台湾人旅行者の「名探偵コナン」徹底的巡礼を紹介 コロナ禍で出国できない中、台湾の台東に人気高まる理由とは?

公開日:2020年08月27日

台湾は、世界でも有数の親日国として知られています。2019年に日本を訪れた台湾人の数は489万人を超え、台湾人にとって日本はアメリカに次ぐ2番目に人気の旅行先となりました。

訪日台湾人による消費総額は5,785億円を超えており、一人あたり11万8,288円を消費しました。

また、2011年に東日本大震災が発生した際には台湾から公民問わず数々の支援が寄せられ、2018年に台湾の花蓮県で地震が発生した際には日本が国際緊急援助隊としていち早く専門家を派遣するなど、両国の絆は強固なものとして世界からも見られています。

そんな台湾では、日本のアニメがテレビで放映されており幅広い世代に受け入れられています。中には日本へ赴き舞台となった場所を訪れるいわゆる聖地巡礼をしているアニメファンもおり、彼らは聖地巡礼の様子をブログやSNSなどで紹介しています。

※本記事は、ブログユーザーの同意を得て写真を掲載しております。

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台湾のファンが「名探偵コナン 迷宮の十字路」の舞台を聖地巡礼

名探偵コナンは台湾でも広く人気を博しており、台湾にも多くのファンが存在します。

そんなファンの一人である台湾人大学生のchein17氏は、2019年の夏休みに日本を訪れた際に名探偵コナンの舞台巡りを楽しみました。

その様子を台湾最大のBBSである「批踢踢実業坊(PTT)」に投稿し、多くの同BBSユーザーからの注目を集めています。

▲[映画の大阪府警本部と実物の比較]:chein17氏撮影
▲[映画の大阪府警本部と実物の比較]:chein17氏撮影


▲[映画の清水寺と実物の比較]:chein17氏撮影
▲[映画の清水寺と実物の比較]:chein17氏撮影

▲[映画の貴船小橋と実物の比較]:chien17氏撮影
▲[映画の貴船小橋と実物の比較]:chien17氏撮影

chein17氏は一週間の訪日旅行を計画し、京都府、大阪府、奈良県を訪れました。その中で2003年の映画「名探偵コナン 迷宮の十字路」に登場した大阪府警察本部や京都の京都駅、清水寺、金閣寺、京都タワーなど、数多くの舞台を訪れ、写真を撮影しました。

これらの写真をPTTに投稿し、映画のキャプチャーと比較して紹介したところ、他のPTT利用者から「筋金入りのコナンファンだ、ここまで良い写真が撮れるなんて」「京都には行ったことがあるけど、まさかコナンの舞台だったなんて」「そう遠くない日にまた京都に行けたら良いな」などのコメントが寄せられていました。

台湾における「名探偵コナン」の人気は?

漫画家・青山剛昌氏の作品「名探偵コナン」は、台湾などの中華圏では「名偵探柯南」という名称で知られています。日本では1996年にアニメ版「名探偵コナン」の放映が始まりました。

台湾では早くも翌年の1997年から地上波チャンネルの中華電視台(華視)にて中国語版の放映が始まり、現在では中華電視台以外の各チャンネルにおいても再放送を含む放映が続けられています。

既に20年以上にわたり放映されていることもあり、台湾における名探偵コナンの視聴率は数ある日本製アニメの中でもトップ10入りするほど高く、映画版名探偵コナンも東森電影台などの各チャンネルで放映されています。

また、日本では小学館から出版されている漫画も台湾では現地出版社の青文出版社により中国語版が出版されており、2020年8月現在では96巻までが出版されています。

台湾でも「聖地巡礼」は人気

このように、アニメや漫画などの作品の舞台になった現実の場所を訪れることは「聖地巡礼」と呼ばれています。

日本では「ガールズ&パンツァー」の舞台となった茨城県大洗町「とある科学の超電磁砲」の舞台となった東京都立川市など、いくつかの地域が特に聖地巡礼の訪問先として有名です。

聖地巡礼で人気の地域のうち、一部の自治体では作品を活用した地域振興(町おこし)にも取り組んでおり、例えば大洗町では商店街の店先に「ガールズ&パンツァー」のキャラクターの等身大パネルを設置しているほか、立川市では市内の小売店で「とある科学の超電磁砲」の関連グッズが販売されています。

これらの観光地には多くの台湾人観光客も聖地巡礼に訪れており、大洗町の大洗旅館組合は2019年に台湾の新北市温泉観光協会と提携を始めたほか、立川市の立川駅構内には「東京観光情報センター多摩」が開設され、日本語、英語、中国語、韓国語の4か国語で観光に関する情報を提供しています。

コロナ下で聖地巡礼はどうなったか

台湾のアニメファンの中には日本へ赴き聖地巡礼を楽しむ人も多く存在していましたが、新型コロナウイルスの感染拡大により2020年2月頃には両国間の行き来が事実上不可能な状態となりました。

台湾人は海外旅行好きの国民性であったものの、台湾の入出国が全て規制されている現状では海外旅行にも行けません。しかし、台湾では新型コロナウイルスが広まらなかったため、既に数か月にわたり国内における新規感染者が存在せず、新型コロナウイルスの流行前と変わらない社会生活が続いています。

そこで台湾では、国内旅行がにわかに熱を帯びています。中でも離島である澎湖県と、金門県馬祖県は独自の文化が形成されているため、海外旅行のような体験が楽しめるとして人気の旅行先となっています。

また、日本への聖地巡礼も不可能となってしまったものの、台東県にある太麻里駅の踏切がアニメ「スラムダンク」の舞台となった神奈川県藤沢市・江の島の踏切に似ているということで、多くのファンが聖地巡礼の代わりとして訪れています。

他にもいくつか日本のアニメの舞台に似た場所が話題となっており、聖地巡礼の代わりに行ける目的地として台湾人の注目を集めています。

写真好きな台湾人のSNS利用法は?

誰もが旅行の際には記念写真を撮りますが、台湾人は特に写真好きな国民性を持っており、普段から友達と会ったときやレストランで食事を食べる前、一日の始まりと終わりなどさまざまなシーンで写真を撮ります。

台湾ではスマートフォンが老若男女に幅広く普及しており、手軽に写真を撮れる環境が整っていることも写真好きの文化を後押ししているようです。

そんな台湾人のインターネットユーザーは、やはり写真を多用したコンテンツを好む傾向にあります。

ここでは台湾人のSNSやブログの利用法について、特徴的な部分を解説します。

台湾の二大SNSはFacebookとInstagram

台湾では、FacebookとInstagramが主に使われています。

中でもFacebookが最も普及しており、若年層から中高年までほぼ全ての成人がFacebookアカウントを所持していると言っても過言ではないほどに広く普及しています。

Facebook上には学校や会社、地域などでグループが設けられており、重要な連絡事項もFacebookで伝達されることがあるため、現代の台湾社会で生きるにはFacebookは欠かせない存在となっています。

一方、Instagramは若年層を中心に普及しています。

学生などの若年層はInstagramを多用しており、その日の食事や身の回りの景色などの日常の一コマを投稿しています。

Instagramのダイレクトメール機能でチャットを楽しむユーザーも多く、若年層のコミュニケーションツールとしての役割を果たしています。

台湾人の書くブログの特徴とは

台湾では、痞客邦(PIXNET)というブログサービスが最も普及しています。

▲[痞客邦(PIXNET)トップページ]:編集部撮影
▲[痞客邦(PIXNET)トップページ]:編集部撮影

PIXNETは2003年にリリースされたブログサービスで、現在では約660万人の会員を抱えています。

PIXNETには日常生活や小説などさまざまなコンテンツが掲載されていますが、中でも旅行記と食レポが特に人気です。

これらのコンテンツは大量の写真と共に掲載されることが多く、大量の写真と少しの文章という構成の記事がよく見られます。

写真であれば一目見て内容を把握できるほか、見た目も華やかにできるため、多くのブログライターは写真を多く掲載する傾向にあります。

一方、文章はそれほど重要視されない場合もあるため、旅行記や食レポであれば肝心の場所や価格、連絡先などが載せられておらず、読者の必要とする情報が欠けている記事も中には存在します。

台湾人は写真好き!台湾向けのプロモーションにはビジュアルが大切

台湾人は親日家が多く、日本にも多くの台湾人が例年訪れていました。

今回紹介した名探偵コナンの聖地を巡礼した投稿にも「とても日本に行きたくなった」「また京都に行きたい」「今年こそ京都に行くつもりだったのに、とても残念」など、日本に対する好意的なコメントが数多く寄せられていました。

台湾人は写真好きな国民性であるため、台湾に向けたプロモーションを実施する際には文章より写真に重点を置いたコンテンツを制作すると良いでしょう。

また、旅行の際にも沢山の写真を撮るほか、写真映えの良い場所を考えて目的地を決めることも多いため、台湾人旅行者に来てもらうには地域や店舗で写真映えの良い場所を宣伝したり、写真撮影に適した場所を作ることも大切です。

そして、特に若年層であれば聖地巡礼目的の観光も多く見られるため、地域がアニメやドラマ、映画などで取り上げられていた場合、それらの作品とタイアップした観光資源を制作することも効果的です。

これらを念頭に置いたインバウンド対策を採ることで、ポストコロナに海外旅行が再開された際には台湾人旅行者にとって魅力的な観光先になれるでしょう。


<参照>

批踢踢實業坊:[遊記] 柯南迷宮的十字路景點朝聖

中央通訊社:台北動漫節5天吸逾40萬民眾 口罩防疫展高素質

KAI-YOU:「ガルパン」聖地、大洗の町おこしが成功し続けている理由とは?

日本李登輝友の会:【祝】 茨城県の大洗旅館組合と新北市温泉観光協会が「連携に関する覚書」を締結

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この記事の筆者

訪日ラボ編集部

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