7月の免税売上31億まで回復も前月比微増、入国制限緩和で大幅回復なるか【日本百貨店協会】

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8月21日、日本百貨店協会・インバウンド推進委員会が、2020年7月免税売上高・来店動向の速報を発表しました。

新型コロナウイルス感染拡大による入国拒否の影響は続いており、7月の訪日外客数は前月6月より1,200人増加したものの、3,800人にとどまりました。また、免税総売上高も前年同月比88.7%減、購買客数は同97.0%減と入国制限による多大な影響を受けています。

6月よりも免税総売上高、購買客数ともに回復傾向にありますが、6か月連続で前年同月比を下回りました。

一方で、現在各国と入国制限緩和の交渉が為されており、一部では往来が再開していることから、来月以降も少しずつ回復していくことが予想されます。

また、一人あたりの購買単価は約23万7,000円と前年同月比の271.7%を記録しました。

《注目ポイント》

  1. 免税総売上高は前年同月比11.3%、購買客数は前年同月比3%
  2. 一方前月比では免税総売上高が約1.18倍、購買客数が約1.08倍と横ばい
  3. 免税手続きカウンターの来店数、中国は入国制限でも1位をキープ

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免税総売上高は前年比の11.3%、購買客数は3%に

8月21日に2020年7月分の百貨店免税売上高・来店動向の速報が、日本百貨店協会・インバウンド推進委員会より発表されました。この調査は、90店舗の「インバウンド推進委員店」を対象として実施されたものです。

▲[免税購買客数および免税総売上高動向]:日本百貨店協会、免税売上高・来店動向より訪日ラボ作成
▲[免税購買客数および免税総売上高動向]:日本百貨店協会、免税売上高・来店動向より訪日ラボ作成

7月分の免税総売上高は約31億7,000万円(前年同月比88.7%減)、購買客数は約1万3,000人(同97.0%減)でした。

どちらの数値も多少回復傾向にはあるものの、先月よりも回復の幅は緩やかでした。

現在も新型コロナウイルスの感染拡大に伴う入国制限が続いており、これにより免税売上高や来店動向も影響を受けていると考えられます。

政府により入国制限緩和の交渉が進められていますが、すぐに往来が回復するとは考えにくいため、8月以降もこの傾向が続くと予想されます。

一人あたり購買単価は23万7,000円と先月に引き続き高い数値を記録

一人あたり購買単価については、2019年7月の約6万4,000円から約23万7,000円と17万3,000円増加しました。

先月に引き続き、長期間日本に滞在している外国人のうち経済的に余裕のある層がインバウンドによる購買の中心を占めており、前年同月と比べて購買単価に上昇傾向がみられたと考えられます。

化粧品・ハイエンドブランド人気が継続

7月に人気のあった商品は以下の通りです。

順位 商品カテゴリー
1位 化粧品
2位 ハイエンドブランド
3位 婦人服飾雑貨
4位 食料品
5位 婦人服・用品、子供服・洋品

4月から比較すると1位の化粧品、2位のハイエンドブランドは一度も順位に変動はなく、3位以下のカテゴリーは毎月少しずつ変動があります。

どの月も紳士向けの商品よりも婦人向けの商品の方が人気の傾向にあります。

中国国内で普及しているSNS小紅書RED)」などで日本の化粧品やハイエンドブランド品などに関する口コミが広がっており、「安全・安心」のイメージが根付いていることなどが理由として考えられます。

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免税手続きカウンター、中国1位は継続

7月の免税手続きカウンターの来店国別順位は、以下の通りです。

順位
1位 中国
2位 台湾
3位 香港
4位 韓国
5位 マレーシア
6位 タイ
7位 シンガポール

中国は他国より少し早く3月から入国制限の対象国に指定されましたが、未だ1位を継続しています。その要因としては、入国から6ヵ月経過していない場合は免税販売の対象となるため、日本に引き続き滞在している訪日中国人観光客免税手続きカウンターを利用していることが考えられます。

2位から7位までは順位に多少変動はあるものの、ランクインする国自体には変化はありません。

7月は入国制限緩和の兆し/8月分から徐々に客足回復か

8月12日時点で、日本政府は146の国・地域に対して、特段の事情がない限り日本への入国を拒否しています。その影響を受け、7月も免税店の売り上げは低迷していました。

その一方で、政府は現在16カ国・地域との間で入国制限緩和の交渉を進めており、その一部では往来が再開しています。また、外国人留学生の受け入れも8月内に開始予定であり、緩和していくと見られています。

そのため、このまま交渉がスムーズに進んでいけば、8月以降には免税売上も少しずつ回復していくことが予想されます。

免税カウンター来店数の多い東アジア東南アジアの国への入国制限がじきに解除されるため、客足が戻れば売り上げ増加が見込めるでしょう。

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<参照>

日本百貨店協会:2020年7月の免税売上高・来店動向【速報】

日本百貨店協会:2019 年 7 月 免税売上高・来店動向【速報】

JNTO:訪日外客統計 2020年7月推計値

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「THE INBOUND DAY 2025」は、この歴史的な転換点において、インバウンド事業に携わるすべての企業・団体・自治体・個人が一堂に会し、日本が持つ「まだ見ぬポテンシャル」を最大限に引き出すための新たな視点や戦略的アプローチを探求、議論する場です。

初開催となる今回のテーマは「インバウンドとは」。

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

訪日ラボ編集部

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