らかにし、延べ宿泊者数・実宿泊者数、客室稼働率、国籍別の延べ宿泊者数などをデータ化したものです。 調査は月ごとに実施されています。

発表された調査データによると、2020年6月の延べ宿泊者数は1,394万人泊で、前年同月比69.6%減となりました。また、外国人延べ宿泊者数は前年同月比98.2%減と、前月に引き続き大きく落ち込んでいます。一方で、日本人延べ宿泊者数は前月の766万人泊から1,376万人泊と回復の兆しをみせました。

この記事では、6月の宿泊旅行統計調査データを参考に、国内外の宿泊者数の動向や今後の展望について解説します。

《注目ポイント》

  1. 6月外国人延べ宿泊者数は前年同月比98.2%減に
  2. 6月日本人延べ宿泊者数は前月比8割増で回復傾向
  3. 7月は"Go To"開始でさらなる回復期待

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6月外国人延べ宿泊者数:前年同月比98.2%減に

2020年6月の延べ宿泊者数は1,394万人泊でした。うち外国人宿泊者数は18万人泊となりました。

延べ宿泊者数推移
▲[延べ宿泊者数推移]:観光庁宿泊旅行統計調査

前年同月比は延べ宿泊者数が69.6%減、外国人宿泊者数は98.2%減という結果となりました。

6月に入っても新型コロナウイルスの世界的な感染拡大の影響は大きく、各国で渡航制限や渡航自粛要請の措置が続けられ、また日本への入国拒否の対象もさらに拡大しました。

一方で、日本人宿泊者数は1,376万人泊となり、前月5月の1.8倍と大きく増加しました。その要因としては、国内における緊急事態宣言の全国での解除や都道府県をまたぐ移動の解禁などが挙げられます。

外国人宿泊者数においても、前月5月に比べて増加傾向がみられました。現在は各国との入国制限緩和の交渉が進められており、実際に緩和されればさらなる回復が期待されます。

6月客室稼働率:前年同月比38.2ポイント減

6月の客室稼働率は全体で22.4%で、前年同月比38.2ポイント減となりました。

施設タイプごとに比較しても、旅館、リゾートホテル、ビジネスホテル、シティホテル、簡易宿所のすべてで前年同月から稼働率がマイナスとなりました。特にシティホテルでの減少率が前年同月比61.6ポイント減と高く、その要因として訪日外国人観光客の大幅な減少が挙げられます。

一方で、前月5月と比べるとすべての施設タイプで稼働率が上昇しました。その背景には、6月に都道府県をまたぐ移動の制限が解除され、国内での移動や観光需要が徐々に回復したことがあると考えられます。

7月にはGo To Travel キャンペーンが開始されたことから、今後さらに稼動率が上昇すると期待されます。

6月国籍別外国人延べ宿泊者数:全国籍で大幅な減少

2020年6月 前年同月(2019年6月) 前年同月比
アメリカ

31,940人

689,110人

-95.4%
フィリピン

20,310人

90,390人

-77.5%

中国

14,700人

2,626,420人

-99.4%
ベトナム

7,210人

69,550人

-89.6%
韓国

4,360人

1,032,230人

-99.6%

上の表は、6月の宿泊者数が多かった上位5位までの国・地域の宿泊者数と、前年同月比をまとめたものです。今回はアメリカ、フィリピン、中国、ベトナム、韓国の順となりました。

アジア・欧米を問わず全国籍(集計されている21区分)で、前年に比べて大幅な減少を記録しました。前月の5月や4月と比較して減少率はわずかに下がっているものの、訪日外国人観光客の増加によるインバウンドの回復には程遠いといえるでしょう。

※国籍別外国人延べ宿泊者数は、従業者数10人以上の施設に限った数値です。

7月分以降はどうなる?"Go To"開始と入国制限緩和

8月4日現在、日本への入国制限の対象は146か国・地域となっていますが、ベトナムとタイについては、ビジネス目的の入国者の入国手続きが開始されました。さらに政府は、豪州、ニュージーランド、中国、韓国、台湾、香港、シンガポール、マレーシアなどアジア・オセアニアの14か国・地域と入国制限緩和の協議に入っています。

これらの国・地域は新型コロナウイルスの感染が収束に向かっており、いち早く経済活動の再開の動きがみられるだけでなく、日本との経済的なかかわりも深いといえます。今後これらの国が緩和の対象に加われば、外国人宿泊者はさらに増加していくでしょう。

しかし緩和の対象がビジネス上の必要な往来からとされ、その後留学生、そして観光目的と順序立てられていることから、インバウンドの完全な回復にはまだ時間を要することも明らかです。

一方、日本人宿泊者は、6月19日の都道府県をまたぐ移動の解禁や7月22日から開始されたGo To Travelキャンペーンによって、今後さらに回復傾向をたどることが期待されます。

まずは「安心・安全」を示す衛生管理や感染防止策への積極的な取り組みを徹底して国内の観光客を誘致し、次にアジア圏に向けて情報発信していくことが、アフターコロナにおけるインバウンド集客の要といえるでしょう。

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<参照>

観光庁宿泊旅行統計調査(令和2年5月・第2次速報、令和2年6月・第1次速報)

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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